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ベランダで交尾? その1






















(18)


4月 8日 火曜日 午後7時   岡本 典子



「思っていたより上出来だ。
まさか、俺の作ったシナリオどおりに、ここまで恥ずかしげも無く演じるとはな。ふふっ、感心なことだ。
それにしても、8年前、下着を見られただけで赤面していたお前が、こんなに大胆なオナニーを披露するとはなぁ。
これも、守るものがある人妻の強さというやつかな? ははははっ」

鑑賞が終わったのか? 河添に馴れ馴れしく肩を揺すられた。
いつのまにか、ポケットにスマホがねじ込まれている。
それでも私は、聞き分けのない駄々ッ子のように座り込んでいた。

「さあ、立つんだ!」

河添の両手が脇の下に差し込まれて、無理矢理立たされた。
私はこれ以上干渉されたくなくて、両腕をベランダの柵に置いた。

まだ陽の温かみを残すコンクリートの手触りと、一気に冷えてきた風のギャップに夜を感じて両目をひらいてみる。
いつのまにか暗闇に包まれていた。
さっきまで確認できた陸地と空の境界線も、紅い夕陽に照らされたオレンジ色の海も、みんな闇色に染まっていた。

私たちの街もあの闇の中なのね……

そう思うと少しだけ気が楽になる。
少しだけ気を強く持てる。

だって今から私は……

「寒くなってきたな。俺たちも暖まるとするか……」

いやらしさを含ませた河添の声が、背中越しに聞こえた。
言葉の意味を察して振り返ろうとする両肩を、男の両腕が押さえ付けていた。

男の気負った鼻息がうなじの肌を撫でていく。
その瞬間、典子のセックスの概念が壊れていく。

「ちょ、ちょっと? まさか……?!」

案の定って感じで、背後から河添が抱きついてきた。
ここはベッドじゃないのに厚い胸板を密着させている。
その間も、荒々しい指たちがシャツのボタンを引きちぎるように外していく。

「イヤァッ、こんなところでは、イヤッ!
中でしてっ! 部屋の中なら構わないから……
典子、大人しく抱かれるから……だから、お、お願い……
外でするなんてぇッ……いやぁッ!」

叫んでいた。
地上30階だからって誰かに聞かれているかもしれないのに、悲鳴を上げていた。
ひじを折り曲げて、何度も何もない後ろを突いた。
背中を揺らして、ビクともしない男を引き剥がそうとした。

嫌だったから。
男とセックスする覚悟はしてたけど、こんなところでは絶対に嫌だったから……

そうよ。男女の行為はベッドの上でするものなの。
外でセックスしたら、それは獣になっちゃうの。
それって交尾って言うの!
典子はまだ人間なの。
人の道に外れることをしているけど、まだ獣じゃないの!

「おい、随分と抵抗するじやないか。
自分の立ち場もわきまえずに……」

河添が私の両手を封じると、耳元で何かささやいた。
ささやきながら、はだけた胸元に右手を差し込んでホックを緩めずにブラを強引に引き上げた。

「い、痛いっ! いや……いや……」

抗議する声がどんどん小さくなっていく。
胸のふくらみを、ワイヤーの付いた布にこすられて痛いのに……
肩に指が食い込んで痛いのに……

「ほら、言葉遣いが違うだろ。
俺がここで身体を暖めたいと言えば……典子はどうするんだ?」

むき出しになった乳房に指を這わせながら、河添がまたささやいてきた。

今度は抵抗する力もどんどん削がれていく。
『典子の夢』ってささやかれて、従順になっちゃった。
さらにもう一回ささやかれて、また淫乱な典子を演じないといけなくなっちゃった。

「ほら、どうした?
さっさとお願いしたらどうだ?」

河添が催促する。
急かすように乳首を摘み上げて、私に残るささやかな反抗心まで打ち砕いていく。

「あぁっ、乳首やめて……い、言います……うぅっ、しゃべりますから……
……うぅ、うれしい……典子も……寒かったんです。
ど、どうか河添様。
ふしだらな典子の身体を暖めてください。
あ、あなた様の、逞しい……お、お……おち○○んを……典子の……お、おま○こに……挿れてください。
ベランダで両手を突いてお尻を振る、ひ、人妻の典子を……バックから犯してください。
お、お願いします……ううぅぅっぅぅっ……」

耳の中に残る河添の言葉を、そのまま口にしていた。
目が霞んでも転落しないように、コンクリートの柵をしっかり掴んで震える声帯から声を絞りだしてしゃべっていた。
知っていても口にしてはいけない卑猥な単語も、自分自身を卑下して辱める口上も……
うん、大丈夫……全然平気。

だって、今からお外でセックスするんだから。
こんな変態カップルには羞恥心なんて必要ないから。

「ふふふふっ。自分から、おち○○んに典子のおま○ことはな……
こんな破廉恥な言葉をよく恥ずかしげもなく言えるもんだ。
まあ、典子の方からそこまでおねだりされては、ふたりして暖まるしかないだろう。
ほら、可愛がってやるから、もっとケツを突き出すんだ!」

「は、はい……こうですか?」

私は、言われた通りに背中を反らせて腰を持ち上げていた。
ひじもいっぱいに伸ばして、それなのに頭を伏せて、男が大好きな下半身だけ突き出してあげた。



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