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地下スタジオのアイドル その3























(3)
 


「雪音。次はブラジャーを……」

だんだん、お父さんの声に張りが出てくる。
あんなに弱々しかったのに、コンクリートの壁にぶつかってはコダマしている。

あたしは、復唱するのを止めて背中に両手を回すと蝶々結びを解いた。
紐のブラジャーを引き抜いて床に落とした。

「よおし。そのまま……」

カシャッ、カシャ、カシャ、カシャッ……

上半身裸にされた背中を、カメラのレンズが舐めるように撮影していく。
その間あたしに出来ることは、背もたれに乗せた両腕に無防備な乳房を押しつけることだけ……

「雪音。次は水着の下も脱ぐんだ。脱いだら、抜き取らずに片足に引っかけて……」

カメラを覗き込むお父さんから、リズムよく恥ずかしい指示が飛んだ。
もう写真集なんか参考にしていない。
自分の判断で、自分で決断して、娘のあたしをどんどん淫らな姿に変えていく。

あたしはレンズに背中を向けたまま立ち上がる。
お尻の真ん中で引っ掛かっている水着のパンツを引き下していく。
下ろしながら、背中や肩がブルブルって震えるのをなんとか我慢した。
床に落ちているバスタオルに何度も目をやっては、そのたびにぎゅって目を瞑った。

大丈夫だよ、雪音。
恥ずかしくなんて全然ないよ。
だって、ヌード撮影なんだから。
あたし自慢の身体を涎を垂らしながら見てくれるお客様が、たーくさん待っているんだから。
だからだから……ね♪♪

そして、言われた通りにする。
右の足首に紫色の輪っかを残したまま、もう一度背もたれに向かって座り直した。
丸裸のまま上半身を背もたれに乗せて、お尻をレンズに向ける。

カシャッ、カシャ、カシャ、カシャッ……

カメラのレンズが、はしたない雪音を笑った。
その笑い声に触発されたのか、頼りなかったお父さんに狂気の色が射し始めている。
声に……息遣いに……

「はあぁ、はあ、いいぞぉ。綺麗だ雪音。
そのまま、顔をこっちに向けて! そうだぁ、その表情! OKだ!
……次は、立ったまま正面を向いて。
おっと、その前に……」

そう言うとお父さんは細長い絆創膏を1枚、後姿を晒しているあたしに手渡した。
別にけがをしているわけじゃない。
これも恥ずかしい小道具のひとつなの。

「お父さん、いつものように貼ればいいのね?」

「ああ、肝心な処が見えないように頼むよ」

「うん……わかってる……」

あたしは、背中を丸めながら下腹部を覗き込んだ。
縦に走る恥ずかしい裂け目と、先端で顔を覗かせている雪音の感じるお豆。
毛穴だけ残してきれいさっぱり剃り落した、つるつるの恥ずかしい丘。

まるで幼い女の子みたい。
ううん、心と身体は大人の不釣り合いな変態女の子かな?

「雪音、まだかい?」

お父さんの焦れた声が聞こえた。

あたしは、少しひらき気味の割れ目を左指で閉じ合わせると、上から絆創膏を貼り合わせた。
背中をもっと丸めて、ひらいた太ももの奥に顔を近づけてチェックする。
ちょっと尖り気味のクリトリスも、ピンク色をした粘膜もヒダヒダも……
割れ目の先端から股の奥の方まで念入りに観察してOK……かな?

でもね。そこまで撮影にこだわっているんだったら、モデルのことも考えて欲しいな。
やっぱり、コンクリートがむき出しの地下室ってどんなに空調をいれても冷えるのよね。
それも、こんな姿で長時間撮影されるとね。

できればお手洗いとか……
ちょっと、もよおしたくなることもあるし……
でも……ううん、止めとこ。
だって、おしっこをするたびに絆創膏を貼り替えてたら、もっともっと惨めな気分になりそうだもんね。



「お父さん、お待たせ~♪」

振り向いた先のレンズが、ぐにゃりと歪んだ。
意識して甘い声を出して、意識して微笑んだのに、雪音の瞳だけが逆らっちゃった。

でも、お父さんは気付いていないみたい。
だって、次のポーズを急かすんだもん。

あたしは、絆創膏だけの頼りない下半身をレンズに晒しながら、両手のひらで胸を覆った。
震える乳房を真っ平らになるくらい押さえつけていた。

カシャッ、カシャ、カシャ、カシャッ……

「雪音、次!」

息を弾ませたお父さんが叫んだ。

それを合図に手のひらが浮いた。
雪音の乳房がふくらみを取り戻して、両手の人指し指だけが取り残された。
胸をグッと前に押し出した。
乳首を指一本で隠したまま、なにも楽しくないのにくちびるを緩めた。

カシャッ、カシャ、カシャ、カシャッ……

それを見て、カメラがまた笑った。

悔しくて哀しくて。あたしも、負けるもんか! って気持で両足をひらいてみせた。
胸のポッチを押さえたまま、絆創膏だけの女の子の部分をカメラにもお父さんにも見せてあげた。

カシャッ、カシャ、カシャ、カシャッ……

頭がクラクラする。
上に引き上げたほっぺたのお肉が痙攣している。

もう、顔だけじゃないよ。
全身が火照って熱いの。
恥ずかしい感覚を通り越して、自分のしていることが全部夢の中みたい。

そんなあたしに、お父さんから最後のポーズの指示が出た。

「雪音、床に腰をおろしてМ字開脚だ」って……

お願いだから絆創膏さん。
雪音のあそこから離れないでね。お願い♪♪
これでもあたし、バージンなの……だから……ね♪♪



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