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主婦といえば買い物かごでしょ?























(7)
 


「お父さん、これでいいの?」

「そう、これこれ。
主婦と言えば、やっぱりお買い物かごをぶら下げている感じが一番だからね」

あたしは隣にある更衣室兼資材置き場で、お父さんが言う買い物かごを探し出してきた。
ビニールの紐を編んで作られた、昔ながらのこげ茶色の買い物かご。

これでどうするのかって?

あたしは何となくわかるけど、律子さんには……うーん、無理よね。想像がつかないみたい。
だって、こんな発想。
いやらしいエロおやじそのものじゃない。

律子さんも可哀そうに。
でもでも、エッチな主婦をあたしも見てみたい気がするし……

「それじゃあ、裸になってもらえます?」

「は、はい……」

律子さんはあたしたちに背中を向けると、指を……というより両腕を震わせながらブラを外した。
歪みのない真っすぐな背中のラインが、オレンジの照明に照らし出されている。

「やっぱり……きれい……」

あたしはまた見とれちゃって、はっと我に返ると慌てて脱衣かごを律子さんの横に置いた。

「ごめんなさいね」

「い、いえ……」

手渡されたブラジャーは汗を吸い込んだのか、ほんの少し重く感じた。
それをさり気なくスカートの下に差し入れた。

律子さんが溜息とも呻き声ともわからない音を、食い縛った歯の隙間から洩れさせる。
細いあごから汗の雨粒が滴り落ちる。

そして、指が最後の1枚に添えられる。
ショーツのウエストに親指を潜り込ませて、大きく発達したお尻を優先させるように下へと引き下ろされていく。

あたしの耳が、スルスルと肌を滑る摩擦の音を聞いた気がした。
大切な人を思う女性の哀しい覚悟を感じた。

大きく前屈みになりながら、足首から抜き取ったショーツを律子さんは自分で隠した。
右手の中で小さくたたむと、同性のあたしの目にも触れさせずに脱衣かごの中へとそっと腕を差し込んだ。

あたしはその横で、何も言えずに何も出来ずに人形のように佇んでいた。

「アシスタントさ~ん。なに固まっているのかな? 買い物かごはどうしちゃったのかな?」

お父さんがカメラを覗きながらおどけた声を上げた。
指示どおりに全裸になった律子さんは、晒した背中を小刻みに震わせたまま立ち続けている。

「ごめんなさい……」

あたしは買い物かごを渡した。

「これで……その……律子さんの大切な処を隠してください。
あっ、片手で胸を隠すことも忘れずに……」

「こんな感じかしら?」

律子さんは買い物かごを下腹部に押し当てると、左腕を横にしてふくらみを隠した。
そのまま緊張を解すように、首を傾げてみせた。

「はい……上出来です。
ものすごく恥ずかしいでしょうけど、少しの辛抱ですから我慢してくださいね」

「ええ、私は大丈夫ですから」

言葉少なめにそう言うと、律子さんは自分の方からレンズに顔を向けた。

「では、レンズに視線を合わせて……いいよぉっ」

カシャッ、カシャ、カシャ、カシャッ……

正面を見据えた律子さんが、お父さんの指示に従って全裸の主婦を演じている。
目線を斜め下にして、食品の品定めをしたり、上目遣いの目線で夕御飯の献立を考えてみたり……

でも、とっても恥ずかしいんだろうな?

全身の肌をピンク色に染めて……
吐き出す呼吸が途切れ途切れになって……
顔はキュートで可愛らしい主婦なのに、目の端に光るモノを浮かべて……

「うん、いいねぇ。次は買い物かごはそのままで上半身だけ捻って。晩御飯、何にしようかしら? ……そんな感じで。
次は逆にお尻をこっちに向けて、同じポーズで……うんうん、僕はカレーがいいかな♪♪ それとも……」

「ちょっとお父さん、真面目にしてよッ!」

「はい、すいません……それではラストいきますよ。
買い物かごを股に挟んだまましゃがんでみて。
両手をひざに乗せたまま、背中を丸めて胸を隠して……そのままだよ、そう……OK」

カシャッ、カシャ、カシャ、カシャッ……

お父さんの声が甲高く響いた。
もう涙でいっぱいなのに、律子さんは旦那様を取り戻したい一心で笑顔を作っている。
大切な処を買い物かごだけで隠して、多分生まれて初めて撮るヌード写真なのに全然嫌な素振りを見せずに……

そして、撮影が終わった。

「お疲れです。律子さん」

あたしは、しゃがみこんだままの律子さんの肩にバスタオルを掛けた。

「あなたのお陰で、素晴らしい作品が撮れましたよ。
きっとこの写真をご覧になれば、旦那様の心も動かされるはずです。
今夜から素晴らしい夜の営みをお楽しみください♪♪」

「律子さん、お着替えはどうぞこちらへ」

バスタオルに包まれた律子さんを、隣接する更衣室へ案内する。
その傍ら、あたしはお父さんの右足を踏んづけなから耳元で言ってあげた。

「一言余計なの! このスケベ親父!!」って……



目次へ  第8話へ






人妻はナイスバディ!























(6)
 


「お、おい雪音。僕はまだ……」

「なに言ってるのよ。お父さんも見たでしょ、あの人の涙。
あたし、ピーンときちゃったの。久藤さんの写真は売れるって……
後は、超一流カメラマン北原武雄……じゃなかった、ピンクの傀儡子の腕の見せ所でしょ。
がんばって、お父さん♪♪」

あたしは、乗り気じゃない手つきでカメラの準備をするお父さんを、思いっきりおだててあげた。
そして、大急ぎで撮影の準備を進める。

「お父さぁーん、天井の照明は何色にするの~?」

「……そうだな。暖かみを表現したいから薄いオレンジで……」

これで準備OKと……あとは……

「あの……律子さんで、いいですよね。
どうぞ、こちらへ」

スタジオの片隅で身を固くする律子さんを、カメラの待つオレンジの世界へと促した。
彼女はコクンとうなづくと、青ざめた表情のままぎこちない足取りで歩いていく。

無理もないわね。
取り敢えず相談に来たつもりが、あっという間にヌード撮影だもんね。
それも、見ず知らずのあたしたちに見られながら……

多分あたしだったら……って、ダメダメ!
今はお仕事に集中しないと……!

「そ、それでは、最初は服を着たままで……」

カシャッ、カシャ、カシャ、カシャッ……

お父さんが色々とポーズを指示しながらシャッターを押していく。
でも、相変わらず律子さんの表情は石のように固まっちゃって、作ってる笑顔も笑っているというより泣いている方が様になっている。

「では下着姿になってくれませんか?
そ、そうですね……ブラジャーとパ、パ……パンティーだけに……」

自称超一流カメラマンのくせに、声が裏返っている。
あたしは脱衣かごを律子さんに差し出すと、スタジオに隣接する一応更衣室を指差した。

「どうされます? ちょっと狭いですが更衣室はあちらにございますが……」

「いえ、できればここで……
ふふ、変でしょう?
でも、この場所を離れたら私……多分2度と戻って来られないかも」

律子さんがあたしに笑いかけてきた。
ホッペタの上端に可愛らしいエクボを浮かべて……

そして、さっと顔を引き締めると、留めボタンの部分がフリルになった三角襟のシャツを脱いでいく。
細くてしなやかな指がフリルの上を撫でるように降りていくと、中から汗に光る白い肌が顔を覗かせた。

「はぁー」って、律子さんが辛そうな息を吐く。
吐き終えて、きゅっと口を閉じると、はだけたシャツを肩ぐちから脱ぎ去った。
そのまま休むことなく、指はスカートのホックを緩めた。
ひざ下の薄茶色のスカートが、両手の指に促されるように引き下ろされていく。
ストッキングを着けていない吸い付きそうな肌が露出されていく。

「きれい……♪♪」

「ああ、素晴らしい♪♪」

ベージュ色のブラジャーとショーツだけになった律子さんの姿に、どちらともなく感嘆の声をあげた。
お世辞なんかじゃない。本心で……

だって律子さん、別人みたいに見えるんだもん。
胸の谷間を意識しなくたって強調できるバストに、全然脂肪の付いていないウエスト。
肉感的な太ももに大きく膨らんだヒップ。

きっとこういう体形を着痩せするタイプって言うのね。
あたしも、将来はこんな女性になれたらなって、嫉妬混じりの溜息まで吐いちゃった。

「あ、あの……急なことだったのでこんな下着ですが、よろしいでしょうか?」

律子さんは、声を震わせながら立っている。
背中を猫背にして片手で胸を押さえて、もう片方の手のひらでしっかりと大切な処をカバーしている。

「え、ええ。却ってその方が自然体の主婦って感じが出ていいと思いますよ。
では、僕の指示に従ってくださいね」

「は、はい……お願いします……」

身体に貼り付いていた両手が引き剥がされる。
さっきまで真っ青だった顔を、今度は真っ赤に染めながらお父さんの声に従いポーズをつけていく。

カシャッ、カシャ、カシャ、カシャッ……

「次は、横向きのままケンケンするように片足を上げて……そう。
つま先をうしろに跳ねる感じで……」

まるでお転婆娘のように、右足を後ろに跳ね上げたままの姿勢で律子さんが後ろを振り返っている。
太ももが前後に大きくひらかれて、薄いショーツの生地から大切な処が透けて見えている。
上体をひねったせいで、ブラジャーの隙間から豊かな乳房も顔を覗かせている。

「いいよ! そのまま……そう、そのまま悪戯っ子みたいに笑って! うん、最高!」

カメラを操作するお父さんの声が変わった。
目が輝いて、声まで輝いて、あたしの脳裏に嫌な思い出がよみがえってくる。

「次は、下着も全部、取っちゃっいましょうか?!
雪音、買い物かごを持って来て……!」

ほらやっぱり! ピンクの傀儡子が覚醒しちゃった?



