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ボディーチェック














 








(7)


12月 21日 金曜日 午後3時   二宮 佐緒梨



「あっ! もうこんな時間……いけない!」

壁に掛けてある時計が午後3時を指している。

わたしは、テーブルに突っ伏していた身体を起こすと、頭の重みでしびれた両手を振った。
そして、引き戸1枚で隔たれている四畳半の部屋へと慌てて向かった。

急がないとお義母さんが帰ってきちゃう。
それまでに今日の日課を片付けないと……!

ここは、ふた間しかない部屋のうち、お義母さんとわたしが寝室に使っている部屋。
わたしは、隣の6畳間を遮断するように襖を閉めると窓のカーテンも引いた。
そして、指を急かせて制服を脱いでいく。

真っ赤なスカーフを解いて紺色のブレザーの上着を頭から抜き取った。
続けて、スカートを足元に落とした。

ブラジャーとパンツだけの姿になって、部屋の隅っこに置いてある鏡台に顔を向ける。
向けながら、両手を背中に回してブラジャーを外した。
目の下でプルンプルンっておっぱいが揺れるのを確認しながら、腰のサイドに両腕を添える。
ちょっとだけ溜息を吐いて、もう一回、閉じられた襖に目をやって……
パンツをひと息に下ろしていく。
スルスルって肌を滑らせながら、輪っかみたいになった佐緒梨のパンツを足首から抜き取った。

あっという間に裸になったわたし。
まだ明るいのに……
今からシャワーを浴びるわけでも湯船に浸かるわけでもないのに……

「ふーぅ。さっさと済ませよう……」

わたしは、鏡の前で『気を付け』のポーズをとる。
背筋を正して、ぴんと伸ばした指先を腰の横に押し当てて、ひざ小僧を揃えて、ほんの少しお肉の気になる太ももを隙間なく閉じ合わせて……
佐緒梨の視線を上から下へと移動させる。

バスト78のおっぱいに、『まだまだこれからだよ』ってエールを送って、くびれたウエストと縦長の可愛いおへそに、うんうんってうなづいて、そこから10㎝下った処でストップさせる。
目を凝らしてじっと見つめる。

中学1年生の頃から生え始めた割には、ハイレグ水着でも未処理で充分なアンダーヘアー。
太ももから股の付け根を利用しての『Y』の字。
その中心を縦に走る、幼女のような肉の切れ込み。

全体をさっと見て、個別のパーツをチェックして、つぶやいた。
「うん、正面は異常なし」って……

その後も、横向きになって顔だけ鏡に向けて、後ろ向きにお尻と背中を映しながら上体を反らせて、やっぱり顔だけ鏡に向けて……
足先からお尻のお肉も背中も横顔まで、念入りにチェックするの。

両手をお尻に回して、尻たぶを持ち上げながら割れ目をしっかりひらいて、赤いお肉のやすぼまった佐緒梨の汚い穴までじっと見つめるの。

もう慣れっこだけど、慣れっこになったつもりだけど、やっぱり恥ずかしい。
佐緒梨って女の子なのに、こんなポーズを鏡の前でするなんて惨めすぎる。

でも、もっともっと点検しないと……

わたしは、鏡の前でお尻を床にひっつけると、折り曲げたひざを抱えるようにしながら左右にひらいた。
無防備に晒される佐緒梨のあそこを鏡に映し出した。

心臓が壊れそうなくらいバクバクと鳴いている。
真っ直ぐ見ているはずなのに肩が震えて、わたしの両目も手振れ防止にして欲しいくらい。

『M』の字の中心で、縦長の楕円形にぷっくり膨らんだ佐緒梨の大陰唇。
わたしの肌は雪のように真っ白なのに、そこだけはなんとなく黒ずんでいて、石鹸で擦ったって一緒。
他の女の子も気にしているのかな?
そんなの絶対に聞くわけにはいかないけど……

そして、楕円形のお肉の中心で舌先のように割れ目から飛び出している佐緒梨の小陰唇。
ここもよく点検しないと……

わたしは、両手の人差し指と中指を使って縦に走る亀裂をひらいていった。
ピンク色のヒダの中まで、その奥にある膣の入り口、ついでに盛り上がった肉の突起、クリトリスまで……

顔を背けたくなるのを我慢して、粘膜の色から形状まで全部、変化がないか観察していくの。

この身体は、佐緒梨の大切な商売道具だから……
お客様に失礼があったらいけないから……

あの日、お義母さんに命じられて始めたわたしの日課。
その日から欠かすことなく毎日自分の身体を観察している。
男の人を悦ばせるために……
満足させてお金をもらうために……

「後は、ここよね」

わたしは低くつぶやくと、人差し指と中指を口に含んだ。
舌を使って念入りに唾液をまぶすと、2本揃えて膣の中へと沈めていく。

「あああんっ、ふぅッ……んんんっ……」

背中を走るいやらしい感覚。
呼吸を調節しながら、あそこが期待しないようにそぉっと……

指を奥まで挿入したら、デリケートな壁に指の腹を押し当てる。
手前に引きながら、赤ちゃんの通り道に異常がないか? 点検する。

感じちゃだめ、佐緒梨! これはお仕事をする準備なの。
今夜もまた、お客様のおじさんにいっぱいエッチなことをされるんだから、それまで気持ちいいは我慢しないと……

狭い通り道が段々広くなって、でも入り口付近の感じるポイントをちょっとだけご褒美よって、擦ってあげて……

「ああぁぁっ、気持ちいいぃぃっ……はんんうぅぅ……」

あーぁ。エッチな声、上げちゃった。



目次へ 第8話へ





消し去りたい記憶























(6)


12月 21日 金曜日 午後1時30分   二宮 佐緒梨



駅の北西に拡がる歓楽街。
大通りに面して並ぶ、居酒屋、カラオケスナック、映画館。
でも、一歩路地に足を踏み入れれば、そこはいかがわしいお店がずらりと軒を並べる性欲の楽園だったりする。

そんな街の路地を2本ほど中に入って、枝分かれした細い路地をもう1本内に入った所に、わたしとお義母さんがふたりで暮らすアパートがある。
築30年、2階建て、部屋数8。
一応、バス、トイレ付き。
ただし、建物と一緒。かなりオンボロだけど……

因みに、お義母さんはこのオンボロアパートのオーナーだったりする。

わたしは1階の一番奥にあるドアの前に立つと、須藤多恵子(すどう たえこ) 二宮佐緒梨(にのみや さおり)という、並べて掛けられた表札にチラリと目をやった。
須藤多恵子は、わたしのお義母さんの名前。
二宮佐緒梨は、当然わたし。
でもわたしは、お義母さんの籍にも入れてもらえない。

昔、恐る恐る訊いたことがある。
どうして佐緒梨の苗字は違うの? って……

でも、そのときは鼻で笑って答えてもらえなかったけど……

「ただいま……」

鍵を差し込みドアをひらく。
返事のない部屋に上がり、わたしは肩に食い込んだ通学カバンを床に投げ出した。
そのままキッチンへ向かい、冷蔵庫からコーラを取り出すとコップに注いで一気に飲み干した。

寒くて心はもっと冷え切っているのに、身体だけが熱くて喉もカラカラに渇いて……
わたしは、もういっぱい注ぐと、また一気に飲み干した。

そうしたら、急に悲しくなってきた。空しくなってきちゃった。

「ううっ、ぅぅぅぅううぅぅぅッ、ごめん、春樹君……ごめんなさい……ぅぅぅううっ……」

コップを握り締めたまま泣いていた。
溜まっていた涙が堰を切ったように落ちていく。
空になったガラスのコップに、コーラ味の涙がひと粒ふた粒と降り注いでる。

でも、許して春樹君。
わたしは……佐緒梨は、あなたの想像しているような清純な女の子じゃないの。
あなたの恋人になる資格なんてない女なの。
だって……



佐緒梨はお父さんを知らない。
産んでくれた本当のお母さんも知らない。

気が付けば、このアパートでお義母さんと暮らしていた。
彼女を本当のお母さんだと、自分を信じ込ませて生活していた。

参観日にも運動会にも音楽の発表会にも、一度も来てくれなくて……
家では、お義母さんには絶対服従の生活を送らされて……
彼女の機嫌が悪いと、怒鳴られて、つねられて……

特にお義母さんの折檻は、痛かったし、恥ずかしかったし、惨めだった。
食事が遅いって、反抗的な目をしているって、理由はなんでもよかった。

わたしを四つん這いにさせると、スカートをめくられてパンツを下ろされた。
そして、手のひらをいっぱいに拡げてお尻を叩くの。

びしっ! びしっ! って、乾いた音が部屋中にいつまでも響いて、お尻の皮が真っ赤になるまでぶたれた。
耳を塞ぎたくなるようなお義母さんのお母さんじゃない言葉を聞きながら、床に付けた両手をグーにして耐え続けた。

モノサシでお尻を叩かれることもあった。

月に一度お義母さんの元に現れる、住田っていう怖い男の人がいる。
その男の人が帰った後の機嫌は特に悪かった。

四つん這いになって突き出したお尻を、何度も何度も、モノサシが折れるくらい力いっぱい叩かれるの。

びしっ! じゃなくて、風を切るようなビュッて音がして、パシッ! て、甲高くて乾いた音と共にお尻の皮が裂けそうな痛みが走るの。
それって、手のひらと比べ物にならないくらい痛い。
打たれた跡が火傷したように熱くてヒリヒリして、しばらくの間は、座布団の上にも座れないくらいだから。

そして、その折檻は、中学生になっても初潮が始まって大人の仲間入りしても、そんなの関係ないって感じで続いた。
終わったのは、わたしが今のお仕事を始めるようになってから。

「お前は私の娘じゃない!
私はお前の母親なんかじゃない!」って言葉、今でも耳にこびりついて離れてくれない。

お義母さん。わたしを育てるために、男の人に身体を売るお仕事をしていたからかな?
それなのに、元締めだって名乗る住田って男の人に、せっかく稼いだお金を取り上げられていたからかな?

