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キスし合って、脱がせ合って、裸を見せ合って






















【第4話】



        
        カチャ、カチャ、カチャ……

        あたしとお父さんは、キッチンで遅い夕食をとっていた。
        メニューはもちろんカレー。

        「雪音。今度の撮影、上手くいくかなぁ?」

        「そんなの……もぐもぐ……やってみないとわからないわよ。でも、お
        父さんだってプロのカメラマンのひとりなんだし、もぐもぐ……白黒の
        撮影や、ハメ撮りくらい経験あるんでしょ?」

        「お、お前……い、今なんて……うっうぅぅぅぅ……」

        「ほら、泣かないの。いまどき、こんな情報は、ネットでいくらでも手
        に入るのよ。それより、スタジオの方なんだけど、さすがにベッドを持
        ち込むわけにはいかないでしょ。マットで我慢してもらおうかしら?」

        あたしは、スプーンを口にくわえたまま、お父さんの方を見る。
        ここは、人生経験豊富。あっちの方もあたしが産まれたんだし、一応、
        豊富のはず?
        まずはご指南を……

        「うん、雪音に任せる……それよりも、カレーお代わり。ついでに卵も
        ……」

        「ダ~メ。我が家では卵は1日1個まで! ホントに頼りにならないん
        だから」



        翌日、美帆さんと共に旦那様の毅さんが、スタジオを訪れた。

        「よ、よろしくお願いします」

        「こちらこそ。撮影アシスタントの北原雪音です」

        日焼けした精悍な顔をしているけど、ちょっと気弱かな?
        目が泳いで表情が硬い。
        まあ、今からやることが、その~やることだし、これで普通かもね。
        それに、さっきからソプラノボイスで撮影準備をしている『ピンクの傀
        儡子』さんより、ずぅ~っとずっとマシかも。

        「雪音、照明はオレンジ色に……」

        だからお父さん、声を裏返えさないでって……もう!

        「小野寺さん、こっちは準備が整いました。始めてもらって結構ですよ」

        そのお父さんが、むせ返るほど声を殺しながら合図を送った。
        あたしは、カメラの横で待機する。

        薄オレンジの世界に、大きめのマットレスが1枚。ただし掛け布団はな
        し。
        ここは、撮影に関しては冷静なお父さんの判断で……?

        「あなた……」「あ、ああぁ……」

        美帆さんに促されるようにして、ふたりがマットレスの脇に立つ。
        鼻息が届くくらい間隔でしばらくの間、向き合っている。
        そして……突然のキス。

        背の高い毅さんが、首を折り曲げるようにして美帆さんの唇に触れた。
        毅さんが美帆さんの肩を抱いて、美帆さんが毅さんの背中に両腕をまわ
        して……
        ふたりとも目を閉じたまま喉仏のあたりを、唾液を呑み込むようにゴク
        リゴクリと動かして、濃厚なキスを続けている。

        カシャッ、カシャ、カシャ、カシャッ……

        お父さんがシャッターを押した。

        これが大人どおしのキス……?!
        想像していたのと全然違う! でも、なんだかすごい!

        あたしは、ふう~って熱い息を吐いた。
        隣でお父さんが羨ましそうな顔をしている。

        いつのまにかキスを終えたふたりが、また鼻息が掛る間合いで向き合っ
        ている。
        そして、どちらからとなく両腕がお互いの身体に触れた。

        シュルシュル……スス、スススッ……カチッ……シュルシュル……

        あたしの見ている前で、毅さんの逞しい筋肉のボディが露にされていく。
        美帆さんの成熟と若さを兼ね備えた、魅惑的な肉体も晒されていく。

        スス……スススス~

        膝立ちになった美帆さんが、毅さんのトランクスを慣れた手付きで下ろ
        していた。
        ウエストの前部分をつまんで、はち切れそうな男の……そのシンボルを
        交わしながら片足づつ抜き取っていた。

        「わ、あわわわぁ?!」

        生まれて初めて目にする男の性器。
        太くて長くて、斜め45度で天井を上向いていて……先っぽがぬらりと
        光って……

        そうしたら、目が合った美帆さんが自分の身体で毅さんを隠した。
        彼女だって、腰に白い下着1枚だけなのに、カメラの前にその背中ライ
        ンを晒した。

        「あなた……早くぅ……」

        「あ、あぁ……美帆」

        美帆さんの甘い催促に毅さんが応える。

        スルッ……スススス~

        慎重に、滑らかな肌を指先が傷付けないように、最後の1枚を引き下し
        ていく。
        毅さんは、露にされた女性の部分に顔を埋めたまま白い布切れを脱がせ
        ると、手のひらに収めた。

        カシャッ、カシャ、カシャ、カシャッ……

        その瞬間を逃すまいとシャッターが鳴いた。
        その音に、美帆さんの若々しいお尻のお肉が震えた。
        彼女の腰に貼り付いた褐色の両腕が、強く強くギュウっと喰い込んだ。

        あたしは口の中をカラカラにしながら、乾いた空気みたいな唾を飲んで
        いた。
        全身がオーバーヒートするを感じながら、瞬きだって忘れかけていた。

        どうなるの? この後は、ふたりで何をするの?!

        そうしたら、美帆さんが先に動いていた。
        小さなお花が散りばめられたマットレスに仰向けに寝転ぶと、毅さんを
        呼ぶように唇を動かす。
        それに呼び寄せられるように、毅さんが上から覆いかぶさっていく。

        「ああ、あなた……」

        「美帆……」







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