目次へ  第7話へ




恍惚の薔薇 第3話


  

  
                                        
第3話



        理恵の肉体は、篠田に征服されていた。
        篠田は、親子以上に年の差がある理恵を、20歳の時から自分色に染め
        てきた。

        (この女は、絶対誰にも渡さない……)

        理恵はそんな篠田の存在に、嫌悪感があった。

        (そろそろ篠田との関係を清算したい。このままでは自分が駄目になっ
        てしまう……)

        しかし、理性とは裏腹に28歳の熟れた理恵の肉体は、篠田を求めてい
        た。
        理恵は悩んだあげく、篠田会計事務所を辞めようと思っていたのだ。

        そんなある日、篠田の亡き友人の太田二郎に雇われていた元従業員の5
        人が事務所に訪れた。

        「みんな聞いてくれ。先日話をした太田会計事務所の元従業員の方々だ。
        明日から出勤だから、宜しく頼む!」

        篠田が意気盛んに言った。

        (どうせこの人達とは、そう長くは付き合わないのだ……)

        理恵はそう思いながらも、顔をゆっくり上げた。

        その瞬間、理恵は驚愕した。
        その5人の中に、元恋人の高村准一がいたのだ。

        (どうして准一が……)

        驚いたのは、准一も同じだった。
        准一は目を見開いたまま、じっと理恵を見ていた。
        そして理恵は、准一はかつて公認会計士を目指していた事を思い出した。

        (准一……)

        理恵は、まるで夢を見ている様だった。
        篠田は、一人ひとり紹介すると腰を降ろした。



        翌日の朝礼で、新人従業員の5人は篠田から顧客名簿を受け取り、それ
        ぞれの担当が命じられていた。

        「え~と、高村君は、三島さんと一緒に、安西建設を担当してくれ」
        「えっ……」

        あまりの偶然に、理恵は言葉を失った。

        「三島さん、今日は安西建設に行く日だろ? 高村君と一緒に行ってく
        れ」

        何も知らない篠田が、平然として言った。

        「あ、はい……」



        1時間後、安西建設に向かう理恵の車の助手席には准一が座っていた。

        「ホント偶然ね……」

        沈黙を打ち消すかの様に、理恵が問いかけた。

        「うん、驚いたよ」

        理恵の脳裏には、8年前の苦い思い出が蘇ってきた。

        「准一、あれから何してたの?」
        「……」

        理恵は嫌な予感がした。

        「もしかして、加奈と……?」

        理恵は、准一の左薬指のリングを見て愕然とした。

        「加奈と、加奈と結婚したのね……」
        「ごめん、君と別れてから3年後に……」

        理恵は8年前に准一と別れてからは、一切の交友関係を絶っていた。
        同窓会など、准一と加奈が現れる席にも近づかなかった。

        理恵の頭の中は、驚きと悲しみが混在していた。

        「理恵、綺麗になったね……」
        「……」
        「理恵、本当にごめん……」
        「いまさら聞きたくないわ!」

        理恵の目には涙が滲んでいた。



 
※ この作品は、ましゅまろくらぶ 真理子様から投稿していただきました。
  尚、著作権は、ましゅまろくらぶ 真理子様に属しております。
  無断で、この作品の転載・引用は一切お断りいたします。



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さあ皆様ご一緒に シャッター・チャンス!!


  


はぁ~い。みんなぁ元気? 『シャッター・チャンス』の雪音で~す。
やっとおじゃまなお話が終了して、チョーごきげんだよ♪♪

(典子)
はぁ~い私も。先週は涙涙のラストシーンだった『見果てぬ夢』の典子で~す。
とっきーさっきーのお許しが出て遊びにきていま~す。うふ♪♪

(雪音)
あら典子おばさん。こんなところに来てお暇なんですねぇ。
引越しの準備はしなくていいんですかぁ?
春先は引っ越し屋さんも混んでいますよぉ。いひひひひ。

(典子)
な~にこの子。いやらしい目をして笑っているのよ。
それにどこへ引っ越すというのよ。私はね、彼の残してくれたパン屋さんを復興させないといけないのよ。

(雪音)
ホントにぃ~? ホントにホントにそう思っていますかぁ~?
普通、ここまで調教されちゃったら同棲でしょ。同棲!
あたし、しっかりと読んじゃいましたよ。指の隙間から。あ~ん、今思い出しても恥ずかし~い。
だって、夜の交差点で大事な処までご開帳ですもんねぇ。
それを覗きながら愛する彼はシコシコと……うふふふふ。
あっ、忘れてた! お父さんを呼べばよかったな。これぞ『シャッター・チャンス』なんてね。

(典子)
う~っ。さりげな~くバカにされながら、さりげな~く『シャッター・チャンス』の宣伝されたぁ。
典子、くやし~い!
私も『シャッター・チャンス』って言っちゃったぁ。もう一度くやし~い!

(雪音)
まあまあ、ここは『シャッター・チャンス』のCMコーナーですから『シャッター・チャンス』のCMを『シャッター・チャンス』のためにして当たり前なんです。
え~っと、これで『シャッター・チャンス』って何回アピールできたかな?
ひとつ・ふたつ・みっつ……

(典子)
あ~ん。こんな指を使わないと数を数えられないお子様が次のお話の主役なんて、典子、もっともっと泣いちゃう。あ~ん。あ~ん。

(雪音)
あらら、典子お姉さん、今流行りの花粉症ですかぁ? お大事にぃ~。はいティッシュ。

ということで、おジャマムシも静かになったところで、『シャッター・チャンス』の公開日予告コーナーにまいりまぁ~す♪♪

 第6話  3月 27日  木曜日
 第7話  3月 30日  日曜日

時刻は、それぞれ午後8時を予定しています。
出演は、もちろんヒロインであるあたし、北原雪音が務めさせていただきます。

経営破たん寸前だった北原写真館に舞い込んだ奇妙な依頼。
はたして雪音とダメ親父、武雄は、このチャンスを掴み取ることができるのか?!
とっきーさっきー提供、コメディー羞恥ストーリーをどうぞお楽しみくださいませ。


(典子)
ぐすぐす。チーン。はあ~すっきりした。やっぱり花粉症かしら?
ところでさぁ、確か前回のときは「コメディー官能小説」って紹介してなかった?
それが今度は「コメディー羞恥ストーリー」って、微妙に変化してるけどこういうのって揃えなくて大丈夫なわけ?

(雪音)
チッチッチッ。そういう細かいところを気にしてたら、ブログ小説なんて発表できませ~ん。って、作者様が。

(典子)
ふ~ん。そうなんだ。
だったらだったら、『シャッター・チャンス』の主役の名前が雪音から典子に変わったりしても全然OKだよね。
うっかり間違ったとしても気にしないよね。

(雪音)
ジーッ、そんなことしたら閲覧者さん激減です。

(典子)
だったらさぁ、ダメ親父さんの再婚相手とかさぁ。それでダメなら、実はあのお父さんには隠し子がいて、突然ご対面の雪音のお姉さんとか。

(雪音)
ピーッ! あたしのお話に勝手に割り込まないでくださいっ!
お父さんは離婚なんかしていません。別居しているだけです。
それとそれと、あたしには、こんな年増のお姉さんなんかいりませ~ん。はあはあ。
あんまりしつこいと、ゴキブリほいほい仕掛けますよ。

(典子)
ムキーッ! こうなったらこうなったら……
とっき~ぃ。典子にも新作書いてぇ~♪ かいて。かいて。かいて~♪
あなたの感じる処もかきかきしてあげるからぁ~♪♪ うっふん♪


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見果てぬ夢~男と女






















(30)


4月 11日 金曜日 午後10時50分   河添 拓也



「ふふ、最高のショータイムだ……」

典子は俺のフィニッシュに合わせるかのように、大胆に腰を突き出したまま上体を湾曲させる。

意識的なのか? それとも無意識の行為なのか?

歩道から距離を置く緑地帯の陰からでは、さすがに典子の心情まで見抜くことはできない。
それでも肩まで届く黒髪を左右に振り乱して、真っ赤に染まった顔に苦悩の表情を浮かべていれば、大凡の見当はつく。

「自分のあられもない姿を、お前は否定したいんだろう?」

風の強い夜の交差点で……
ブラもパンティーも身に着けずに……
水色のシャツの前をはだけて、太ももの半ばまでしかないミニスカートを震える指がめくり上げて……

少女を想わせる張り詰めた乳房が冷たい外気に舐められて、プルンプルンと波打たされている。
無理矢理ひらかされた股間の中心で、慎ましく生える下の毛が吹き上げる風に逆撫でされている。

そうだ。お前は今、俺の命令に従って素っ裸にされるよりも恥ずかしい姿を公衆で晒しているんだ。
この1時間、どんなに悪戯な風に吹かれようが、それを誰かに覗かれようが絶対に隠すことなど許されない。

「旦那以外に見せたことがない部分を、他の連中に晒し続けるのはどんな気分だ?」

俺は携帯を耳から離したまま、交差点の向こう側でしゃがみ込んでいる女を見ていた。
全てをやり終え、力尽きたような典子がそこにいた。

背中を猫のように丸めている。
両腕ではだけた胸を抱え込んでいる。
外部との接触を絶つように顔を伏せて小さな背中を震わせている。

「恥ずかしかったか?
こんな目に合うくらいなら、死んだ方がマシだとでも思ったのか?
ふふっ、でもな……俺と組むなら、これからもっと辛い地獄へ落ちてもらうことになる。覚悟しとくんだな」

恥辱に怯える無防備な姿に刺激されて、下腹部に大量の血液が流れ込んでくる。
芽吹き始めた緑を汚しただけでは飽き足らない、俺の分身が頭をもたげ始めている。

「だが、大した女だ。お前は……
これほどの羞恥責めに合いながら、俺の言い付けに最後まで従うとはな……
ふふふっ。守るモノが出来て昔より強くなったな……典子」

誰かがネットで呟いたのだろうか?