でも、お義母さんの折檻だけならまだ良かった。
わたしは、一生に一度のかけがえのないモノまで奪われたんだから。

そう、高校の入学したその夜、わたしはバージンを失くしちゃった。
その元締めだって名乗る住田に、無理矢理レイプ同然のやり方で……

お仕事でお義母さんがいないのに……
だから、今夜は帰ってくださいって、お願いしたのに……

勝手に部屋へ上がりこんできた住田は、畳の上にわたしを押し倒すと、強引にくちびるを押し付けてきた。
舌を差し込んできて、気持ち悪い唾液を流し込まれて、羽交い絞めにされたわたしから引き裂くようにして着ている物を剥ぎ取っていく。

泣いたって、叫んだって、手足をバタつかせたって許してくれない。
血走った目玉で睨みつけると、口の中が血の香りでいっぱいになるまでほっぺたを叩かれた。
頭がクラクラして、抵抗したら殺される! って、本気で思って……

そうしたら、急に優しい顔をしながら頭を撫でられて、ニヤッて笑って……
おっぱいを揉みながら「いくぞっ!」って、小さくつぶやいて……

わたしは、獣のような声で絶叫していた。

下腹部に経験したことのない激痛がはしったから……
佐緒梨の大切な処に、硬い肉の棒が突き刺さっていたから……

わたし……乱暴されている!
佐緒梨の処女膜、破られちゃった?!

そして、その後のことはなにも覚えていないの。
きっと、ものすごく痛かったんだと思う。
きっと、ものすごく怖くて悲しくて、佐緒梨の心が粉々に砕かれそうだったんだと思う。

気が付いたら男はいなかった。
わたしはお布団に寝かされていて、横にお義母さんが座っていて、こっちを見て寂しそうに笑って……

結局わたしは、ショックで学校を休んでいた。

せっかく高校生活が始まったのに……
中学校を卒業したら働こうと考えていたわたしに、お義母さんが『高校くらい通わさないと、私が恥をかく』とか言って、受験させてくれたのに……

誰にも会いたくなくて、誰の声も聞きたくなくて、猫の足音にまで怯えながら発狂しそうになる自分を抑え込んでいた。

毎日が地獄だった。
まぶたを閉じたらあの男が襲い掛かってきて、眠るのも怖かった。

ただ救いだったのは、お義母さんが急に優しくなったこと。
ヒステリーのように怒らないし、叩かれないし、逆に励ましてくれて、早く登校するように促してくれて……

1週間経って、わたしは高校へ行くことができた。
クラスメイトの好奇な視線に晒されて、その中で春樹君だけが初対面なのに温かい眼差しで見つめてくれて……

いろんなことがあって、いろんなことを考えて……
それでもなんだか吹っ切れた気持ちになれて……

わたしは、軽い足取りでアパートへと向かった。
早く佐緒梨の明るい笑顔をお義母さんに見せたかった。

「ただいまぁ」って……

でも……「お帰り、佐緒梨」って、顔を見せたお義母さんは、なぜかな? 鬼に変身していた。

そして、その日の夜から佐緒梨の人には言えない恥ずかしいお仕事が始まっちゃった。



目次へ  第7話へ




近くて遠いイブの夜























(5)


12月 21日 金曜日 午前11時30分   野村 春樹



「……ということでだな。
明日から冬休みだからといって、あまり羽目をはずすんじゃないぞ!
始業式の翌日から、実力テストが待っているからな。
休みの間も、計画性を持って勉強するように!」

「起立! 礼!」

小うるさい担任教師が教室から出て行き、クラスの空気が一気に緩んでいく。
雑音のような歓声が教室のあちこちで沸き起こり、クラスのみんなが思い思いの行動を取り始める。

さっさとカバンに机の中の物を放り込み、帰り支度をしたり……
どうせ2週間経ったら嫌でも顔を突き合わせるのに、意味のない会話に時間を費やしたり……
午後からのクラブ活動に備えて、早速、弁当を頬張っていたり……

いつもの、それでいて終業式だけにある和やかなほのぼのとした雰囲気。

そんな中で僕は、頬杖を突いて外を眺める少女を見ていた。
まるで群れからはぐれた小鳥のように、窓際の席で寂しそうな表情を浮かべている。

「二宮さん……二宮佐緒梨(にのみや さおりさん……」

帰り支度を終えた友達が、「帰ろうぜ」と言うように僕の背中を叩いた。
それを片手を振って見送ると、定期的に彼女に視線を送りながら、ようやく僕も帰り支度を始めた。
じれったいほどゆっくりと、カバンに荷物を詰め込んでいく。
持って帰らなくてもいい物までカバンの隅に押し込みながら、彼女が席を立つのを待ち続けた。

やがて、教室の中から雑音が消えていき机のほとんどが空席に変わった頃、佐緒梨さんの姿が消えていた。
僕がちょっと目を離した隙に? 違う!
ちょっとうつらうつらしている間に、窓際の席にいた彼女が風のように消え去っていた。

「そんな……嘘だろ……?!」

気が付けば、全力で走っていた。
手ぶらで、せっかく詰め込んだカバンも持たずに、下駄箱で慌しく上履きを脱ぎ捨てると校門へと駆けて行った。

走りながら何度も自分にバカと言って、ついでに朝から何度も練習した言葉をつぶやいてみて……
グランド横の道を走りながら、陸上の練習をする1年生で美少女と噂される、東条夏稀(とうじょう なつき)にちょっとだけ浮気しかかって、首をブンブン振って……

息が切れて、寒いのに玉のような汗が額から流れ落ちて、駅前の繁華街が近づいたころ、ようやく佐緒梨さんのキラキラと輝く長い黒髪が見えてきた。
聞き慣れた『ジングルベル』の音色が、止まり掛けた僕の身体を後押ししてくれる。

「二宮さぁーん!……待ってぇ……はあ、はあ、はあ……」

狭い歩道をごった返すように歩く人影の中で、彼女の足が止まった。
僕は呼びかける声にブレーキを掛けながら、彼女の前に回りこんだ。

突然、視界を遮った黒い影に、佐緒梨さんの表情が強張っている。

「はあ、はあ、はあ……やっとぉ……追いついたぁ……」

「の、野村君? どうしたの?」

「はあ、はあ……に、二宮さんに……さ、佐緒梨さんに話したいことがあって……」

「そ、そう……でも、そこ……他の人のジャマになるから……」

彼女は、僕の腕を引っ張ると、歩道の端に設置された自動販売機の横に引き寄せた。
いつのまにかテンポのいい『ジングルベル』の曲が、スローで大人っぽい『ホワイトクリスマス』に変わっている。

「それで野村君、話って……?」

「あ、う、うん……そのぉ……」

佐緒梨さんは、足早に通り過ぎる歩行者に盛んに視線を走らせながら、僕の言葉を待っている。

美人というよりチャーミングな顔立ちで、笑顔を見せれば、ほっぺたに可愛いえくぼまで浮かぶのに……
いつも寂しそうな表情で、いつも悲しそうな眼をして……

今だってそう……
僕が緊張して頭の中が空っぽだということもあるけど……
せっかくいいムードの曲が流れても、空き缶がたくさん詰まったゴミ箱の前ということもあるけど……

ほんの少しの笑顔を佐緒梨さんが見せてくれたら……
おでこから湯気を出している僕の顔を見て笑ってくれたら……

「ごめんなさい。わたし、ちょっと急いでいるの」

そう言い残して、また彼女は僕に背中を向けた。
周囲に甘い香りを残して……
いたずらな北風に、真っ白な太ももをちらりと露出させながら……

「佐緒梨さん。あの、僕と、クリスマスイブを一緒に……」

絶対に届かない声でつぶやいて、それに……
僕、佐緒梨さんと何をしようと考えていたのかな?

ケーキ? 食事? ショッピング? それとも映画?

