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千里はエロ映画に出演します
























(14)


9月 9日 火曜日 午後9時  水上 千里



「失礼します。松山先生、いますかぁ……?」

私は、控えめな声で診察室の扉を開けた。
同時に研ぎ澄まされた五感が、全然愉快じゃない不協和音を運ぶ。
そう、あの男の卑劣な罠にかかった2週間前と同じ空気。同じ空間……

そして、肝心の先生は留守だった……て、ことはなさそう。
部屋の奥から漏れだすデスクライトの明かりが、それを証明している。

私は怖気ずく両足を、その明りの源へと向かわせた。

「やあ、待っていましたよ。千里さん」

どうやら、千里のエロ映画デビューは決定的みたい。
不敵な笑みを浮かべて椅子に座る松山。
その隣には、大柄な男の人がビデオカメラを携えて待機しているから。

私は松山の前に進み出て、自分の方から声を掛けた。

「こんばんわ、松山先生。本日はよろしくお願いします」って、謙虚に挨拶してその後に言ってあげた。
「でも、最初からSMは勘弁してよね」って。

ちょっとしたジョークのつもりだったのに、松山の表情は変わらない。
本人は格好をつけているだけかもしれないけど、はっきり言って薄気味悪いな、その顔。
そして松山は、その表情のまま、折りたたんだレポート用紙を私に手渡した。

それを合図に、隣に控える男の人がカメラの操作を開始した。
どうやら、エロ映画の撮影が始まったみたい。

とりあえず、レポート用紙の文章を流し読みしてみる。

「……くぅっ!」

これを宣言書のように読み上げろっていうの?! 声にして……?

そのレポート用紙には、エロエロ主演女優に相応しい名文が並んでいた。
それなのに、おかしいな? 
おでこに脂汗が滲んで、呼吸まで荒くなっている。

「この前は頷いてばかりで、余興としてはもうひとつでしたからね。今夜は声に出して宣言してもらいましょうか?」

そう言うと松山は、背もたれ付きの椅子に逆さまに腰かけて身を乗り出した。
本人はわかっていないだろうけど、知性も品性もない表情で。

本当にこの人って、内科部長なの?
私はこんな男の前で、取り返しの付かない言葉を口にしようとしている。
読みやすいようにレポート用紙を胸の前で拡げたまま、後は読むだけ……でも、カメラが……
カメラマンさんの感情のない目線が……

「どうしました? さっさとその文章を読んでくれませんか?
エッチ大好きなナース。変態千里さんのために、わざわざ書きあげたものですからね」

松山は黒目だけを横にスライドさせて、カメラ係の男に目をやった。
私も哀しい顔で、カメラの人を見つめた。

お兄ちゃん……千里は……

そして、心臓の鼓動が耳元で鳴るなか、私は女のプライドを封印した。
強張った唇をほぐすように、声を絞り出していった。

「わ、私は、水上千里は、エッチなことが大好きな女の子です。
ここの病院に来てからも、松山先生のお顔を見るたびに、下半身が疼いて仕方がありませんでした。
我慢出来ずに、トイレで……オ、オナニーもしました。
今も……その……お、おま……オマ○コがウズウズして、困っているんです。
出来ることなら、先生の……お、お、オチ○チンの注射で、千里のお、オマ○コを治療してくださいませ。
お願いします……」

やっぱり、取り返しが付かない言葉だったと思う。
普通の女性なら、絶対に口に出すべきではない、はしたない言葉。
でも、決めたんだ。
後悔なんてしていない。
だって今夜から千里は、この言葉通りのことをさせられると思うから。

パチッ、パチッ、パチッ、パチッ……

「はははっ。上出来です、千里さん。いや、これからは、千里と呼び捨てで構わないでしょう。
神聖な職場でオナニーにふけるような、不謹慎なナースに敬称なんて必要ありませんからね。
そうでしょう? 淫乱ナースなち・さ・と……」

緩慢な拍手と共に、松山の言葉遣いが変わった。表情まで変化した。

それにしても、ひどい言われ様。
卑猥な文章を作ったのは、松山、アナタなのに……
断っておくけど、私は職場でおな……ううん、そんなこと、しないから……

「アナタって、卑怯な人……」

だから、独り言なのにわざと聞こえるように呟いた。
呟いて睨みつけて、それなのに松山の次の言葉に怯えた。
今から始まる恥辱のプレイにエロ女優千里の心が萎えかけている。

「ふふっ、それではさっそく始めるとしましょうか? 
……そうですね。まずは、オマ○コでも見せてくれませんか?
千里は私の顔を見るたびに疼くんでしょ?
さあパンティーを脱いで、裾を捲り上げて、千里のオマ○コをよぉーく見せてください」

そんな私の心を見透かしたように、松山が命じた。
ほとんど場末の品の悪い酒場のような雰囲気。
大切な患者さんの命を預かる場所が、こんなことになるなんて……

私は、ナース服の裾を握り締めたまま躊躇した。
この病院の制服は、ちょうどヒザが隠れるくらいの薄いピンクのワンピースタイプ。
初めてこの制服に袖を通したときは、自分でも結構可愛いなって思ってた。

でも、この男には別の意味でそう思っているみたい。

「さあ、早くぅ……千里ぉ」

背筋に悪寒が走るような声を出して、松山が急かせてくる。

私はカメラマンの視線を遮るようにギュッと目を閉じると、両手を裾の中に差し入れた。
そして、ウエストに貼り付くストッキングのゴムを探り当てると、指を引っかけショーツごと一気に引き下ろす。

早く足首から抜き取らないと……!
そうよ、逆らえない。今はなにも考えてはいけないのよ、千里。

焦りながらナースシューズを脱いだ。
足首まで降りてきたストッキングしショーツを左、右の順で小さく持ち上げて素早く抜き去り、それを制服のポケットに突っ込んだ。

「さあ、先生に見せてみなさい。疼いて仕方ないんでしょう。千里のオマ○コ」

「くっ……!」

太ももに直接触れる制服の感覚が、生々しい事実を教えてくれる。
これで、裾をまくれば……?
千里の大切な処が……?

「なにをしているんですっ! 千里!」

「あぁぁぁっ……」

私は低い呻き声を上げると、制服の裾をゆっくりと持ち上げた。
指の背中が肌をこすりながら上へ上へと這いずり登り、ウエストのくびれでピタリと止まった。



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