この時間帯としては明らかに多すぎる車が、交差点を行き交い出している。
ちらほらと人影が暗がりから近づいて来る。

典子もそれに気が付いたのか、留められるボタンだけで前を隠すとゆっくりと立ち上がった。
そしてふらつく足取りのまま、青色が灯った横断歩道を渡り始めた。

「せいぜい使える踏み台になってくれよ。典子……」



俺は、女の姿が闇に溶け込むのを見届けるとコートの襟を立てた。
次第に騒がしくなりつつ交差点から逃れるように歩幅を拡げた。

「確か、ここだと掲示板に載ってたんだけどな……」
「ほんとか? その情報。またガセじゃないだろうな?」

若い男ふたりがスマホをかざしながら、俺とは逆方向に駆けて行った。
きっと今頃、低俗な性欲に駆られた連中の群れが姿のない露出狂を探し求めていることだろう。

「一晩中そうしてろ。暇人どもが……ふふふふ」

奇妙な優越感に浸りながら、俺は再び携帯を耳に近づけた。

「よお、俺だ。こんな時間に済まんな。
……ああ……そんなところだ。
……ところで、そっちはどうだった?
今夜の反対派との話し合いは、うまくいったのか?
……ふふ、やはりな。
話にならんか……
……なら仕方ない。その問題は俺の方でなんとかしてやる。
……ふふ、気にするな。
その代わり、お前には頼まれ事をひとつして欲しいんだが……
ああ、たいしたことじゃない。
ちょっとした探偵ごっこだ。
……元、興信所勤めのお前ならたやすいだろ?
……そうだ。相変わらず勘がいいな。
詳しいことは、後日にでも説明する。
……じゃあな」

通話を終えた俺は、携帯に映し出された写真を眺めていた。
典子の店の前で彼女と親しげに談笑する制服姿の少女。

まだまだ幼く華奢な身体付き。
この時期特有の、中性的な輝きを放つ表情。肢体。

だが俺の心の奥底では、一言で言い表せない黒いマグマが煮えたぎっている。
この少女。いや、彼女の父親にというべきか。

「ふふっ、これから忙しくなりそうだ」

携帯をポケットに収めた俺は、向かってくる風と喧騒に逆らうように足を速めた。
北風が音を立てて吹きつけてくる。
散々典子をいたぶった季節外れの寒気が男女の見境も無く襲いかかってくる。

だがタクシーを呼ぶ気はなかった。
今はただ独り、無心になって歩きたい気分だった。

「コスモセンター東……か……」

見上げた俺は、信号機に設置された地名に口の端を歪めた。
そして、取り囲むように立ち並ぶ殺伐とした建物群を挑むように見つめた。

やがて、信号が赤から青へと変わる。
常に前しか向かない目線が、不意に左へ通ずる細い路地へと向けられる。
歩き始めた足が止まる。

ビルの谷間で身を寄せ合う明かりの群れ。
その中に、大切なモノと語り合う女の姿を見た気がした。
純真な女の笑顔を見た気がした。

決して壊すことの出来ない。悔しいが俺の手が届かない近くて遠い街並。
腕を伸ばして指先までひらききっても、今は届かない見果てぬ夢。

また北風が吹きつけてきた。

「……うぅぅ。結構寒いな。露出ごっこも季節をわきまえろ……か」

自嘲気味に笑った俺は、渡るのをやめた。
代わりにタクシーを呼ぼうと手を挙げていた。


『 見果てぬ夢  完 』



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屋外露出 上級……その果てに?






















(29)


4月 11日 金曜日 午後10時40分   岡本 典子



シュッ、シュッ シュシュ、シュッ……

「はあ、はあ、いいぞぉ。はあ、はあ……」

暑くなんかないのに? 寒いはずなのに? 顔が火照って額から汗が垂れ落ちていく。
肩に引っ掛けただけのシャツがはためいて……
指が白くなるほどめくり上げたスカートを握り締めて……

寒さと羞恥に乳房が震えてる。
意地悪な風の悪戯に過敏な乳首が硬く尖っている。
ビュゥビュゥ吹き付ける強い風に、狭まっている股の隙間を人の指のように撫でられて擦られて刺激される。

「い、イヤ……だめ……もう……」

こんな会話じゃないつぶやきを、何度漏らしたかな?
両足がふらふらして、何度しゃがみ込もうとしたのかな?

今の私には、恥ずかしい! 辛い!……って単語さえ当て嵌まらない気がする。

なんなのかな? 
ものすごく恥ずかしいのに、今まで経験したことがないくらい恥ずかしいのに……

身体の芯が仄かに熱いの。
風に晒されているのに、おっぱいの奥がキュンとなっちゃうの。

「はあ、はあ……典子、そのままだぞ。
おま○こを隠したら承知しないぞ! はあ……はあ……」

さっきから河添も同じセリフを繰り返している。
きっと、横断歩道の先の植え込みの陰から覗いているんだ。
ズボンのファスナーをひらいて、硬くなった男のモノを上下にしごいているんだ。

私を材料にして……
大切な処を全部丸見えにしている、典子をオナニーの材料にして……

コツコツコツコツ……

「それでね……」「うんうん……」「そうなんだ……」

背中の方から帰宅途中なのかな? 若い女の人の話し声が聞こえてきた。
ひとり? ……違う、ふたり?!

全身を硬直させたまま両耳だけを研ぎ澄まさせる。
無駄なのに何もできないのに、近づく人の気配を必死で探ろうとする。

歩道にヒールの音が響いて……
当たり前のように会話して、当たり前のように小さく笑って……

お願いだからこっちに来ないで!
どこかで曲がって!
会社に忘れ物とかないの? 引き返してよ!

コツコツコツコツ……

「この前のあの店のランチ、どうだった?」
「うーん、イマイチかな……でも、値段的には……あれっ?!」
「ちょっと? どうしたのよ?」
「見て……あの女の人……?」

それなのに、耳が信じたくないリアルな会話を拾った。
その途端、足下がグラついて肩がビクンって震えた。

後ろ姿だって変に決まってる。
羽織っているシャツも、ボタンを全部外しているから今にも脱げそうだし、スカートの前を限界までめくり上げているから、太ももの付け根……ううん、お尻の肉だって見えてるかもしれない。
でもそれ以上に、信号が青なのに渡らずに歩道の脇に佇んでいる女の人って絶対に怪しい。そうに決まっている。

「お、お願い。このままだと本当に見られちゃう!
拓也さん、もう許して……許してください!」

私はスカートに包まれたスマホに小声で呼びかけた。
でも返って来るのは、上ずった男の呼吸と早く激しくなる肉をしごく音。

「いやだ……なにあの人の服装……?!」
「シーッ! 聞こえるよ!」

後ろ髪の生え際から冷たい汗が幾筋も流れ落ちていく。
うなじを通って背中の窪みを通過して、ウエストに巻き付くスカートに染み込んでいく。

やっぱり、見られている!
気付かれている!

異性だけじゃない。
同性にまで典子の恥ずかしい姿を晒して……私……もう……

「ね、ねえ。あの人……なにしてるの?」
「だから、声が大きいって……どうせ、AVの撮影でしょ。
でも、いくらひと気のない所だからって、お尻まで丸出しにして恥ずかしくないのかしら?」

声が真横から聞こえてくる。
刺々しい侮蔑を含んだ会話が、露わにした素肌に突き刺さってくる。

私は人形の振りをして立っていた。
服を着せ替えられる途中のマネキンみたいに立っていた。

全身を震えさせたいのに、悲鳴を上げて逃げ出したいのに……
私だって普通の女性だから……
こんな露出狂の典子も、心はあなたたちと一緒、普通の女性の筈だから……

シュッ、シュッ シュシュ、シュッ、シュッ、シュッ……

「はあ、はあ、出るぞぉ、もうすぐ……出るぞぉっ!」

そんなささやかな願望をスマホの声があっさり否定した。
横断歩道の真ん中で、振り向いた彼女たちも冷たい視線でそれに応えた。

風に煽られて顔を覗かせるおっぱいも、おへそが見えるくらいめくり上げられたスカートの中身も……

さあ見てよ。典子の女の象徴を全部見てよ。
乳首がピンと立って硬くなっているでしょ。
ふさふさした陰毛が風になびいているでしょ。
両足だってひらいているから、股の隙間から典子の恥ずかしい割れ目も覗いているでしょ。

私は人に見られるのが好きなの。
人前で露出すると快感なの。
だから典子は平気よ。

通り過ぎながら言われた「変態! 恥知らず!」って言葉。
遠ざかりながら風に乗って聞こえてくる「信じられない。あんな露出狂、初めて見た。絶対に頭オカシイよ」「うん。同じ同性として、あんな人軽蔑しちゃうね」って、会話も……

きっと大丈夫だから。
まだ私の心、壊れるわけにはいかないから。

シュッ、シュッ シュシュシュシュシュシュ、シュッ、シュシュ……!

「はあ、はあ、で、出る! でるぅッ!」

ドピューッ……ドピュドピュドピュ、ドピュゥゥゥッッ!!」

「あぁぁ、い、いやぁぁっ! 掛けないでぇっ! 典子に振り掛けないでぇっ!」

河添の姿なんて見えないのに……
勢いよく射精したって、白い液は届かないのに……

私の全身は熱い液に覆われている。
乳房にもお尻にもあそこも、みんな白濁液に染まってる!