僕は、お小遣いをはたいて買った2枚の紙切れを握り締めていた。
小さくなった佐緒梨さん影をいつまでも追い掛けていた。



       12月 21日 金曜日 午後0時30分   二宮 佐緒梨


わたしは、足早に移動する人の流れを縫うようにして歩いていた。

うつむき加減に斜め前を見つめて、向かってくる靴の群れを避けながら、それでも肩に掛けたカバンが人とぶつかって、そのたびに小さな声で「ごめんなさい」を繰り返している。

佐緒梨って、ずるい女。
こんな簡単に「ごめんなさい」を口にしながら、せっかく追い掛けてきた野村君にも同じトーンで「ごめんなさい」なんだから。

息を切らせて、寒いのに汗びっしよりになって、右手には何かのチケットを握り締めて……
『クリスマスイブは、僕と一緒に楽しく過ごそう』……ね。そう言いたかったんだよね。

知ってたんだから。
言葉にならなくても、野村君……ううん、春樹(はるき)君の想いは、全部佐緒梨に伝わっていたんだよ。

うれしかった。
ホントにうれしかった。

わたし歩道の真ん中で、あなたに抱きつこうと思ったくらいだから。

でも……でもね……
あなたは、わたしのことを知らない。
佐緒梨って女の子が、どういう生活をしてどういう人間なのか知らないの。
知らなくていいの。知って欲しくないの。

ふふっ。高校に入学してから今日まで本当にありがとう。
そして、春樹君……バイバイ♪♪
素敵な彼女を見つけてね。

わたしは、普段より重たい通学カバンを肩に掛け直すと、華やかなクリスマスソングから逃れるようにして歩き始めた。



目次へ 第6話へ




サリーです 『聖なる日の贈り物』 公開日のお知らせです♪♪

メリー・クリスマス♪♪ ☆☆

『聖なる日の贈り物』に出演している佐緒梨でぇ~す。

(有里)
ぐふふふふっ……むか~し昔、『少女涙の羞恥生活』でヒロインだった有里でぇ~す。
聖なる日だから復活したでぇ~す。

(佐緒梨)
あらら?! ジャマだからおトイレに閉じ込めておいたのに……
ついでに、グルグルに縛り付けて、あそこにバイブを突っ込んで猿轡までしてたのに……
ふふふっ、やるわね。
さすがは、本家のヒロイン。

(有里)
なぁーに、あごの下に手をおいて格好つけているのよ!
わたし、あんな玩具に3回もイッちゃったんだから。
おかげで、お母さんが予約してくれたクリスマスケーキを食べ損なっちゃったじゃない!
どうしてくれるのよ!
クリスマスはね、ケーキ記念日なの。
ま~るいケーキにかぶりつく日なの。
だから、サリー!
魔法でもなんでも掛けて、ケーキを呼び出しなさいよ!
わたしが、全部食べ尽くしてあげるからさぁ。

(佐緒梨)
……ううっ、有里さんの目が三角になってるぅ。怖いですぅ。
サリー、ビビっちゃってぇ、魔法の呪文忘れちゃいましたぁ。えへ♪♪

(有里)
キィィィィィィッッッ!!
全然、可愛くない魔女っ娘ねぇッ!
もう、いいッ! わたしが買ってくる!!
そのかわり、誰にも、食べさせてあげないんだから!
ひとりだけで、デコレーションケーキを丸かじりしてやるんだから!

(佐緒梨)
ううぅっ……有里さんって、案外子供ですぅ。お子様ですぅっ……
だから、あんな副島みたいな男に、エッチなことされて……
佐緒梨、『少女涙の羞恥生活』をこっそり読んじゃいましたぁ。
有里さんって……ふふふっ……

(有里)
あわわわわわ!!
言うなぁッ! サリー、絶対に話しちゃダメェッ!

……と、いうことで、不本意ながら、新作小説『聖なる日の贈り物』公開予定日コーナーにうつりますね。

第5話  12月25日 水曜日
第6話  12月28日 土曜日
第7話  12月31日 火曜日

時刻は、それぞれ午後8時を予定しています。
出演は、またまた不本意ながら、サリーこと、二宮佐緒梨になってま~す……? って、あら?!

第5話の主人公、野村春樹って……男の人じゃない。

誰? 誰誰誰だれだれだれだれ……???
サリーのボーイフレンド? 彼氏? まさか、まさかあなたの調教師様とか……?♪

(佐緒梨)
か、か、か、関係ないでしょっ。
それよりも、ひど~い! 佐緒梨のコーナーを勝手に乗っ取ったりしないでよね。
ぷんぷん!

(有里)
まあ、そんな細かいことは忘れましょ。
で、そんなことより、サリー。
せっかくのクリスマスだから、やっぱりふたりで、ケーキを食べようか?

(佐緒梨)
えっ! ここにあるの?

(有里)
今、作者さんのとっきーさっきーから宅配が届いて……
ごそっ、ごそっ、ごそっ……

(佐緒梨)
あっ! クリスマスケーキだぁ。
それも、特大バタークリームの……

(有里)
うん……懐かしいね。まだ、売ってるんだ。
バターケーキ……
でも、このケーキ、佐緒梨に譲ってあげる。
わたし……胃薬持ってきてないし……
ぐふふふふっ……

(佐緒梨)
ちょ、ちょっとぉっ! 
誰よ、丸かじりするって宣言した人は……
わたしも、それって苦手なのぉ。
いやぁぁぁぁっ……

(有里)(佐緒梨)
……て、無駄に紙面だけ使いましたが、みなさぁ~ん。

楽しいクリスマスを……


メリー・クリスマス♪♪ ☆☆

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真っ赤な砂時計 その4























(4)


12月 18日 火曜日 午後8時30分   二宮 佐緒梨



時が止まった真っ赤な砂が、佐緒梨の恥辱の時間が終了したことを告げた。

でも、延長だって出来る。
おじさんの気持ちと財布しだいで、真っ赤な砂が時を刻むなんて自由自在。
そしてわたしも……

あんなに辛かったのに……
スローモーションのような砂時計を睨み続けたのに……
なぜなの? どうしてなのよ?

わたしは、はしたない喘ぎ声に混ぜて延長を促そうとした。

「はぁぁ、はあぁ、お客……っ!」

でも、それ以上、言葉が続かなかった。
続けたかったけど、もっともっと気持ちいい快感に浸りたいのに……

身体中が切ないモノに包まれて、心が白く染まる一歩手前で、わたしはけじめのように首を振った。
そして……

「ああぁぁ、はぁぁぁぁっ、サリー……イクぅっ! イッちゃうぅぅぅぅぅっっ!!」

大きな声で絶叫した。
お尻を激しく振って、太ももでおじ様を包みながら、下半身をビクンビクンって痙攣させた。

両手がブラジャーを押し上げて、乳首をつまもうとするのに……
まだまだ、佐緒梨の割れ目をおじさんのくちびるに押し付けたいのに……

わたしはイッちゃった。
そう、おじさんの舌で10分ちょうどで恥ずかしくイッたの。
淫らな佐緒梨が、名残惜しそうに指をくわえているのを横目で見ながら……

「はあ、はあ……サリーちゃん、イッたんだね。
おじさんの舌で昇ってくれたんだね」

顔中汗まみれにしたおじさんが、スカートの中から顔を覗かせた。
鼻からあごまで、唾液なの? 鼻水なの? やっぱり佐緒梨のエッチなお汁? みたいなものでべっとりと汚したまま、それでも火照ったわたしの顔を見てにっこりと微笑んだ。

「はあ、はあ、おじ様。
サリー、恥ずかしいけどイッちゃった。
だって、おじ様の舌、今までのお客様の中で一番上手だったよ。
ありがとうね、こんなにエッチなサリーを感じさせてくれて……」

「そ、そう。サリーちゃんがそう言ってくれるんだったら……はぁ、はははははっ……
おじさん。なんだか元気が沸いてきたよ。
今夜は、ありがとう。サリーちゃん」

「こ、こちらこそ。
あっ、ええーっと、お客様。今宵は『マッチ売りの少女の部屋』をご利用くださいまして、誠にありがとうございます。
気が向きましたら、またのご来店をお待ちしております♪♪」

わたしは、営業用の笑顔を作ると深々とお辞儀した。
そして、心の中でつぶやいていた。

おじさん、これからも奥様とは仲良くしてね。
佐緒梨のことは忘れて、今夜は夫婦の営みでもがんばってみたらって……


「はあーっ……サリーちゃん……か」

閉じられたドアを見つめながら、つい溜息が漏れちゃう。

因みに、サリーというのは、お義母さんが商売用につけてくれた名前。
このお仕事を始めたその日に、本名の佐緒梨じゃまずいね。とか言って、たった1分悩んで出来上がっちゃった。

サオリからオだけ抜いて、『サリー』だよって。
昔のアニメのキャラクターみたいで可愛いじゃない。
せいぜいお客様に魔法でも掛けて、お札を吸い上げておくれって……

わたしは別に魔法使いになんかなりたくないけれど、あの人にサリーって呼ばれた瞬間、自分にだけ魔法を掛けるの。
どんな恥ずかしい行為でも、自然にできちゃう淫乱サリーに変身する魔法を……

だけど、こういう中途半端なのって結構辛いのよね。

佐緒梨の指が火照ったお肉を慰めようとして、スカートの裾をスルスルとめくり始めている。
オナニーして、浮ついた気分を落ち着けようとして……

でも……
遠くから階段を昇る足音が聞こえた。
コツコツとハイヒールの軽い音と、コツンコツンと低い皮靴の音。

わたしは、慌ててウエットティッシュを引き抜くと、汚れたあそこをゴシゴシと痛めつけるように擦った。
新しいお客様に備えて、優しいおじ様の面影を消し去るように……
新しいお客様に、またリセットした佐緒梨でお仕事したくて……

そして、ドアがひらくと同時に、弾かれたように部屋の真ん中へ進み出た。

「いらっしゃいませ♪♪」

あっ! 涙のあとを拭うの忘れてた?!



