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すれ違い……男と女……
















(25)



        河添拓也の視点


        「アンタ達っ! 許さないからっ!」

        隣の部屋で一息吐いていた俺は、慌てて襖を開けた。
        両腕を縛られたまま、女体盛りとして仰向けに寝かされた典子。
        それを取り囲む男たち。
        そしてもうひとり。招待もしていない小娘の姿が?!

        あいつは……? 篠塚の娘、美里?!

        「いやぁぁぁっっ! だ、だめぇっ! 美里ちゃん……どうして……」

        「典子お姉ちゃん、安心して。美里が助けに来たからね」

        女体盛りにされた典子が、座卓の上で暴れた。
        盛り付けられた料理が、畳の上へと滑り落ちていく。

        「ど、どういうことだ? これはっ!」
        「いったい誰なんだ? この女はっ!」

        数秒のタイムラグが経過して、反応の悪い男どもが不満の声を上げた。
        だが、聞きたいのはこっちの方だ。

        「皆様、落ち着いてください。どうかお静かに……」

        「これが落ち着いていられるかっ! 不愉快だ! ワシは帰るぞ」
        「そ、総代。でしたらワタシも」
        「おお、そうだ、俺も……」

        我に返った反対派総代を先頭に、逃げるように男どもが部屋から出てい
        く。

        「ちょっと、アンタ達。待ちなさいよ! 待ちなさいってば!」

        美里の声に立ち止まる男などいない。
        結局部屋の中には、俺と典子。それに突然現れた美里だけが取り残され
        ていた。

        「大変なことをしてくれましたね。お嬢さん」

        俺は難しい顔をした。
        いや、内心はこんなものではない。
        綿密に組み上げた計画を台無しにしてくれた美里に、憎悪の炎が渦巻い
        ている。
        親が親なら娘までもが、この俺を……

        「ふん、典子お姉ちゃんにこんなひどいことをして、自業自得よ! 
        いい気味だわ。ね、典子お姉ちゃん?」

        「……」

        「典子……お姉ちゃん? そうよね?」

        「……」

        だが、美里の呼びかけにも典子の反応はなかった。
        残飯と化した料理の一部を肌に付着させたまま、我を忘れたように立ち
        尽くしている。
        もちろん素裸のままで。

        「お嬢さん……いや、篠塚さん。アナタは何もわかっていないようだね。
        彼女のことを親身になって想うなら、他にいくらでもやり様はあったも
        のを。軽率すぎたようです」

        「どういう意味よ?」

        俺は美里に答える代わりに、典子を抱き寄せた。
        人形のように無抵抗な彼女の唇を、俺の唇で塞いだ。
        舌で前歯をこじ開け、唾液を流し込んでいく。

        「そ、そんな……?!」

        咄嗟の出来事に、息を飲む美里。
        俺は見せつけるように、典子と濃厚なキスを続けた。

        「ちゅぷ、ちゅぱっ……は、はあぁぁ……」

        やがて典子は、意識を遠のかせたまま女の声を響かせた。
        力の抜け切った身体のすべてを俺に預けて、自分から舌を絡みつかせて
        きた。

        「やめなさいよ。やめてよ……そんな……」

        さっきまでの跳ねっ返り娘はどこへ行ったんだ。
        美里は弱々しい目線で俺を睨みつけ、弱々しい声をあげた。

        「ふんむぅ、あぁ、はあぁぁっっ……ちゅばぁっ、ちゅぶうっ……」

        それに逆行するように、嬌声を上げ続ける典子。
        虚ろな目のまま肢体を艶めかしくくねらせて、さらなる刺激を求めよう
        とする。

        ふふふっ。お嬢さん、目をおっぴろげて見ておくんだな。
        これが大人の男女の交わりってやつだ。

        俺は左手だけで典子の身体を支えると、汗ばんだ肌を撫でながら右手を
        下降させる。
        剥き身のゆで卵のような尻肉に辿り着かせて、指の腹でやわやわと揉み
        しだいていく。

        「あっ……ああぁぁっっ……はうぅぅんんっ……」

        餌をねだる子犬のように、典子が鳴いた。
        餅のように貼りつく肌を手のひらでペタペタさせながら、指を割れ目の
        奥深くに潜む菊座へと這わせていく。

        「どうだ、典子。こっちの穴も気持ちいいだろ?」

        いつもとは趣の違う俺の甘い声に、典子の首がコクコクと返事を繰り返
        している。
        その返事を証明するように、指を根元まで突き入れた。
        典子は俺にしがみ付いたまま、身体をビクンとさせる。

        「もういいっ! 汚らわしいわよ、ふたりとも……勝手にしなさいよぉ
        っ!」

        少々お嬢さんには刺激が強すぎたか?
        それとも身体を張って守ろうとした女のあさましい姿に、やりきれなく
        なったか?

        美里は吐き捨てるようにそう叫ぶと、部屋を出ていった。
        トントンと床を叩く足音がこの部屋まで聞こえて、やがて消えた。

        「行っちまったな。ああ見えて、まだまだ子供ってことだ」

        俺は喉から飛び出そうな憎悪の言葉を封じ込めた。
        ここで怒りを露わにしたところで、なにも変わりはしないのだから。
        それよりも、札束を叩いてこの離れを借り切ったんだ。
        多少なりとも有意義に使わないとな。

        嵐の過ぎ去った後の部屋で、俺は典子を抱いた。
        今夜は一晩中鳴かせ続けてやる。俺の息子でな。
        そうだ。典子は俺の女だ! 俺の所有物だ!
        どう使おうが、どう利用しようが、俺の勝手だ!

        そんな典子の口から洩れる声を、俺は敢えて無視した。

        「ごめんなさい……アナタ……ごめんね……美里ちゃん……」

        誰のことだ! 俺は……知らんな!






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