私、セックスしたんだ。
路上で見えない河添とセックスしちゃったんだ。

ほらその証拠に、身体中が熱く火照って割れ目の中がジンジン疼いている。匂っている。

風が吹くたびに典子の身体を包み込んで……
男の精液の匂いが見えないベールになってまとわりついて……

大切な人の香りをまたひとつかき消していく。
典子のもう取り戻せない、大切な想いでを……



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屋外露出 中級 その2






















(28)


4月 11日 金曜日 午後11時40分   岡本 典子



太ももを撫でるように裾をめくり上げていく。
意地悪な北風が『もう待ちきれないよ』って、先行するように風をはらませる。

「ううぅっ……んんんッ! んんくぅぅぅッ!」

ほんのちょっと持ち上げただけなのに、腿のつけ根まで露わにされる。
ギュッと血が滲むくらい唇を噛むだけで、おへその下あたりまで冷たい空気に覆われる。
触れるか触れないかの指のタッチが、ゾクリとした悪寒を引き連れて更に過敏な鳥肌へと塗り替えていく。

私は泣きだしたいのに泣けなくて、叫びたいのに叫べなくて、ただじっと、持ち上げたスカートの裾を握り締めていた。

遠くでエンジン音がした。
車のヘッドライトが大きくはっきりと私の周囲を照らし出している。
履いて来るんじゃなかったって後悔してるジョギングシューズが、自己主張するようにキラキラと反射した。

「いやぁぁっ! 来ないで! こっちに来ないでぇっ!」

私は、スカートの裾を掴んだまま2歩3歩と後ずさりする。
でも本能に『典子は露出狂なんだから、どんなことがあっても裾から手を放しちゃいけないよ』って警告される。

急速に大きくなる車体。大きくなるエンジン音。
まるでステージの上のように明るく照らし出されて、長い人影が時計の針のように回転して……

そんな所でおっぱいを丸出しにして、下半身を丸出しにした私って?
そうよ。ショーのラストに取り掛かるストリッパー。
ううん、そんなこと言ったらダンサーである彼女たちに失礼。
だって、典子は……

「いやぁ、お願い……見ないで……典子を……見ちゃいやぁっ」

スピードを上げて近づく車が青信号なのに交差点の手前で減速する。
フロントガラス越しに見えるドライバーの視線が私と交差する。

そして笑った?!
口の端を上げて、今、にやりと笑われた?!

真っ直ぐ前を向いて運転しないと危ないのに……それなのに……

私は声にならない悲鳴を上げて。
強張った顔を首が曲がるくらい仰け反らせて……
風の気分で覗かれる典子のおっぱいは、もう仕方ないけど……
ギュッって太ももをひっつけても見えちゃう恥ずかしい陰毛も仕方ないけど……

それ以上はダメなの。
だから祈ってた。

典子をこの世から消し去って、お願い! って……



「よしよし、よく我慢したな。いい子だ。
次は、そのまま足を肩幅にひらけ。露出狂典子のおま○こを路上で晒すんだ!」

車が通り過ぎて、私は気を失い掛けて……
それでもこの人、許してくれない。
羞恥地獄も終わらせてくれない。

だって、河添の呼吸が荒くなり始めているから。
惨めな典子の姿に、肉の棒をこする音まで元気づいているから。

「ああ、ああぁぁ……そんな……あなたって、鬼だわ。
そうよ。人間の皮をまとった鬼よ!」

「ふふふっ、なんとでも言うがいい。
だがな。お前はこの俺に逆らうことなど出来やしない。
さあ、足をひらいて典子のいやらしい割れ目を見せてみろ! 絶対に隠すんじゃないぞ!
通り過ぎるドライバーにも、歩いている奴にも、しっかりと拝ませてやるんだ。いいな!」

「はあぁ、ううぅぅっ……」

もうこれ以上無理だよ。恥ずかしいよ……って、外気に晒される太ももがブルブルと震えてる。
それなのに、足下で渦を巻く冷気がデリケートな処を早く舐めようと、恥毛を撫でつけて脅してきた。

靴底をデコボコしたアスファルトにこすりつけながら、1センチ、また1センチとひらいていく。
典子がんばってっと、挫けそうになる自分を励まして……
典子は露出狂で、エッチな服装が大好きなんでしょ? って、自分の心をバカと変態に染め上げて……

何度も溜息吐いて……何度も顔を上げ下げして……何度も頭を左右に振って……
丸められたスカートの生地の中から、うわずった男の呻き声が聞こえて……

股の下を堂々と北風が駆け抜けていく。
遠慮気味に顔を覗かせた典子の割れ目を気負った冷気が舐め上げた。

「ははははっ。街頭でおま○こを晒けだすのはどんな気分だ?
辛いのか? 恥ずかしくて死にそうなのか?
いや、違うな。
露出狂の典子なら気持ちいいんだろ? そうだろ変態典子……ふふふ、はははは……」

悔しくて惨めで……消えて無くなりたいくらい恥ずかしくて……
人格を否定されたような男の言葉に言い返そうとして……

私は声も出ないのに、言葉だって作れないのに、唇だけをモゴモゴさせた。
いつ現れるかわからない視線に怯えながら、シュッシュッって肉を擦る音と、はあ、はあ……って、卑猥な男の息使いを祈りながら聞いていた。

お願い! 早く射精して! 
でないと、典子……もう……?!



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さらば見果てぬ夢 また会う日まで?!


  


皆様、ご機嫌いかがでしょうか?
小説『見果てぬ夢』でヒロインをさせてもらっている典子です。

(雪音)
典子お姉さん、ずる~いですぅ。
今度の公開は『シャッター・チャンス』の順番だったのに、どうしてまたまた『見果てぬ夢』なんですかぁ?

(典子)
さあ~。そういうことを私に聞かれてもねぇ。とっきーさっきーの気まぐれでしょ?

(雪音)
むむッ、むむむむっっっ! 分かりましたです。
ちょっと情報通の『少女涙の羞恥生活』のヒロイン、有里に聞いてみるです。

(有里)
ピンポーン♪♪ 呼ばれて参上、本家本元ヒロイン有里でぇーす。
ただいま、鬼の迷監督とっきーさっきーによる『少女涙の羞恥生活 2』の撮影をしていまぁ~す。
順調好調、もうすぐみんなに再開できる日を指折り待ってまぁ~す。

(典子)
げっ、ややこしいのがもう一人増えたじゃない。
ていうか、有里って続編を作ってもらえたの? いいなぁ~。

(有里)
でしょでしょ。典子お姉さん、羨ましいでしょ。嫉妬しちゃうでしょ。
私ってやっぱり『羞恥の風』を代表するヒロインでしょ。うふふふふっ。

(雪音)
初めまして有里さん。このたびは召喚に応じてくださいまして、ど~もです。
早速ですが、今回の順番変更の件についてどう思われますか?
あっ、マイクはこちらです。

(有里)
あーあーあー。本日は晴天なり。マイクのテスト中、あーあーあー。
え~、おほん。
実はですね、典子お姉さん主演『見果てぬ夢』は、第30話を持ってさようなら~、バイバ~イということなんです。はい。

(雪音)
えっ! ということは、残り3話。おそらくCM出演は、今回がラストということでしょうか?
はい、マイクはこちらです。

(有里)
え~あ~、はい。そうとらえられて差し支えないかと。

(雪音)
こ、これは大変なことのようです。
詳細につきましては、『見果てぬ夢』の公開日お知らせコーナーの後、お伝えします。
はい、典子お姉さん。スタンバイいいですかぁ?
本番5秒前!
4・3・2・1・はい!

(典子)
あ、ああああぁぁぁ……み、み、『見果てぬ夢』の公開日をお知らせします。

 第28話  3月17日  月曜日
 第29話  3月20日  木曜日
 第30話  3月23日  日曜日

時刻は、それぞれ午後8時を予定しています。
出演はもちろんヒロインである私、岡本典子が務めさせていただきます。

夜の交差点。ノーブラ、ノーパンで佇む典子に、男から更なる恥辱が……?!
もう誰も引き返せない、衝撃のラストシーンをお見逃しなく……

って、えええっっっ!! やっぱり、終わっちゃうのぉ? う、う……あっ切られちゃった。

(雪音)
はい、終了。典子お姉さん、ご苦労様です。
え~、それでは、『見果てぬ夢』終了に関して続報を伝えたいと思います。
現場にいらっしゃる有里さんに伺います。
これは一部で囁かれている打ち切りってことはないのでしょうか?

(有里)
え~あ~、はい。それは十分に考えられます。
といいますのも、我が『羞恥の風』に出演するヒロインの中で、岡本典子さんの年齢がネックになっているとの噂は以前からあったのも事実です。
なんと言っても断トツの年上お姉様25才は厳しいでしょう。おまけに既婚者。人妻ですからねぇ。
まあ、本人曰く「ピチピチの熟女ガール」と訳の分らない造語まで作りだしては必死のアピールでしたけどね。

(雪音)
はあ~。これも哀しい女の性というものでしょうか。
なんだかやり切れませんねぇ。切ないですねぇ。

ボカボカボカッ! パッシィーンッ!!

(雪音)(有里)
ひぇぇぇぇぇ~ッッッ! 痛~いぃっっっ! 典子お姉ちゃん、暴力はんた~い。

(典子)
な~にが、打ち切りよっ! な~にが、ピチピチの熟女ガールよっ! 
私が黙って聞いてたら、好き勝手言ってぇ。あんたたち、許さないからねぇ。覚悟なさい。

(雪音)(有里)
ごめんなさ~い。反省してま~す。

(典子)
よ~く聞きなさい。お子様タレントたち。
『見果てぬ夢』は一時お休みするの。また必ずカムバック! するんだから。
そうよ、とっきーさっきーも『見果てぬ夢 2』をきっと作ってくれるわ……たぶん。

(雪音)
そう言いながら、お蔵入りした作品って数知れず……

(有里)
うんうん。激しく同意。

ボカボカボカッ! パッシィーンッ!! グシャッ、バキッ、ドカァァァ~~ンッ!!