目次へ  第5話へ





真っ赤な砂時計 その3























(3)


12月 18日 火曜日 午後8時25分   二宮 佐緒梨



ちゅぷっ、ちゅぱっ……れろ、れろ、れろ……

「はぐぅ、はんむっ。
サリーちゃんのお肉って、柔らかいんだね。
とっても、おいしいよ……」

「い、いやぁん。だ、だめぇ……
おじ様の舌、気持ちいいぃ……サリー、気持ちいいのぉ」

わたしの要求どおり、おじさんのくちびるが佐緒梨の大切な処に吸い付いてきた。
ズボンの前を風船のように膨らませながら、佐緒梨の股の間に顔を埋めている。

赤ちゃんがおっぱいを飲むように……
でもそこは、女の子の性器なのに……

窒息しそうなくらい顔を股間に押し付けて……
いっぱいに伸ばした舌で……
佐緒梨の割れ目を、佐緒梨の敏感なヒダヒダを、そして膣の入り口まで……

顔を上下に振りながら必死で舐め続けている。
わたしを感じさせようとして、わたしにエッチな声を上げさせようとして……

「そ、そう。おじ様上手。
舌先が硬く尖って……あふぅ、はああぁぁっ! 入ってくるぅ……!」

わたしは、腰をブルブルって震わせた。
お世辞じゃない。
本当に感じ始めて、あそこが疼き始めて、それを佐緒梨も望んで……

足を大きくひらいたまま、お腹に押し付けていた両手をおじ様の肩に添えた。
スカート越しに両肩を掴んで、佐緒梨が転がらないようにこっそり支柱に利用しちゃった。

でも、おじさんはそんなこと気にしないって感じで、舌を動かし続けている。
小陰唇の隅々まで丁寧に舌を這わせて、おしっこの穴まで、そこは汚いのに舌先をクルクル回転させながら舐めまわしている。

「はあ、はぐぅ。サリーちゃんのおま○こ、なんて可愛いんだろう。
それに、お肉が瑞々しくておいしい。
若いってのは、いいよね。
あいつの干からびたおま○ことは、大違いだ」

「ひいぃっ、ああぁぁっ! サリー、うれしい♪♪
ううっ、うれしいけど……とても嬉しいけれど……ひゃああぁんんっ!」

身体の芯をビリビリと電気が駆け抜けていく。
腰だけじゃない。背中も肩も震えて、わたしの続きの言葉を封じ込められちゃった。

おじさんの舌が、感じるお豆に舌を伸ばしている。
佐緒梨のクリトリスをチロチロと舐めては、膣の中から熱いお汁を湧き出させていく。

「ここが、気持ちいいんだろ?
サリーも、この突起が感じちゃうんだろ?
ふふふっ。ほうら、濡れてきた。
サリーの割れ目から、おいしい蜜が溢れてきた」

「ううっ、うん……お、おじ様。すごい!
んん……んんんんっ、ク、クリトリスぅ、感じるぅ、感じちゃうのぉっ!」

背中が勝手に仰け反っちゃった。
背中だけじゃない。わたしはおじ様の肩に体重を乗せたまま、あごを突き出して全身を弓なりに反らせていた。

おじさんの奥様、ごめんなさい。
佐緒梨の大事な処でおじさんを夢中にさせて、本当にごめんなさい。

でも、許して。
これが佐緒梨のお仕事なの。
こうしてお客様を悦ばせて、ついでにわたしも気持ちよくさせてもらう、はしたないお仕事なの。
バカにされて蔑まれて、白い目で見られて……
そうよ。人として最低のお仕事をしながら生きているの。

ちゅぷっ、ちゅぷっ、ちゅぷっ……ねろっ、ねろっ、ねろっ……

「あはぁぁ、ふぅぅっ、もっとぉ、もっとぉナメテぇ……
ああぁっ、さ、サリーのエッチなお汁、吸い出してぇ……おじ様ぁ、おじさまぁぁっ!!」

熱く火照った割れ目に、深く深く舌が侵入してくる。
壁を溢れそうになる恥ずかしいお汁を、おじ様が喉を鳴らして飲み込んでいる。

両腕がわたしを支える振りをしながら、太ももの後ろを這い登っていく。
ごつごつとした分厚い手のひらが、むき出しのお尻を撫でまわしている。

「はんむぅ、むぐぅ。気持ちいいかい?
おじさんの舌で、イッちゃいそうかい?
はあ、はぁ……でも、なんてサリーちゃんは可愛いんだ。
ひと目見た時から、おじさん、サリーちゃんのことが……」

「さ、サリーも……くふぅぅぅっ、うれしいぃぃ。
こんな優しいおじ様が、お客様で……サリーよかったぁ……はあっ、ふあっ!」

頭の中が半分くらい白く染まっていてる。
おじさんの口元を追いかけるように、わたしももっと刺激が欲しくて、盛んにあそこをずらしている。

ホントは『指でイチャイチャ』は別料金なんだけど、佐緒梨の辛い気持ちを和らげてくれたからサービスしちゃう。
お義母さんには、内緒にしてあげる。

「はあぁ、はぁぁぁっ……いい。おじ様、いいのぉっ!」

おじさんが息を切らせながら、舌の動きを加速させた。
鼻の頭まで割れ目に沈み込ませて、デリケートな膣の中まで舐め始めている。

わたしは、何度も腰を落としそうになりながら、そっと砂時計に目をやった。
最後のひと摘みの砂が、くびれたガラス管をさっと流れ落ちていく。

時間だ……



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真っ赤な砂時計 その2























(2)


12月 18日 火曜日 午後8時20分   二宮 佐緒梨



擦り傷が目に付くフローリングの上で、真っ赤な砂がサラサラと落ちていく。

でも、お仕事はまだ始まったばかり。
まだ、円柱のガラスの底が赤く染まっているだけ。

「はあ、はあ、はあ……
スカートの中って、息苦しいくらいむっとしているんだね。
メガネが曇っちゃいそうだよ。
でも……?!
すぅーっ……はぁーっ……すぅーっ……はぁーっ……
はあぁー……いい匂いだ。
これが、サリーちゃんの、女の子の香りなんだ……」

「だめ。そんなに鼻を鳴らさないでください。
サリー、恥ずかしいです。
……それよりも、お客様。
み、見えますか? わたしのあそこ……
サリーね。お客様のために、パ、パンティーを穿いていないんですよ」

足元から聞こえてくる、くぐもった声と喉を震わせたような呼吸の音。
鼻に抜けたような上ずった声をあげながら、床の上であぐらを掻いたおじさんが、上半身だけをロングスカートの中にすっぽりと隠している。

わたしは、部屋の真ん中でおなかに力を入れて立ち続けていた。
まるで土俵に上がったお相撲さんのように、両足を大きくひらいて腰を落として、次第に荒くなっていく呼吸をなだめるように、両手をおへその上にあてがっている。

いつのまにか、顔からお仕事用の笑顔が消えちゃった。
代わりにあるのは、眉間に深い縦じわを刻んでギュッと口を真一文字に結んだ、サリーじゃない佐緒梨の本心。

でも大丈夫。
誰も見ていないから。
お義母さんだって、お客様のおじさんだって……

「ああ、見える!
サリーちゃんの割れ目が、ライトの明かりで……よぉーく見えているよ。
サリーちゃんのおま○こが、丸見えだ」

「……うぅっ、ど、どうですか?
サリーのあそこ、きれいですか?」

「ああ、きれいだよ。
まるで、男を知らない処女のおま○このようだ。
はあ、はあ……ふふっ。でもこうして見ると、ライトの加減かな?
サリーちゃんの割れ目のスリット、かなり深く切れ込んでいるんだね。
それに、ほら……大股びらきしているから、赤いお肉が中まで覗いちゃってるよ。
くふふっ、女子高生なのに、ここだけはもう大人なんだね」

「い、いやぁん。そんな言い方……
サリー、恥ずかしい……」

無数に折りたたまれたギャザーが、いっぱいにまで引き伸ばされて、下腹部が妊婦さんのように膨らんでいる。
厚手の生地で作られたスカートの表面が、まるで別の生き物のようにもぞもぞと動いている。

わたしは天井を見上げた。
零れ落ちそうになる涙をまぶたの縁に押しとどめようとした。

褒めてはけなすおじさんの言葉に、佐緒梨の女の子が泣いて……
こんな言葉くらい慣れないと、お義母さんに折檻されるのに、やっぱり悲しくて……

この部屋へ入って来た時って、わたしを見て持っていたカバンを落としそうになっていたのに……
わたしとふたりきりになった時だって、生唾を飲み込んで緊張をごまかそうとしてたのに……

なのに……なぜ?
なぜ男の人って、こんなにエッチな人に変身できちゃうの?
なぜ女の子を恥ずかしがらせて、興奮しちゃうの?

「はあ、はあ。こんなにそそられるプレイがあったなんて……
ほら、じっとして! 動かないで!
おじさんが、サリーちゃんのおま○こを、もっともっと観察してあげるからね。
ふふふ、大丈夫。おじさんに任せておきなさい」

「で、でもぉ。
うっぅぅっ、気持ち悪……ううん、く、くすぐったいよぉ」

中に潜り込んでいる頭が動くたびに、おへそにあてた手首をお互いに強く握り締めあわせた。
おじさんの興奮した熱い息が、ショーツを穿かせてもらえない佐緒梨のあそこに吹きかけられるたびに、血が滲むくらいくちびるを噛み締めていた。

恥ずかしいよ!
こんなの嫌! 絶対にイヤ!
パンツを穿いていない大切な処を下から覗かれて、ふーってされて、くすぐったいなんて……
本心じゃない可愛らしい声で、おじさんを騙しているなんて……

「さあ、今度は、クリちゃんはどこかな?
女子高生の感じるお豆ちゃんは、もっと上かな?」

「あ、あぁっ、恥ずかしい。
サリーのクリトリス、見ないでぇ。見ないでよぉ」

でもわたしは、甘い声を真顔でささやいていた。
顔をしかめたまま、おじさんが悦ぶエッチが好きな女の子をくちびるだけで演じていた。

演じながら、天井にあった視線を床に落としてみる。
うごめくスカートから目を逸らすようにして、砂時計を見つめた。

案の定、後悔した。

おじさんにとって、あっという間の5分。
サリーにとって、地獄の5分。

そして、いよいよ後半戦。
わたしは、マニュアルどおりにささやいた。

「おじ様に覗かれっぱなしで、サリーのあそこ、変な気分になってきちゃった。
だからお願い。
舐め舐めしてぇ♪♪
サリーの恥ずかしい割れ目に舌を差し込んで、気持ちよくしてぇ♪♪」