(雪音)(有里)                                             
わたしたち……死んだかも……秘孔突かれまくり……ひ・で・ブーッッッ!

(典子)
はあはあ、年には勝てないわね。
でもでも、典子はまだまだがんばりま~す♪♪
今回はこれでさよならだけど、いつかきっときっとゾンビみたいに復活しま~す♪♪
そのときは皆様。典子を応援してね。
『見果てぬ夢』より愛を込めて……♪♪

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屋外露出 中級 その1






















(27)


4月 11日 金曜日 午後11時30分   岡本 典子



「決まりだな、典子。
ふふふっ、では、早速ポーズを決めてもらうぞ。
……まずは、その中途半端にひらいているシャツのボタンを全て外してもらおうか?
そう、全部だ。
胸の前を全てはだけて、典子自慢のおっぱいを晒すんだ。
絶対に隠すなよ! 見ているからな!」

私は顔を固定したまま、視線だけを右、左って交互に走らせる。
そしてスマホを左手に握り締めたまま、残されたボタンに指をあてた。

「ああぁっ、こんなの……辛い……」

指先でボタン穴を押しひらき、残りの指が小さなボタンを押し出そうとした。
でも寒さで強張ったように、指がなかなか言う事を聞いてくれない。
指の腹に乗せたボタンがするりと逃げ出してしまう。

「ほらぁ、早くやれよぉ! そんなにダラダラしていると、俺の息子が萎えちまうぞ。
……それでいいのかぁ? そうしたら、いつまで経ってもお前はそのままだぞ」

耳からは、遠く離れているスマホが下品な言葉で私を追い詰めていく。

このシャツ、典子のお気に入りだったのに……許してね。
でもね。ボタンを外せない指ができることって、これしかないの。

ブチッ、ブチブチブチッ!

私はお腹をガードするように閉じているシャツを強引にひらいていった。
生地の裏側に指を引っ掛けて、力任せに左右に引っ張った。

引きちぎられる糸が悲鳴をあげて、支えを失ったボタンが乾いた音を残してアスファルトの上に散った。

「んんっ、いやぁ。み、みないでぇっ!」

肩のラインが覗けるくらい、襟の部分を後ろに引き剥がして……
せっかくひらかれたシャツが元に戻らないように脇で締め付けて……

ここは脱衣場じゃないのに……
ここは更衣室でもないのに……
そう、街の交差点なのに……
そう、いつ見られるかわからないのに……

噛み合わない歯をカチカチ鳴らしながら立ち尽くしていた。
乳房も乳首も縦長のおへそも、くびれが自慢のウエストも、みんなすべて晒けだしていた。

丸見えにして、丸出しにして……
きっと典子は露出狂だから……
だからこのくらい恥ずかしくないから。全然大丈夫だから……
おっぱいが震えるのって、北風に吹かれて寒いから……
それ以外に理由なんてなにもないから……

「いいぞぉ、典子。路上で、むき出しのおっぱいを見られて快感だろう?
闇から突き刺さる視線が気持ちいいだろう?
おっと、まだ隠すなよ!
目の前の信号が青になるまで、そのままでいろ! いいな!」

「ううっ、ぅぅっ……ああぁ、は、はい……」

シュッ、シュッ シュッ、シュッ……

「はあ、はあ、はあ、はあ……」

1秒が10秒。10秒が1分。1分が1時間。
私の周囲だけ時間が流れてくれない。
止まったように動いてくれない。

耳元に届く男の卑猥な息使いに、腰に押し当てた両手が抵抗するように持ち上がろうとする。

お願い。誰も来ないで!
半裸の女になんか、興味を持たないで!

道路から顔だけ背けて、目の端で信号機を追い掛けて、激しい羞恥心に気が狂いそうになって……
そして、永遠に変わらないと思った信号に青色が灯った。

「ふふふっ、えらいぞ典子。やれば出来るじゃないか。
さあ、その調子で次のポーズに移ってもらおうか?
お前の腰に貼り付いているミニスカートを両手で持ち上げるんだ。
もちろん、典子の恥ずかしいおま○こがよく拝めるように、腰の上までしっかりとな!」

「ああ……そんなこと……そんな恥ずかしいこと……いやぁ……」

男から新しい指示が飛んだ。
私にひと時でも安堵感を与えたくないように、今よりも、もっともっと惨いポーズを要求してくる。

こうなることくらい覚悟はしていた。
男の人が大好きな処で、1番人気はやっぱりあそこでしょ? って……
おっぱいはたぶん2番人気でしょ? って……

だから、泣きそうな顔で渋々うなづいて、むずがる両腕をだらりと下げるつもりだった。
でも私は硬直していた。

男には聞き取れない小さな声で「無理よ……絶対に無理!」って、何度もつぶやきを繰り返して……
信じられないという表情まで作って……
風に煽られたシャツの生地に、敏感な乳首を弄ばれて……

どうしよう? どうしよう? って、答えなんか決まっているのに迷う振りまでして……

「恥ずかしいのか、典子? ふふふっ、そりゃ、恥ずかしいだろうな。
短いスカートをほんの少しめくり上げただけで、ノーパンのお前はおま○こが丸見えだからな。
もしかしたら、通りがかった奴に覗かれるどころか、携帯でカシャってやられるかもしれないぞ。
さあ、どうする?
イエス、OK以外の選択肢はあり得ないが、一応聞いてやる。
するのか? しないのか?」

シュッ、シュッ シュッ、シュッ……

ボリューム限界にしたスマホ。
そこから聞こえる、肉の棒に指を擦り合わせる音。
典子の恥ずかしい姿を材料に、変態が路上でオナニーする音。
ここへ呼び出されたときの河添の言葉がそれに混ざり合って、私にひとつしかない決断を迫ってくる。

夢を掴み取る覚悟!
そのためなら、どこまでも羞恥と恥辱の地獄に落ちる覚悟!

ほら典子、がんばって。
さあ、スカートの中も見せちゃおうよ。
いつまでもおっぱいだけでは、河添の息子が機嫌を損ねて萎んじゃうよ。
それにこんな格好。いつまでもしてたら、本当に風邪をひいちゃうよ。
だから典子の大切な処を見せてあげて、こんな露出ごっこ早く終わりにしよ……ね。



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恍惚の薔薇 第2話


  
                                          


第2話



        この日も、いつものホテルで篠田と待ち合わせた。
        篠田は、早々とシャワーを済ませ、大きな目をギラギラ輝せながら栄養
        ドリンクを飲んでいた。

        「君も早くシャワーを浴びてきなさい」

        篠田は、65歳とは思えないほど性欲が旺盛だ。
        既に、篠田のガウンの股間は大きく膨らんでいた。
        理恵がシャワーを終えると、既に篠田はベッドの上で待っていた。
        理恵が寄り添うと、いつもの様にチュバチュバと音をたてながら、篠田
        は理恵の乳首を吸う。
        理恵の乳首は、たちまち硬くなった。

        「今度はマンコをしゃぶってやるからな」

        篠田の愛撫は、乳首から滑り落ちる様に、理恵の股間に向かった。

        「どれどれ」

        篠田は、理恵の股間を大きく開き、顕になった女陰を左右に押し広げ、
        厭らしい目つきで覗き込んだ。

        「う~む、いつ見てもいい眺めだ、ぐっひっひ~」

        篠田は、膣穴まで丸見えになっている理恵の陰部にしゃぶり付いた。

        「あっ、せ、先生……、、あっ、、あ~、、」

        篠田は、チュバチュバと音をたてながら、女陰を吸い続けた。
        そして理恵の口からは淫声が漏れ、ピンクの蜜壷から愛液が溢れ出た。

        「あぁ~、い、いい~、あ~~」

        篠田は、とめどなく溢れ出る理恵の愛液を、一滴も逃す事なく啜った。

        「そんなに気持ちいいか~! ならばここはどうだ、、ひひひ~」

        篠田の指は、陰毛を丁寧に掻き分け、亀裂の最上部を弄った。

        「ほ~ら、観音様が丸見えだぞ!」

        篠田の視線の先には、真珠のような陰核が存在していた。

        「は、恥ずかしい、せ、先生、恥ずかし~い」

        篠田は理恵が発する『恥ずかしい』という言葉を好んだ。
        行為の際、理恵はいつもこの言葉を口にした。

        「こんなに大きくしやがって! もっと大きくしてやる!」

        篠田はそう言いながら、理恵の顕になった陰核に舌先を這わせた。

        「あっ、、あ~ん、、せ、先生~、ダメ~、、」

        篠田は理恵の言葉など一切無視をして、舌先で弧を描き始めた。

        「あ~~ん、、そ、それダメ~~、、か、感じるぅ~~、、あ~~」
        「逝きたいか! よ~し、逝かせてやるわぃ!」

        篠田は、徐々に舌の動きを早めていった。

        「あ~~、ダメ、ダメ~~、い、逝くぅ~~、、あ~~~~~」

        理恵は、大きく口を開き身体を痙攣させた。

        「ふふ、今度は俺の番だ!」

        篠田は、意識が朦朧としている理恵の上半身を起こし、自らの下半身を
        理恵の顔に押し当てた。

        「ほら、しゃぶれ!」

        篠田の男根は、異常なサイズだ。優に20センチはある。
        理恵は、まるでロケット弾の様にいきり立った篠田の肉棒を口に含んだ。

        「ううぅ、、」

        理恵は、苦しそうな表情をしながらも、チュバッチュバと音を立てなが
        らしゃぶり続けた。

        「よしよし、もういい! うつ伏せになって尻を出せ!」

        理恵は、篠田のペニスから口を離し、うつ伏せになって尻を突き出した。

        「よ~し! 後ろからぶち込んでやる!」

        篠田は、自らの男根を手に取り、理恵の膣穴に焦点を合わせた。

        「それっ!」
        「はぁ~~ん!」

        篠田の巨根は、理恵の蜜壷に根元まで吸い込まれた。

        「あっ、、す、すご~い、、はぁ~~ん」

        篠田の肉棒は、厭らしい音を醸し出しながら、前後運動を開始した。

        「どうだ、気持ちいいだろ! ほらほら、もっと突いてやる! ほらっ!」

        篠田の巨根が、力強く出し入れされた。

        「あ~ん、、あ~ん、う~ん、、」

        理恵の愛液は異常な程溢れ出し、肉棒を伝って睾丸から滴り落ちていた。

        「それっ! それっ! それっ!」
        「あんっ! あんっ! あんっ!」

        理恵の子宮からは、瞬く間に絶頂感が込み上げてきた。

        「それっ! うぅ! うぅ、、」

        既に、篠田も限界だった。
        篠田の腰の動きが急に激しさを増し、後背位特有の打撃音が部屋中響き
        渡った。

        「い、いくぞっ! あ、あ、い、いくぞ~~!」
        「あっ、あっ、あ~~~」

        理恵は次の瞬間、子宮の奥が熱くなるのを感じた。




※ この作品は、ましゅまろくらぶ 真理子様から投稿していただきました。
  尚、著作権は、ましゅまろくらぶ 真理子様に属しております。
  無断で、この作品の転載・引用は一切お断りいたします。