でも、ほんのちょっと本気だったりして……



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真っ赤な砂時計 その1























(1)


12月 18日 火曜日 午後8時   二宮 佐緒梨



わたしは何もない部屋の壁に寄り掛かっていた。
本当に何もない部屋……

机もベッドも椅子さえもない。
窓はあるけれど、開けたって汚れたビルの背中が見えるだけ……

それに今は夜だから、外は真っ暗だし……
今は冬だから、凍えそうな冷たい空気が入ってきちゃうし……

ええっと……そうだ、忘れてた。
この部屋、エアコンがあったんだ。
さっきから、ゴーって音を立てて、部屋を暖めてくれている。

だからわたし、こんな中途半端な服装でも寒くないんだ。
下半身は、足首まで隠してくれるロングスカートを履いているのに、上半身は猫のキャラクターがいっぱいプリントされたブラジャーだけ。
可愛いおへそも丸見え。

でも、別にお風呂上がりって訳じゃないよ。
これが、佐緒梨(さおり)の衣装なの。
毎晩、お客様をお迎えする衣装だから、これって佐緒梨の仕事着ってとこかな?

あっ! 階段を昇る足音が近づいて来る。
コツコツとハイヒールの軽い音が、たぶんお義母さん。
それと、コツンコツンと低い皮靴の音が、たぶんお客さんだと思う。

やがて、ドアノブにカチャリと鍵が差し込まれる。
塗装が剥げかかったみすぼらしいドアが、油の切れた音を残しながらひらいていく。

「い、いらっしゃいませ♪♪」

わたしは、弾かれたように部屋の真ん中に立つと、強張りかけた顔の筋肉をメッ! って叱って、急いで笑顔を作る。
そして、両手を前に添えて腰を90度折り曲げた。

「えっ! い、いや……あの……
まさか、本物の女子高生なの?
それも、こんなに、可愛い……」

「だから言ったでしょうぉ? お客様。
うちは看板に偽りなしだってぇ……
ねぇ、サリー。そうでしょう?」

お義母さんが、お客様の肩を撫でながら訊いてきた。

「は、はい。お客様。
サリーは、学校から帰った後、宿題を済ませてお客様が来られるのを、ずっと待っていました♪♪
わたしを……ううん、サリーの女の子を見てもらいたくて……」

「ね、わかったぁ? お客様。
それで、今夜はどうされますぅ?
ノーマルプランだと、10分で5千円ね。
ただし、これだと覗くだけよぉ。
あと、オプションとして、舌で舐め舐めが3千円。
指でイチャイチャも3千円。
玩具……えーっと、ローターは3千円で、バイブだと5千円。
延長料金は、3分3千円ね」

お客様の耳元に顔を寄せて、お義母さんが囁いている。
いつもの商売用の甘ったるい声で……

わたしは、その間、さりげなくお客様をチェックしていた。
黒縁のメガネを掛けた、ちょっと気の弱そうなおじ様。
でも、初めて見る顔。
年令は……たぶん40才くらい。
会社帰りのサラリーマンさんかな?
紺色のネクタイをして、上下とも茶色のスーツでまとめて、その上、黒い皮のカバンまでぶら下げて……
奥さんとかいないのかな?
子供さんは……?
真っ直ぐ帰らないでいいのかな?
待っている人は、誰もいないのかな? 誰も心配していないのかな?

「えっ、ええとぉ……の、ノーマルに、あ、あとオプションの……その……舐めるのを付けてでお願いします」

「はい。ノーマルプランに舐め舐めをセットね。
それじゃあ、8千円いただくわ」

わたしのチェックは、ふたりの会話にかき消されていた。
ブランド柄の財布から抜き取られた5千円札1枚と千円札3枚が、派手なネイルアートの指に絡め取られている。

「あと、プレイ中でも追加は、OKだから。
そのときはいつでも、そこの壁にあるボタンを押してね。
まあ、わからないことがあったら、その子に聞いてちょうだい。
それじゃあ、サリー。お客様に失礼のないようにね」

お義母さんは、おじ様からもらったお金を、そのままスカートのポケットに突っ込むと、さっさと部屋を出て行った。
きっとまた、次のお客様を探しに行ったんだ。

そう思うと、佐緒梨の胸にちょっとだけズキンッって痛みが走った。
別に今日が初めてでもないのに……
佐緒梨は、もう女の子を捨てさせられたのに……

だから絶対に、この笑顔の表情を崩したりしない。

「お客様。本日は、『マッチ売りの少女の部屋』へお越しいただき誠にありがとうございます。
限られた時間ではありますが、わたしサリーが出来る限りサービスしますので、お客様も心ゆくまでご堪能くださいね♪♪」

わたしは、くちびるが覚えてしまったセリフを当たり前のようにつぶやくと、お客様を見つめた。
そして、真っ赤な砂の入った砂時計を、逆さにして床の上に置く。

「では、お客様。この砂が落ちきるまで、サリーの女の子と仲良くしてくださいね」

「あ、ああ」

わたしは、戸惑うお客様の右手に銀色のペンライトをそっと握らせ、両足を大きくひらいた。
そのまま、スカートの前裾を軽く持ち上げて促した。

「お客様、どうぞ。
サリーのスカートの中で、愉しいひと時を……♪♪」



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新作 『聖なる日の贈り物』 公開日のお知らせです♪♪

皆様、ご機嫌いかがでしょうか?
小説『見果てぬ夢』でヒロインをさせてもらっている典子です。

(佐緒梨)
佐緒梨でぇ~す♪♪
お仕事しているときは、サリーでぇ~す♪♪

(典子)
えっ?! あなた誰よ?
有里はどうしたの? (別に顔は見たくないけど……)

(佐緒梨)
ああ、ぶつぶつ呟きながら廊下を歩いてた子ね。
大きなリュックサック背負って、「今日こそ典子お姉さんを天国に連れてってあげる。ぐふふふふっ」って……
あんまり、妖しそうだったから、わたしが天国へ送っちゃいました。

(典子)
真坂……マサカ……まさか……?!!!
ころ☆ちゃったの?!

(佐緒梨)
ええ、そんなところです。うふふ♪♪
……ということで、典子お姉さま。サリーの方から重大発表しても構いませんよね?

(典子)
ゴクッ……どうぞどうぞ。おほほほほっ……
(可愛い顔して、コワ~イ)

(佐緒梨)
では、遠慮なく。
えぇ~実は、小説『見果てぬ夢』は、第16話を持ちまして、一時中断とさせていただきま~す。
そして次回からは、このわたし、二宮佐緒梨がヒロインの『聖なる日の贈り物』を公開させていただきます。
ムチムチエロエロの典子お姉さまのファンだった皆様。あしからずです。
今日からは、お肌ピチピチの青い果実、サリーを応援してくださいね♪♪
うっふん♪♪

(典子)
な、なによ! それ!
とっきーぃっ、私、何も聞いていないわよッ!!
一時中断って、どういうことよぉッ!

(佐緒梨)
まぁまあまあ……落ち着いて……
典子お姉さま、12月の重大行事って、なんだか知ってます?

(典子)
もちろん知ってるわよ。
大掃除、年賀状の準備、お餅つき。
それにお節を作って、つまみ食いして、除夜の鐘。
ああそうだ、赤穂浪士の討ち入りってのもあったよね。うんうん。

(佐緒梨)
……典子お姉さま、わざと知らん振りしてません?
……ま、まあ、いいことにして。
クリスマスですよ。
今や国民的一大行事と言えば、聖なる日クリスマスでぇ~す。

(典子)
ああ、ケーキ食べる日ね。
私のところ、パン屋だから関係ないのよね。
どう? あんぱんにローソクでも立ててみる? なんなら、クリームパンにもカレーパンにも……
意外と雰囲気が出たりして……ひひひひっ。

(佐緒梨)
も、もういいです。
しゃべらなくて結構ですから!

ということで、突然の重大発表に皆様も驚かれていることとは思いますが、ここで、新作小説『聖なる日の贈り物』公開予定日コーナーにうつりますね。

第1話  12月13日 金曜日
第2話  12月16日 月曜日
第3話  12月19日 木曜日
第4話  12月22日 日曜日

時刻は、それぞれ午後8時を予定しています。
出演は、もちろんヒロインであるサリーこと、二宮佐緒梨が務めさせていただきます。

クリスマスが近づいたある日。
今夜も美少女佐緒梨は、継母に命じられるまま、『マッチ売りの少女の部屋』と呼ばれる所で、恥ずかしいお仕事をさせられていた。
男たちの性欲を満たす歓楽街の片隅で始まる心温まるラブストーリー。

どうぞ、ご期待くださいませ♪♪

(典子)
ふんふんふんっ。なーにがラブすとーりーよッ!
どうせ、とっきーが作ったお話でしょ。
エロエロ小説に決まっているじゃない。
ところで、その歓楽街って、私が住んでいる所の近くでしょ。
だったら、私も出演できるとか?

(佐緒梨)
ご、こめんなさぁーい。
とっきーさんも、そんなこと考えていたみたいだけど、キャラクターを増やしたくないってことで没になっちゃいました。
もし出演したければ、もう少し演技力を磨いてくださいってことで……
せめて、『大根』から『かぶら』くらいに……うふふふふっ。

(典子)
うふふふふって……意味がわからないけど……
とっきーぃっ、クリスマスはふたりで、ローソクプレイでも楽しみましょう。
待っているわよぉ。いひひひひひっ。

※ 尚、『見果てぬ夢』は、来年1月下旬頃から再開する予定ですので、どうかご了承ください。(作者より)

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聖なる日の贈り物  登場人物 紹介





















【登場人物 紹介】


  二宮 佐緒梨

本作品のヒロインで、長い黒髪と白い肌を持つ美少女。 非処女
継母と共に歓楽街に近いアパートで暮らしながら、毎晩、『マッチ売りの少女の部屋』と呼ばれる所で、その継母に命じられるまま、恥辱に満ちた行為させられている。
客である男たちの前では、本名の佐緒梨ではなく、サリーと名乗っている。



  野村 春樹

佐緒梨のクラスの同級生で、高校に入学以来の顔なじみ。
その時から、彼女に対して強い思いを寄せていたが、少々気が弱く、未だに口に出せないでいる。
だが、クリスマス直前の終業式の日。ある一大決心をする。



  須藤 多恵子

ヒロイン二宮佐緒梨の育ての母親。
冷酷で金に対する執着心が強く、娘である佐緒梨を幼い頃から虐待し続けている。
尚、親子でありながら苗字が違うのは、未だ彼女が娘の佐緒梨を籍に入れていないため。



  住田

この歓楽街を仕切るヤクザ者のひとりで、佐緒梨の母親多恵子の元へ、月に一度金をせびりにやってくる寄生虫のような男。



  副島 徹也

白いスーツに身を包んだ、長身痩躯な男。
イブの夜、彷徨う春樹の前に運命の道標のように姿を現す。
『少女涙の羞恥生活』からの友情出演?



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伸ばした両手 届かない夢 その3















 

                  




(16)


(回想)  3月 21日 金曜日 午後11時   岡本 典子



私と河添は、窓のない奥まった席を選ぶと、向かい合って座った。
午後11時を過ぎた店内は、ファミレスの名前にそぐわないほど閑散として、場違いな大人の雰囲気を醸し出している。

ウエイトレスが注文を訊き、ふたりの前に真っ白なコーヒーカップがセットされる。
それでも沈黙が流れていく。

やがて、コーヒーに浮かぶミルクの模様を眺めるようにして、河添の方から口をひらいた。

「8年……か。早いものだな。俺たち……」

「……ええ」

「典子は……いや、俺の方から話すのが礼儀だな」

河添は、くちびるの端に昔と同じ笑みを浮かべて、私と別れてからの8年を話し始めた。

彼らしくない。
緊張しているのか、その口振りは、一言一言噛み締めるように重たかった。

でも、次第にその口調は歯切れがよくなり、身ぶり手ぶりを交えて、まるで高校時代の彼のように語りだしていた。

黒くて丸い両目に、野心の光が見え隠れし始める。
同時に私の両目から、淡い恋心に浸る初心な17才の典子が、かき消されていく。

河添の口から飛び出す、『時田』って言葉に、心が震えた。
思わず立ち上がろうとする両足を、必死で押さえ続けていた。

これは偶然なの?
それとも、これも神様の悪戯? 運命の悪戯?
ひどすぎる。こんな再会って、酷すぎるよ。

途中で、勘のいい彼も、私の異変に気が付いたみたい。
話が一段落したところで、『今度は典子の8年を聞きたい』って、私の話を聞く側にさっと立場を変えた。

河添は、冷めたコーヒーを口に含みながら、私のくちびるが動くのをじっと待っている。
昔の彼女がどんな生活をしているのか、興味津津な顔で……

私は彼が去った後の8年を、なにも隠さずに、生まれたままの典子を見せるように全部話した。

愛する夫を亡くしたことも……
私たちの地域を、河添が勤める時田金融の再開発から阻止しようと、運動していることも……
それに、博幸が残してくれたお店を手放したくなくて、死に物狂いで働いていることも……

一気にまくし立てるように話してた。
言葉の端々に棘がでたまま、お腹から湧き上がるどうしようもない怒りを、目の前にいる河添にぶつけたくて、多少声のトーンが上がるのも気にせずにしゃべり続けていた。

そして、全て話し終えて、ずるいけど……
女の涙って卑怯だけど……

泣いていた。
昔の彼の前で泣いちゃった。

そんな昔話を、河添は目をつぶったまま聞いていた。

感情に任せて話す私に配慮して?
実は、私の怒りの混ざった声を、子守唄に居眠りしてたとか?

ううん、そのどっちでもなかったみたい。

気持ちを落ち着かせようとコーヒーカップを手にした私に、河添が視線を送っている。
野生の獣のように爛々と輝かせた目。
欲しいモノ、手に入れたいモノがあるときにする、昔と変わらない彼の瞳。

「典子、俺と組まないか?」

「な、なによ突然……?!」

「さっき話しただろう? 昇進という名の下の、俺に対する左遷を……」

「え、ええ……」

私は、曖昧にうなづいていた。
そう、この男の瞳に……それに、最初に語った意味不明な誘い言葉を察しかねて……
そして、時田という言葉で頭の半分が怒りで包まれながら聞いた、河添の話の内容。

「俺は……典子、お前の全てを利用して、もう一度表舞台へ返り咲いてやる。
いや……それだけでは気が済まない。
どんな手を使ってでも出世して、俺をつぶそうとした連中を、今度はこの俺が叩きつぶしてやる。
なあ、典子。そのためには、お前の協力が必要なんだ。
お前の身体も! 心も! なにもかもを! この俺に預けてくれ!
全てがうまくいった暁には……」

「あ、暁には……?」

聞き返していた。
こんな恐ろしくて、屈辱で、それでいて夢物語みたいな話。
無視して自分のコーヒー代だけ支払って立ち去ればいいのに……

私は、金縛りにあったみたいに椅子に座り続けていた。
おまけに、興味ありますって顔で、聞き返したりして……

「典子の希望を全部叶えてやる。
お前が愛するあの地区も、お前の大切な店も……
全部、この俺が守ってやる。
だから、俺と組んでくれ。典子!」

この人なら、あるいは……
私は、河添の野生児にも似た貪欲な瞳に、河添の言う全部を賭けてみたくなっていた。

99%正しい現実と戦って、負け続けて、最後の残り1%に典子の夢の全てを……
そのためなら、私……私の身体なんて……
こんな儚い夢に付き合える安っぽい心なんて……

私は、大きく深くゆっくりとうなづいていた。
典子を見る男も、満足そうにうなづいた。

でも不思議。なにも感じない。
なにも怖くないし、なにも恥ずかしいと思わない。
当然、後悔もしていない。

だって、私はそれどころではなかったから……

心を覆うスクリーンを破ろうとする博幸を説得するのに、精いっぱいだったから……


「ふーぅ。私のお話は、これでおしまい」

あら、あなた偉いわね。まだ、起きてるじゃない。
押しピンひとつで済むなんて、なかなか感心感心。

ところで、あなたが焼いたパン、結局何個売れたのよ?

えっ? 100個焼いて、2個?! ……たったそれだけ……?
いったい、どんなパンを作ったのよ。

……なになに? 冷蔵庫に入れ忘れたマグロとイカの刺身を、パン生地に包んで焼いたって……?
中を割ってみると、糸を引いててジューシーで、吐き気がするほど美味って……

……やっぱりあなたって、表現おかしいし、味覚おかしいし……
それ以前に、なんてことするのよ!
『ベーカリー岡本』の名に傷が付いちゃったじゃない!

それで、あなたの作ったゲテモノパンを買った、物好きなお客さんって……?

えっ? ふたり連れの男の人……?
背が高くてハスキー声の人と、もっと身体が大きくて、首からビデオカメラをぶら下げてた無表情な人?
胸に大きな名札をひっつけていて、副島・横沢って……?

ふーん、名札まで持参って……
これは、本家シナリオの越境攻撃では?……って、典子、今変なこと考えて……ううん、ないない。

……ということで、この辺りでは見掛けない人たちね。
……で、どうなったの? その人たち?

その場で完食して、感動のあまり口から泡を噴きながら倒れ込んで、究極のおいしさを表現するように全身を痙攣させて、嬉し涙まで流していたって……?!

それって要するに……?!

ダメ! 考えない! 私知らない! 関係ないから!
でも……どうしてかな? なんだか私まで嬉しいな。
うーん。なぜなんだろう?



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伸ばした両手 届かない夢 その2






















(15)


(回想) 3月 21日 金曜日 午後9時   岡本 典子


       
それは、つい2週間ほど前の夜のこと……
私はいつものように、近くの定食屋さんで、アルバイトのお仕事をしていたの。

あと1時間……
……あと30分。ファイト! 典子!

ここ最近休みなく働いていたから、もうクタクタ! もう限界! って感じで……
いよいよ、オーダーストップねって時に、その悪魔さんは入って来た。

ひとりだけで、疲れているのか顔を伏せたまま、席に着いても身体を壁に寄り掛からせている。

典子と一緒。だいぶ参っているみたい……

ちょっとだけ母性本能をくすぐられた私は、足音を忍ばせるようにして、その人の元へ向かった。

「いらっしゃいませ……ご注文は……?」

お水をテーブルに置きながら、横目をチラリと走らせる。

お酒……かなり飲んで来たのかな?
顔が真っ赤じゃない。
それに、なんか暗ーい感じ……

その人は、虚ろな目でメニューを眺めていた。
多分酔っぱらっているのに、全然楽しそうじゃない。
……というより、これってやけ酒飲んで来ました! っていう雰囲気?