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屋外露出 初級 その2






















(26)


4月 11日 金曜日 午後11時15分   岡本 典子



♪♪……♪♪……

突然ポケットに入れてあるスマホが、軽快な着メロ音を流した。
私は慌てて摘み出すと素早く耳に押し当てる。

「もしもし……」

「よお典子……俺だ。ふふっ、指示通りの格好で突っ立っているところを見ると、プレゼントした服は気に入ってもらえたようだな」

「あ、ああぁっ……もう……許してよ! 私、恥ずかしくて死にそうなの!
さっきから通りがかった人みんなに、ジロジロ見られて……
もう、これ以上耐えられない!
それにこんな格好……もしも、誰か知っている人に見られでもしたら……
私は……典子は、もう生きてゆけない……」

ほっぺたを熱い滴が流れ落ちていく。
悔しくて、情けなくて……
でもそれ以上に、こんな恥辱から逃れたくて……
私は、鼓膜に響く残酷な男の声にすがるように訴えていた。
訴えながら、男の姿を必死で探し求めていた。

やっぱり、この人見ていたんだ!
下着さえ身に着けずにエッチな服装の私を、どこかに隠れて覗いていたんだ。

どこ? どこにいるの?

「ふふふっ、大げさなこと言うなよ。
顔はゆでダコみたいに真っ赤にしているが、内心ではまんざらでもないんだろう?
何といっても、ベランダから『典子は淫らで淫乱な人妻です。おち○○んが大好きな人妻です』……だからな。この露出狂が……!」

「ひどい……そんな言い方……
これは、あなたの命令だから仕方なくしているのに……
そんな……私は……露出狂なんかじゃないわ!
だから、は、早く私を……典子を解放して! お願い!」

「まあ、待ちなって。
そんな薄っぺらな生地の服でも、結構いい値段がしたからな。
……うーん……そうだな。
今から俺が、典子を材料にせんずり……ああ、オナニーをしてやる。
お前はその間、俺の命令通りのポーズでもしてもらおうか?
そして、俺が無事抜け終えればこの露出ごっこから解放してやる。
ふふふっ、いいアイデアだろう。なあ典子」

瞬間、スマホを取り落としそうになる。
私は河添の話声を遠い出来ごとのように聞いていた。

オナニーってなによ! 私を材料にって……?!
ううん、それ以上にポーズって……?
私、まだまだ恥ずかしいことしないといけないの?
もう充分でしょ。昔の恋人にこんな仕打ちをして、あなた満足でしょ?!
それなのにこんな羞恥地獄に耐えないといけないなんて……

「おい典子。ちゃんと聞いているのか? お前には迷う権利なんて最初からないんだからな。
あるのは、イエス、OK……それだけだ。
さあ、次のステージへと進んでもらおうか。
こっちはお前の痴態がよく見える所で鑑賞しているんだ。
言っておくが、ズルはなしだぜ。ははははっ」

私は、雑音の流れるスマホをすっと耳から離した。
そのまま真っ直ぐに横断歩道を見つめる。

冬の名残のような北風がビュゥって吹き付けてきて、私の周囲で渦を巻いた。
大きくはだけさせられたシャツのせいで、典子のおっぱいが寒さにブルブル震えてる。
足下では、前からも後ろからも風が上昇気流みたいに吹き上げて、薄くて軽いスカートが風に煽られる旗のようにパタパタとはためいている。

そんな姿で私は、おへその辺りに握りこぶしを押し付けたまま立ち続けていた。
『イヤァッ』とか『キャアァ』とか可愛らしく悲鳴を上げたいのに、それもグッと我慢した。

道路を走る車が、パァーンってクラクションを鳴らしていった。
暖房を入れているのに窓を全開にして徐行するドライバーと視線がぶつかった。

ショーツを着けさせてもらえない股間に冷気を感じて……
恥ずかしい処もお尻も、丸出しにしていることを実感させられて……

私自身も思い始めてた。
……典子って露出狂かも? 変態かも?

歩行者用信号が赤から青に変わった。
信号機に設置されたスピーカーから、昔懐かしい童謡が流れてくる。

私はその場に佇んだまま一歩も動かずに深呼吸する。
そして、大きくゆっくりと頷いた。
そのまま下をうつむいて、そこだけ濡れたアスファルトに視線を落として……
私にも聞こえない声で呟いていた。

「典子……いつになったら、渡れるのかな?」って……



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屋外露出 初級  その1






















(25)


4月 11日 金曜日 午後11時   岡本 典子



午後11時、歩道を行き交う人もほとんどいない。
アスファルトをうるさく鳴らして走る車の音もほとんど聞こえない。

私はオフィスビルが建ち並ぶ大通りの交差点で、ひとり佇んでいた。
脇をギュッと締めて両足をギュッと閉じたまま、じっと、まるで直立不動状態の門番みたいに立っていた。
そして、時々黒眼だけ左右に走らせて誰かを探した。
瞳を潤ませて許しを請うように、どこに潜んでいるかわからない誰かに合図しようとした。

横断歩道に設置された歩行者用信号機が青に変わる。

ほら、行くわよ! ……って、渡りたいのに私は渡らない。
違う。渡らせてなんかもらえないの。

そうよ、私はこの場所で1時間も前から立たされているから。
河添のものすごくつまらない思い付きで……

「一体、いつまでやらせるつもりなのよ!
こんなところを、誰か知っている人にでも見られたりしたら……?!」

私は、ここへ来てから4度目の全く同じセリフを呟いていた。
そして、横断歩道の信号が赤になるのを恨めしそうに眺めた。

「こんな格好じゃ寒いし、風邪ひいちゃう」

まだまだ冷たい春の風にブルッて身体を震わせると、視線を下へと這わせた。
見ない方が気が楽なのに、典子の視線が降りていく。
つい気になる自分の姿を見ようと視線を落としてしまう。

なによ、典子! そんな恥ずかしい服装で! ……はしたない。

きっと、昨日の私が見たらこう言って顔を真っ赤にして怒ると思う。
だって実際にそうだから……

私は、衣替えなんてまだまだ遠い先なのに半袖シャツを着ているの。
それも、典子のサイズよりひと回りもふた回りも小さいピッチピッチの薄手の生地で、おまけに胸の下までボタンを外して……
これじゃ典子のブラジャーが見えちゃう?! って……?

大丈夫よ。
私、ブラを着けていないから。そう、ノーブラだから……

典子の揺れる大きなおっぱいも谷間だけじゃない。
丸い輪郭の半分くらいがはだけた襟元から飛び出しちゃってる。
これがお昼間だったら、赤い乳首や乳輪まで透けて丸見えかも。

そして、下半身も大胆。
私が履いているのは、太ももが半分くらい露出してるマイクロミニっていうスカートなの。
それも、風の悪戯にめっぽう弱いフレアのスカート。
両手でしっかりと押えていないと、マリリン・モンローみたいに中のショーツが丸見え?! って……?

ふふっ、これも大丈夫。
だって私、ブラだけじゃない。ショーツも穿いていないから……
おまけに両ひじを折り曲げてウエストに押し当てているから、悪戯好きの春風だって好きにし放題。

ほら、さっきだって後ろから短い裾がひらって……
あっ! 今度は前からめくられちゃった!

典子の恥ずかしいあそこやお尻を、冷たい風に撫でられている。



ここへ来てから、私の前を数人の知らない人が通り過ぎて行った。

まだまだお仕事中なのか、難しい表情で携帯しながら……
帰宅途中なのか、スーツ姿で自転車を漕ぎながら……
マラソン大会を目指しているのか、ジョギングしながら……

みんなそれぞれ、自分のことに集中すればいいのにね。
世の中そんなに暇じゃないと思うのにね。

私の姿を目にした途端、動きが変わっちゃった。
私の前に来たときだけ、スローモーションになっちゃった。

携帯から相手が問い掛けているのに、急に話すの止めて……
青信号なのに、安全確認するみたいに急減速して……
走り慣れてそうなのに、ひざに手を当てて息を整える振りをして……

無言のまま、視線だけが私のつま先から頭のてっぺんまでを何度も往復してる。
いやらしい目で、いやらしい視線で……
典子の半分零れ出しているおっぱいに視線を這わされた。
悪戯な風にスカートが煽られるのを心待ちにするように、視線を絡みつかされた。

私は、この人たちの視線を逸らすように身体だけ横断歩道に向けながら、首の筋が違えるくらい横を向いていた。
ひざがガクガク震えるのをなんとかごまかして……
しゃがみ込みたくなる衝動を、くちびるを噛み締めて必死で堪えて……

それなのに、いくら典子のファッションが過激だからってひどすぎる。
私は視線を逸らせているのに、さり気ない振りして合わせてくるんだから……
通り過ぎたのなら、そのままさよならしたいのに、何度も何度も名残惜しそうに振り向くんだから……

でも、男の人にそれを望んだって無理だよね。

だって、こんな露出狂みたいな服装の典子が悪いんだから。
こんなエッチな姿を見たときの男の人の気持ち、典子も理解できるから。

そうよ。私もできることなら逃げ出したい。
こんな恥ずかしいファッションなんかイヤなの大嫌い。

だから神様に無茶なお願いをしてた。

どうか、典子を透明人間にしてください。と……



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見果てぬ夢は……み・は・て・ぬ・ゆ・め?