ここは、あまり関らないように、さりげなーく距離を置きながら……

「ご注文が決まりましたら、お呼び……きゃッ?!」

突然、腕を掴まれていた?!
掴んだまま、強引に引き寄せられていた。
衝撃で薄っぺらいメニュー表が、はらりと床に落ちていく。

私は、なにが起きたのか理解できずに、それでも取り敢えず小さく悲鳴だけあげた。

「お、お客様……お、お放し……放して……」

メニューが決まったのなら、口で言えばわかるのに……
私、まだ若いから耳なんて遠くないのに……

その人は無言のまま、私の顔を見つめていた。
あごから口、鼻、目、眉毛と視線を昇らせて、また典子の両目に舞い戻って来た。

鼻が混ざり合ったお酒の匂いを嗅ぎ取っている。
視野の正面で見据えたその人の顔に、私の脳も探し物をするように、過去の引き出しを次々にひらいている。

「の、典子っ……!」

「た、拓也……さん……?!」

頭の中で映像が浮かび上がる前に、くちびるが勝手に動いてた。
でも、その人は、確信を持って叫んでた。

拓也って呼んだ人の目が、みるみる正気を取り戻していく。
脳が慌てて用意した資料と間近に見る彼の顔に、私の顔は真っ赤に染まっていく。

閉店間際で、お客さんがいなくて良かったね。
楽天的な典子が、語り掛けてくる。

こんな場面、オーナーさんに見付かったら、面倒なことになるよ。
心配性な典子が、オロオロと周囲を見回している。

「7年? いや、8年振りか……
驚いたな……まさかこんな所でお前と再会するとはな……」

「そ、それは私も同じ。
今頃になって、昔の人に会うことになるなんて……」

心は、初心な17才にタイムスリップしていた。
拓也……河添拓也。
自分勝手で強引で……無理矢理私を好きにさせておきながら、少女の私を弄ぶだけ弄んで捨てた、ひどい人……

そんな彼がどうして今頃になって、私の前に姿を現すのよ。
どうして、このタイミングで再会なんかするのよ。

……これって、神様の悪戯? 運命の悪戯?


30分後……
バイトを終えた私は、待ち合わせていた河添と一緒に、オフィスビルが立ち並ぶ大通りを歩いていた。
前を歩く彼から3歩ほど後ろを、夜の冷気に肩をすぼませて、言葉も交わさずについていく。

お昼間はビジネスマンで活気のあるこの一帯も、午後10時を大きくまわったこの時間では、歩いている人もまばら。
それにもまして、下町でパン屋を営んでいた私にとって、この付近は、まるで別世界。

私と彼って、知らない人が見たらどう思うかな?

夫婦……? 私のぎこちない歩き方から、それはないよね。
だったら、兄妹? こんなに顔が似てないのに、もっと有り得ない。

だったら……そうだとしたら……不倫? 禁断の愛? 許されざる仲?
やっぱり、そう見えるかな?
ううん、たぶんそう見られてる……かも……

「随分冷えてきたな。コーヒーでも……」

河添の指が、24時間営業って看板のあるファミレスを指差している。
私は返事をする代わりにうなづいていた。

人の暖かみを感じないコンクリートの行列の中で、その建物から漏れるオレンジがかった明るい照明が、心のオアシスのように思えて……

今、思い出しても、あの時の私の心理って、どうなのかな?
よく思い出せないし、実際のところよくわからないの。

ただ、これだけは、おぼろげに覚えてる。

典子の中の誰かが、『夢を掴むチャンスは、この瞬間だよ』って、背中を後押ししてた。
胸の中に住んでいる、博幸の笑顔が、霞んで揺らいでいた。

そして、ものすごく寒くて凍えそうで、早く暖まりたいって、私は本気になって言い訳を探し求めていた。



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伸ばした両手 届かない夢 その1






















(14)


4月 6日 日曜日 午後2時55分   岡本 典子



「はあ、はあ、はあ、はあ、うううんんっ、はぁぁ……」

私は、淫らな残り火のけだるい刺激に、身を任せていた。
激しく上下する胸の上で、乗せられた手の指がキラキラと輝いている。

「典子の指……いやらしい……」

苦しい息の合間に、息継ぎのようにつぶやいてみる。
続いて出そうになる言葉は、口にはしない。
これは、私と博幸だけの秘密の会話だから……

このまま、まどろみたい気分……

雲間から差し込む柔らかい陽を浴びながら、私はじっと天井を見続けていた。
女の匂いが漂う汚れたシーツの上で、汚れた性器を晒したまま、乱れたスカートを直すことなく寝転んでいた。

「これからどれだけ続くのかな?
こんな行為……」

天井を見ていた視線を、窓から覗く雲の塊へとずらしてみる。
この曇って……?

昔、教科書に載っていた『くじらの雲』のお話を思い出す。

そう、空の上を自由に姿を変える雲。
たとえ風任せでも、別れてはひっついて、いつかは、また一緒になっている。

「いいなぁ……典子も出来ることなら……お空に浮かぶ雲になりたいな……」

また、あなたと……

ちょうどその時、近くの工場から午後3時を知らせるサイレンが鳴り響いた。

「やだ……もうこんな時間……」

私は慌てて身体を起こすと、ベッドの上に散乱している服を身に着けた。
そして、役目を終えたように、画面が暗くなっているスマホをポケットにねじ込むと、写真立てに手を触れる。

「さあ、典子のお花見は、これでおしまい。
博幸も、いつまでもベッドばかり見てないで……
今日の夕ご飯何にするか、考えてよね。
そろそろ、お買い物に行かないといけないから。
……あっ、そうだ。
1階で店番しているあの人に、お使い頼もうかな?
なんでも、自信作のパンを売るんだって張り切っていたけど、ぼちぼちみたいだしね。
博幸も暇だったら、ちょっと見てあげたら……
それじゃ、行くね……」


「はーぁ……おいしい……」

夕食の後に番茶をすするのって、最高ねぇ。
やっぱり、日本人に生まれて良かったなぁって、このときばかりは、感動ものよね。

ねっ、あなたもそう思うでしょ?

な、なによ! 夕ご飯食べさせてあげたのに、その恨めしい目付きは……!

えっ? どうして夕食なのに、パンのフルコースなんだって……?

パンのステーキにパンの天ぷら、パンのお漬物にパンの入ったお味噌汁。
主食は、お茶碗に盛られたてんこ盛りのパン。

こ、これのどこが……ふ、不満なのよ!
ここは、パン屋さんなの! 
お店の新メニューを研究しているんだから、仕方ないでしょ!

それになんだかんだ言って、あなた完食してるじゃないのよ。
実は、おいしかったんでしょ? 典子の編み出した新メニュー♪♪

もう、首の振り方間違っているわよ。
首はね、左右じゃないの。縦に振るのよ。
あなたって、意外とそそっかしいんだから♪♪

さあ、お腹も満腹になったことだし、今夜も典子の哀しーいお話に付き合ってね♪♪
だいじょーぶ。居眠り始めたら、おでこに押しピン刺してあげるから、安心して……♪♪

ふふふっ。じゃあ、耳を澄ましてよぉーく聞くのよ。


私は、博幸を亡くした後、必死になって働いたの。
パン屋さんを開店したときから懇意にしてくれた税理士さんのところで、お昼間は事務のお仕事を……
夜には、近くの飲食店で店員のアルバイト。
ただし、いかがわしいお店ではないので、あしからず……だよ。

でもね……というより……本当のところは、そういう肌を見せるお店で働くことも考えたわ。
チラシを片手に電話を掛けようとしたことも、1度や2度ではなかったもの。

この家の購入ローンに、お店の設備投資費用。
貯金を全部はたいて、財布の中も全部空にして、その上この1年間、少しでも多く返済しようとふたりで一生懸命がんばってきた。
けれど、私ひとりでは利息を払うのが精いっぱいって有様。

親しい知り合いからは、何度も警告されたわ。

『悪いことは言わない。早くその店を処分して、典子の人生やり直しなさい。
あなたは、まだまだ若いんだから』って……

でも、そんなこと出来るわけないでしょ。
頭の隅のどこを探しても、私にはそんな考えはなかったんだから。

そうよ。『今は無理だけど、必ずお金を返して、典子自身の手でベーカリー岡本を、復活させるんだ』って……
『この街の再開発からもお店を守るんだ。』って……

ふふふっ……無謀よね。世間知らずの甘ちゃんだよね。

……でも、そんなこと言われなくてもわかってた。
わかってたけど……理解してたけど……

……ね、あなただって思うでしょ。典子の気持ち……

だから私は、周囲のみんなが呆れるのをよそに行動したの。

市役所に何度も足を運んでは、そのたびに門前払いされて……
少しでもお金を稼ごうと休日までアルバイトして……

届かない両手を必死に伸ばして……
『まだやれる。典子はまだまだ全力を出し切れていないよ』って、何度も折れそうになる自分を励まして……
99%正しい現実と戦っていた。
残り1%に掛けて……

そして、とことん疲れ切っちゃって、徹底的に絶望に打ちひしがれちゃって……
微かな希望までもが、粉雪が溶けるように消え去ろうとした時……?!

私の元に、天使の顔をした悪魔が舞い降りて来た!
昔の恋人の顔をした悪魔が……?!



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典子です 『見果てぬ夢』 公開日のお知らせです♪♪

皆様、ご機嫌いかがでしょうか?
小説『見果てぬ夢』でヒロインをさせてもらっている典子です。

(有里)
はぁ~い。みんなぁ元気?
前回に続いて登場『少女涙の羞恥生活』のヒロイン有里でぇ~す。
……ところで、典子お姉さん。
この前は、おひとりでお愉しみだったようで……
すごく激しい指使いに、有里、今でも顔が真っ赤っかですぅ。

(典子)
な、なんのことかな?
典子、わ、わからないな。

(有里)
もう、そんなに照れなくたって……
有里、見ちゃったんですから。
典子お姉さんが、あそこ突き出してイッちゃうところまで、ぜ~んぶ。
うふふふっ。お姉さんって、いやらしい♪♪

(典子)
わ、わわわわわ、私、わたし、ワタシ……
とっきーぃ! どうして典子のオナニーを公開したりするのよぉっ! 
こんな小娘にまで、覗かれたじゃない!

(有里)
ぐふふふふっ。典子お姉さま、ご安心なさいませ。
まだまだ、指だけのオナニーなんて、生ぬるいですよ。
今度は、極太バイブなんて、どうですかぁ?
なんなら、ローターに、アナルバイブもお付けして……気持ちいいですよぉ。
秒殺で天国へ昇天できますよぉ。
ほら……カチッ……
ウイーン、ウイーン、ウイーン……って……

(典子)
い、いけません!
花の女子大生が、そんな卑猥な道具を使って押し売りごっこするなんて……
これは、全部私が没収します。

(有里)
ひぇぇぇっ、返してよぉ。
せっかく通販で買った、有里の大切なおもちゃなのに……
でも使うのが怖くて、典子お姉さんの身体でお試ししたかったのに……
ちょっと鳴かせてみたかったのに……
しくしくしく……

(典子)
う~ぅ。この子って、可愛く泣いているけど……
純情ぽく泣いているけど……
典子、こ、怖~い。
背中から、ダークのオーラが立ち昇ってる!
おでこに、『淫』って字が浮かび上がってる!
きっと、キン○マンに登場する変態超人なのよ。
きっとそう。うんうん。

(有里)
典子お姉さま……なにか言いました?
ぐふふふふっ……

(典子)
い、いえ……なにも……
さあ、今週の『見果てぬ夢』の公開日は?
って、ことで、メインコーナーに移りまぁ~す。

第14話  12月  4日 水曜日
第15話  12月  7日 土曜日
第16話  12月 10日 火曜日

時刻は、それぞれ午後8時を予定しています。
出演は、もちろんヒロインである私、岡本典子が務めさせていただきます。

私の夢、夫との夢。
伸ばし続けた両腕が疲れ切ったとき、運命の神様が、チャンスだと微笑んで与えた試練。

えっ? なんのことか知りたいって?

うふふふ、それは……ないしょ♪♪
詳しいことは、公開日までお待ちになって下さいね。

では、さようなら~

(有里)
典子お姉さま♪♪
有里との試練は、これからですよぉ。
さあ、わたしと一緒に、白いマットをリングだと思って、楽しいことしましょ♪♪
さっきの玩具で、いじめてあげる。
ぐふふふふっ……

(典子)
勝手に押入れを覗いちゃ、いやぁぁぁっ!
そ、その箱は、開けないでぇっ!
典子の秘密、見られちゃうぅぅぅっっ!!

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博幸とお花見 その3






















(13)


4月 6日 日曜日 午後2時25分   岡本 典子



じゅちゅぅ、ぐちゅぅ……じゅちゅじゅちゅ、ぐちゅぅ……じゅちゅ、ぐちゅぅ……

「あぁ、あそこが……感じるぅ、感じるのォ、はあん、ああん……もっとぉ……」

開け放たれた窓の外から、子供のはしゃぐ声が聞こえた。
それを諌める、両親? の声も聞こえる。

このベッド、窓際にあるから誰かに下から覗かれてるかも……?
お隣さんが、回覧板って言いながら、典子のエッチな声に耳を傾けているかも……?

……そんな……どうしよう……恥ずかしい!

……でも……それでも……いいかも……
気持ちいいの……私……好きだから……ね、そうだよね。典子って……そうだったよね。

「ああぁぁ、濡れてるぅ、もっとぉ濡らしてぇ、そ、そろそろ……かなぁ、そろそろ……よねぇ」

膣(なか)が気持ちいいって鳴いてる指を、そぉーっと引き抜いた。
びしょ濡れの割れ目の先端まで、導いてあげた。

今度は、ここよ。
恥ずかしい突起をいじってあげてって……
鳴かせてあげてって……

「ああっ、んくぅぅっ、く、クリトリスぅ、きついぃっ、きついのぉっ! ひあぁぁぁっ!」

全身が、バネ仕掛けの人形みたいに跳ねた。
痛くて、こそばゆくて、あそこが浮いちゃいそうで……
それなのに、挟んだ指が止まらない。止まらないの!

硬くなった肉の突起をいじるだけで、頭の中でジンジン音がした。
パチーンって弾いたら、それだけでイッちゃいそうになる。

「はあぁぅ、もう、もう……気持ちいいよぉ、典子のからだぁ、どこ触ってもぉ、きもちいいよぉ……んんっ、んんくぅぅぅっ!」

右手の指が気を良くして、お豆の皮を引き剥いた。
また全身が跳ねた。
今度は壊れたバネ人形みたいに、全身の関節をビクビク震わせて跳ねた。

気が付いたら私の身体は、ベッドの上に仰向けに転がっていた。
転がったまま、おっぱいに手を這わせて、濡れてエッチなあそこに指先を突き立てていた。

じゅちゅぅ、ぐちゅぅ……じゅちゅじゅちゅ、ぐちゅぅ……じゅちゅ、ぐちゅぅ……

「あふぅぅ、いい、いいよぉ……はぁっ、はぁぁ、もっとぉ、もっと……しよぉ」

両目を優しく閉じていた。
典子の身体がふわりと覆われて、私は見えない両手を突き出していた。

柔らかいふくらみを、捏ねるように揉まれて気持ちいいの。
乳首の弾けそうな刺激に、とっても切ないの。

クリトリス苛めないでって、言ってるのに頭に響く刺激が快感なの。
でもやっぱり、昇り詰めるときは、赤ちゃんの通り道だねって……
典子、ここが一番好きなの、安心できるの……だから……お願い。

「もぉ、もう少し……んっんんんぅ、感じるぅっ……気持ち……いいっ、ゆびを……もっとぉっ!」

身体がベッドに沈み込んでいく。
気持ちいい大波に頭を沈ませて、髪を振り乱して、それで何度も何度も振った。

私、オナニーしてるの? それともセックスしてるの?

全身を襲う快感に、腰をクネクネさせて、背中もクネクネさせて……
両足が開いたり閉じたりしてる。
閉じちゃったらエッチがしずらいのに、太ももからつま先まで一直線の棒みたいにピンって伸ばしたりして……

イッちゃいそう。気持ち良く絶頂しちゃいそう。

私、大きな声でイクから。
典子の熟したイキ顔を見せるから。

よぉーく、よぉーく、見ててね。
……心に刻んでね。

ぐじゅぐじゅぐじゅぅ……じゅちゅう、じゅちゅじゅちゅ、じゅちゅぅぅっ……

「はっ、はああ、もぉ、もっとぉ、んんん、気持ち……よくぅ……はぁ、はぁぁ、はぁぁぁぁ」

両手の指をあそこに這わせていた。
恥ずかしい毛を指に絡めながら、クリトリスを弾いて、上から押し潰していた。

熱くて蕩けそうなお肉に、爪を立てて前後にこすった。
割れ目に溢れたエッチなお汁を、全部掻き出した。
お尻の割れ目まで垂れさせた。

私、段々意識が失くなっていく。
でもね。考えなくたって、思わなくたって、指だけで典子イケるから。
最後の階段登れるから。

だから……たぶんそうだから……

指が3本、膣の奥の方まで突き刺された。
関節を折り曲げて、一番感じる粘膜を、ごしごし刺激されてる。
昔の快感を指先に移し取ろうとして、薄れる記憶を忘れたくなくて……

閉じていた瞳をひらいていた。
サイドテーブルに置いてあるふたつのものに、視線を合わせた。

笑って恥じらって、笑って恥じらって、笑って恥じらって……
交互に繰り返して、何度も繰り返して、最後に……これが最後だよって写真立てを見つめて……

子宮が揺らされるほど、指を突き入れた!
メチャクチャにかきまわした!

ぐしゅぅぅっ、ぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅ、ぐじゅぅぅぅぅっ!

「くはぁぁぁ、くううぅぅぅ、来るぅぅっ、くるっ、くるっ、くるぅっ、きぃ、きちゃぅぅぅぅぅっっ、ふわぁぁぁぁぁっ!!!」

飛んじゃった……?!
典子、パンッて踏み切って、大空に飛んじゃった。

オナニーって、こんなに気持ち良かったかな?
セックスみたいに、気持ちいいものだったのかな?

膣が収縮して、子宮が収縮して……
全身に筋肉が限界まで収縮して爆ぜて……

私、ベッドに寝たままブリッジ仕掛かっていた。
おっぱいを……あそこを、恥ずかしく突き出して、背中を反らしていた。

見てくれた? 典子のオナニー……
女の人の自慰って、こんなに激しいのよ。こんなにエッチなのよ。
特に、愛する人の視線があるときはね。

でもね、やっぱりお花見は、お外でする方がいいかも……
お家でするお花見って、気持ちいいのにどうしようもなく哀しいから……



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