  


皆様、ご機嫌いかがでしょうか?
小説『見果てぬ夢』でヒロインをさせてもらっている典子です。

(雪音)
はぁ~い。みんなぁ元気?
新連載小説『シャッター・チャンス』の雪音でぇ~す。
まだまだ営業活動しまぁ~す。ルンルン♪♪

(典子)
あらぁ、パワフルガール雪音ちゃん、いらっしゃい。うふふ。

(雪音)
あっ?! その名前であたしを呼んでくれるとは、雪音、うれ~しい♪
典子お姉さん。『シャッター・チャンス』のご愛読サンキューです。
ところでぇ、感想とかあったら聞かせて♪ 聞かせて♪

(典子)
う~ん。んむむむむむっっっ……ジロッ! ジロッ!
はっきり言って……てぬる~いッッッッ!!
もっとこう……アダルト小説なんだから、男との絡みをバンバン入れて、セックス! セックス! セックス!
そうよ、男の人の「おちピーピーん」をもっと描写して読者さんをゾクゾクさせないと、あなた、この世界では生き残れないわよ。

(雪音)
セ、セックスって……おちピーピーんって……?!
ひぇぇぇぇぇぇっっっっ! 
さすが修羅場をくぐり抜けたパワフルおばさんだけあって、その一言が地球の重力よりも重たいですぅ。
引き寄せられるですぅ。

(典子)
ま、まあ……おばさんは余計だけど、あなた結構本質を突いているわよ。おほほほほほっ。

(雪音)
え~っと、尻文字に騎乗位・オナニー・お外で後背位。それに……公開ろ……お~とととぉっ。
危ない危ない。もうちょっとで口を滑らせるところでした。
それで、「み」はあれで「は」はこれで「て」は……う~んう~ん……

(典子)
あのぉ~、雪音ちゃん。なにを指折り考えているのかな?

(雪音)
ちょっと黙っててくれませんか?
あ~ん。典子お姉さんのせいで、また一から考え直しですぅ!

(典子)
はあ~……このコーナーって、私が主役なのに……

では小声で『見果てぬ夢』の公開日お知らせしますね。ボソボソボソ……

 第25話  3月 8日  土曜日
 第26話  3月11日  火曜日
 第27話  3月14日  金曜日 ボソボソボソ……

時刻は、それぞれ午後8時を予定しています。
出演はもちろんヒロインである私、岡本典子が務めさせていただきます。ボソボソボソ……

春だというのに季節はずれの北風の吹く中、男に呼び出された私。
このままでは帰れない。
男に命じられるまま、私は着ているものを……

どうするのかな? うふふふっ、それは……ないしょ♪♪
詳しいことは、公開日までお待ちになって下さいね。ボソボソボソ……


(雪音)
な~に、暗い子みたいに呟いているんですかぁ?
負のオーラが漂いまくりですよぉ。

(典子)
雪音っ、あんたねぇッ! もうムキィィィッッ! なんだから。
で、さっきは何を数えてたのよ。

(雪音)
み・は・て・ぬ・ゆ・め……う~ん。6文字ですよねぇ。

 み=見てぇ♪ 典子のおま○こ
 は=はぁぁん♪ もっとぉ突いてぇっ
 て=手がいいのぉ♪ もっとぉ弄ってぇ
 ぬ=脱ぐわぁ♪ だってあなたに見て欲しいものぉ
 ゆ=指でしてぇ♪ 典子の穴に沈めてぇっ
 め=???

「め」って何ですかぁ? さっきから考えているんですけど思い浮かびませ~ん。
典子お姉さん、知ってますぅ?

(典子)
メリーさんの羊ランランラン♪♪
…… ……さようなら~~


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ピンクの傀儡子参上 ?!























(5)
 


「えーっと、それでご用件は……?」

「……あ、あの……んん」

お父さんがまた同じセリフを繰り返した。
それに合わせるかのようにお客様も、喉の奥で言葉にならない声を出す。
それも2度目じゃない。これが3度目。

荒い鼻息に混じった女の人の細い声に、あたしが気が付いてからもう10分くらい経過している。
その間カウンターを挟んで、お父さんとお客様は見つめ合ったまま。
無駄にふたりの時間だけが流れていく。

あたしはお父さんの横腹をヒジで突きながら、そのお客様?を観察していた。

年齢は30代後半かな。
ちょっとウェーブのかかった長い髪をロングレイヤーにまとめた結構美人な女性。
まあ、美人にもいろいろあるけど、どちらかというと面長な顔立ちに切れ長の瞳だから、モデル顔かな?
きっと学生時代は、男子生徒代表のマドンナさんだったりして。
でも、そんな魅力的な美人さんなのに、もったいないよね。
そんな思い詰めた表情をしていたら。

「あ、あのお客様、ご、ご用件を仰っていただかないと……」

お父さんの声が上ずっている。
おでこに玉の汗を浮かべて、チロチロとあたしの方に目で合図を送ってくる。

でも、どうしようかな?

愛娘の貴重なヌード写真を、あっさり8万円で売り渡しちゃうお父さんだし……
そうはいっても、いつまでもこの人に居座られてたら、あたしの丸写し宿題もはかどらないし……

仕方ないわね。
ここは、あたしがビシッと収めてあげる。

「お客様! 当店は写真館でございます。
ご用件がないのであれば、どうかお引き取りくださいませ」

あたしは、うつむき加減の女の人に少々棘のある声ではっきりと言ってあげた。

突然の若い女の子の声に驚いたのか、その人は顔を上げた。
そのまま乾いたくちびるを震わせて呟いた。
目を虚ろにして、真っ青な顔で……

「ピンクの傀儡子……さん」って……

有り得ないと思っていた単語を……
隣でお父さんが腰をヘナヘナとするのを支えながら……

あたしも呟いていた。
「世の中には、不思議が満ち溢れてる」って……



「それで貴女は……いえ、久藤さんは、僕をピンクの傀儡子と知って来られたのですね?」

「……はい。そうです」

その後、あたしたち3人は例の地下スタジオに場所を移動した。
リサイクルショップで調達した塗装の剥げかかった丸いテーブルを囲んで、お父さんと久藤律子(くどう りつこ)さんが真剣な表情で話し込んでいる。

あたしは、ふたりの話に聞き耳を立てながら愛用のスマホを見ていた。
ブックマークから『ピンクの傀儡子』を探すと、画面にアップする。

突然流れ出した『月○仮面』のテーマ曲と共に現れたのは……

『今すぐお金が入用の貴女!! ピンクの傀儡子が参上致します!!』

という、画面いっぱいに映し出された悪趣味なピンク色のロゴと、その下に続く読むのが面倒臭くなりそうな長々とした説明書き。

大まかに言うと、お金の欲しい人はヌード写真を撮りませんか~って……
ただし女性だけですよ~男性はご遠慮くださいね~って……
信用ある個人の方にしか売却しませんから安心ですよ~って……
因みに取り分は、山分けですよ~ヒフティーヒフティーですよ~って……

まあ、こんな感じかな。

ただ、前から気になってたんだけど、これって悪い人たちが経営している金貸し屋さんと間違われないのかな?
ううん、それ以上にこのサイトを見て人生の大決断をする女性って……
やっぱり、世の中には不思議が満ち溢れてる……かな。

あたしはスマホから目を離すと、小さく欠伸をした。

「……ということは、それなりのお覚悟を持ってと理解しても構いませんね。
それで……あの、失礼ですが、どの程度ご入用で……?」

「い、いえ……違うんです。
私……お金が欲しくでここへ来たわけではありません。ただ……」

「ただ……?」

お父さんの身体が前のめりになって、思わずあたしも耳を傾けていた。

「あ、あの笑わないでくださいね。
わ、私……主人の秘密を見ちゃったんです。
そ、そのぉ、書斎でパソコンを見ながら……自分を慰めているところを……
それで主人が仕事で留守の間に、いけないこととは思いながら、こっそりパソコンをひらいてみると……その……若い女の子の水着の写真が……」

「要するに、ジュニアアイドルの写真集ですね。
それで、その……大変失礼なこととは思いますが、よ、夜の営みはどの程度の間隔で……?」

「えっ?! よ、夜の……ですか?」

訊いているお父さんが真っ赤になって、訊かれた久藤さんも顔を赤くしている。
ついでにあたしはというと、目を輝かせながら何も映っていないスマホをじっと見つめている。

「そ、それがここ半年ほど一度もなくて……
以前は少なくても週に一度は愛してくれて……」

「それは、それは……お辛いでしょうね」

お父さんが同情するように何度もうなづいている。
でもちょっと変だよ。これじゃカウセリングだよ。

「それで、お願いしたいんです。
ピンクの傀儡子様、どうか私の写真を撮ってはいただけませんか?
私の……律子の恥ずかしい写真を撮ってください!
費用はいくらでもお払いいたします。主人の……あの人の心を……うっ、うぅぅぅぅ……」

律子さんは、目頭に指の背をあてたまま嗚咽を繰り返している。

話していることは、なんとなくわかるけど……
でも恥ずかしい写真を撮ったからって、旦那様の心を鷲掴みにできるのか、ものすごく微妙だけど……

でもでもでも……いいかも♪♪

費用はいくらでもってことだし……
だったらあたしたちの薄っぺらいお財布も潤うし……
それにそれに……サイトを立ち上げて丸2年、初めての記念すべきお客様だし……

「今から撮影します?」

あたしは営業スマイルで訊いていた。



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パワフルガール 雪音?























(4)
 


それから、あっという間に1年が過ぎちゃった。

相変わらずお母さんの里帰りは続いているし、頼りないお父さんはいつまで経っても頼りないまま。
でも、そんな環境だからかな?
あたしは、強く逞しく成長したと思うよ。
身体もちょっとばかりナイスバディになったし、心はお父さんの分まで超前向きパワフルガール?!

そうよ、女の子は適応能力が高いの。
いつまでも、くよくよしていられないんだからね。
ただし、バージンはそのままんまだけど……



そんなある日のこと……
あたしはスタジオ横にある事務机で、店番兼学校の宿題を片付けていた。
お父さんは、お店の奥でカメラをバラバラにしたりレンズを磨いたりしている。

ここは1階にある本当! の写真スタジオ。
入り口には大きめのガラスケース付きのカウンターが置いてあって、中にはいろんな種類のレンズや三脚なんかがぎっしりと詰まっている。
そして、壁に設置したショーケースや、その上には最新式の一眼レフカメラから時代に取り残されたフィルムカメラまで、こちらもまたぎゅうぎゅう詰めで並ばされている。

でもねぇ。あたし見たことがないんだな。
このレンズ君やカメラさんが、売られていくところ……
お父さんが、羽の付いた刷毛でお掃除している姿はしょっちゅう見かけるんだけど……

「ねえお父さん。この前のネガ、いくらで売れたの?」

あたしは、友だちから借りたノートを丸写ししながらお父さんに話しかけた。

「うん……8万円だったかな……
昨日の夜、メールが入ってたよ」

「えっ? たったそれだけ……?!
あたし、ものすごく張り切ってがんばったのに……」

「仕方ないさ。お父さんの信用できる人を通じて、絶対に外部に流出させないって条件なんだから。
個人でポケットマネーをポンと8万ってのは、結構すごいと思うよ。
僕だったら到底無理だね」

「到底無理って……ひっどぉーい!
お父さんは愛娘のヌード写真の価値が8万円以下だっていうの!
あーぁ、あたしだったら、『雪音の肌を拝むなら、100万円でも安い』とかなんとか……えへ、ちょっと自惚れかな?」

あたしは舌を覗かせながらお店の窓に目をやった。
夕暮れ時の弱りかけた日差に、通りを歩く人影は足長おじさんになる。

当然、ここ『北原写真館』の中も薄暗くなってきた。
因みに北原ってのは、あたしとお父さんの苗字が『北原』だから。
そして、あたしの名前は、北原雪音(きたはら ゆきね)
お父さんは、北原武雄(きたはら たけお)

ふふっ、でもお父さんの『武雄』って、全然合ってない気がするというか名前負けしているよね。
はっきり言って……

「いいなあ、並木さんのとこ……お客さんが、お店の外まで列を作ってるよ。
今夜も大繁盛だね」

あたしは、北原写真館の斜め向かいにある、そば屋さんを指さしていた。
屋号は『そば屋 並木』

その隣には婦人服のお店。その隣のシャッターが下りたままの元八百屋さんを飛び越えてお肉屋さん。続けてクリーニング屋さん。
そんな感じで、駅前につながるこの通りは昔ながらの商店街になっている。
……といっても、駅前の再開発や街の郊外に出来たおっきなショッピングモールの影響で、このあたりのお店も半分はシャッターが下りたままになっているけどね。
俗に言う『シャッター通り商店街』って感じかな。

「そう言えば並木さんのとこ、先月からアルバイトで女の子を雇ったらしいね。
僕はまだ会ったことがないけど……」

「ああ、その子ならあたし会ったことがあるわよ。
まあ、目が合ったから会釈しただけなんだけど……
いつも4時くらいにお店に入って、接客とかしている……えーっと、名前はなんて言ったかな……?
たしか……」

「早野有里……だろ」

「そ、そうよ、早野さん……って! どうしてお父さんが知っているのよ?!
今、会ったことがないって言ってたじゃない。
まさか、こっそり覗いていたんじゃ……?」

あたしは、振り返るとジロリと睨んだ。
でもお父さんは、必殺視線ビームを全身に浴びながら愛おしそうにレンズを撫でている。

「ま、まあ、いいわ。
……それよりも、女の子をひとり雇ったくらいでお客さんが押し寄せるなんてどうなっているのかしら?
このお店にだってこんな可愛らしいマスコットガールがいるのに、さっきからお客さんゼロじゃない!」

「いや、ひとり来たよ」

「あれは、回覧板を持って来たお隣のおばさんでしょ! ホントにもう……」

あたしはホッペタを膨らませると、再び行列のできるそば屋を眺めた。
ちょうどその時だった。
擦りガラスの引き戸をひらいて噂の少女が姿を現した。

「お父さん、見て! あの子よ、ほらほら」

「ほー、結構可愛いじゃないか。というより、かなりのレベルだな。
テレビで歌ってそうなアイドルよりこっちの方が上かもしれないぞ。
なんといったって、化粧っ気なしのすっぴんであの美形だしな」

「そうよねぇ。悔しいけどあたしといい勝負の美人かも……
それに、オレンジのエプロン姿にポニーテールの髪形って、なんだか男の人のツボに嵌まってそうで……って!
やだぁ、お父さん。鼻息が荒いよ……!」

あたしとお父さんは、窓の端に身を隠しながら覗いていた。
ふたり一緒に、あたしの頭の上にお父さんのあごを乗っけたまま、美少女と途切れないお客さんの姿を追いかけていた。

だからかな?

今日初めて訪れてくれたお客様に、全然気付かなかったのは……



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おばさんだって ジュニアモデル!!


  


はぁーい。みんなぁ元気? 『シャッター・チャンス』の雪音だよ♪♪

(典子)
はぁ~い。私も元気元気しているよ。『見果てぬ夢』の典子でぇ~す。うふふ♪♪

(雪音)
は~ぁ。どうしてあたしのコマーシャルコーナーなのに、この人やって来るんだろ。
おまけに、すっごく若作りしちゃって。
笑うだけで厚塗り化粧品がひび割れしたりして……ぐふふふふ。

(典子)
あんただってね、ピチピチのお肌なんか今だけなんだから。
あっという間に、『シャッター・チャンス』の機会を逃しちゃうわよ。

(雪音)
うふふふ。だいじょ~ぶでぇ~す。
あたしたちお話の世界で生きていますから、永遠に年なんてとりませ~ん。
不老不死なんで~す。

(典子)
あのぉ~、雪音ちゃん。それは禁句ってことで……
と、ところでさぁ、、雪音ちゃんのおうちって老舗の写真屋さんなんだって?
お父様って、腕はいいわけ?

(雪音)
ま、まあ一応。あれでもプロですから。

(典子)
そうなんだ……
だったら♪ だったら♪ 典子の写真、撮ってくれないかな~なんて。

(雪音)
それは……いいですけど……
まさか、その年で七五三ってことはありえないし……お見合い写真ってことは……もっとありえないし……
あっ! 雪音、閃いちゃいました♪
いざという時に備えて、遺影の撮影でしょうか? うん、それなら納得♪

(典子)
ブチッ!! なんてこと言うのよッ! 
ポカポカポカ……パッシーンッ!

(雪音)
あ~ん。なにも本気で叩かなくても。
今なら早期予約特典で、3割引きって教えてあげようと思ってたのに……痛いですぅ。
痛くて哀しいけど、雪音、がんばって広報活動だけはするですぅ。


それでは『シャッター・チャンス』 公開日予定コーナーですぅ。

 第4話  3月 2日 日曜日
 第5話  3月 5日 水曜日

公開時刻は、第4話を午後4時に、第5話を午後8時に予定しています。
出演は、もちろんヒロインであるあたし、北原雪音が務めさせていただきます。

祖父の代から続くカメラ店『北原写真館』は、長引く不況と経営感覚ゼロの後継ぎのせいで破産寸前の有り様。
そして、地下スタジオで繰り返される淫靡な撮影会。
しっかり者の雪音とダメ親父、武雄で送るコメディー官能小説。どうかお楽しみに~♪


(典子)
ふ~ん。この話ってコメディーだったの?
もっとシリアスな展開になるんだと思ってたのに……な~んかがっかりね。

(雪音)
そんなこと典子お姉さんには、関係ありませ~ん。
ところでさっきお話ですけど、いったい何の撮影ですぅ? 
う~ん。本命の遺影でないとすると……? あっ! まさかまさかまさか?!
ジュニアモデルのマネごとでもぉ?

(典子)
ピン・ポ~ン。あた~り~♪
ね、ね、私も撮ってよ♪ ちゃ~んと、ほらビキニでしょ。Tパックでしょ。
なんなら究極の秘密兵器、濃紺スクール水着も持ってきたわよ。ルンルン♪

(雪音)
う~。おばさんのスクール水着姿って、想像しただけで吐き気が……ううっ、おぞましい……

(典子)
ふふふふっ、雪音ちゃ~ん。もういちど殴られたいのかなぁ? ポキッポキッ!

(雪音)
ひぃっ、ひぇぇぇぇぇぇっっっ。でも……でも……

(典子)
でも? でもってなによ!

(雪音)
さあ、皆さんご一緒に。
『美しい人は更に美しく♪ そうでない人はそれなりに♪ それ以下だと社会の迷惑!!』
さよ~なら~

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