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博幸とお花見 その2






















(12)


4月 6日 日曜日 午後2時15分   岡本 典子



「ど、どうぉ? 典子とのお花見……た、楽しいでしょ。
お外のお花もいいけど……
ほ、ほらぁ、博幸の目の前にだって……オ・ハ・ナ……咲いてるんだからぁ」

顔を背けたくなるのを、必死で我慢した。
泣きそうになる自分を一生懸命励ました。
明るい日差しの中で、両足を恥ずかしげもなくM字にひらいて、典子の大切な処を日光浴させて……

私って、淫乱で変態だよね。
だって、お花見って言いながら、恥ずかしい扉ひらいてるんだよ。

博幸、こんなことする典子を怒っていないかな?
『僕の妻は、こんな、はしたないことしない』って……

でも……でもね、もっと弾けた典子を見て欲しいの。
もっと乱れる典子を、あなたには見て欲しいの。

だから……

「そろそろ、典子の……お、オハナにも飽きてきたでしょう?
このまま、いつまでも股の中を覗いてても……ね。
……だからぁ、こここからは……し、ショータイム。
の、典子が……か、感じちゃうところを見せて……あげる」

話せば話すほど、私の顔が赤くなって、喉もカラカラに乾いていく。
段々自分の話している言葉に怖くなってきて、信じられなくなって……

やっぱり、これ以上出来ません。
博幸の前で、はしたないオナニーなんて出来ません。

真面目な顔を作って、舌先を見せて謝れば楽なのに……
私の指は、典子を慰めようとしていた。

「私……博幸にお願いされたことがあったよね。
一度でいいから典子の……お、オナニー見てみたいって……
あの時は、恥ずかしくて断っちゃったけど……ほら、見てぇ、指が……割れ目に……ああぁぁっ……」

私はM字にひらいた太ももの上から、右手を這わせるように降ろしていった。
揃えた指先を、真っ直ぐに割れ目の溝へと沈めていく。
博幸にあそこがよく見えるように、エッチに乱れていくあそこのお肉を見つめて欲しくて……

にちゅっ……!

指先を包み込む恥ずかしいお肉が、熱くなってる?!
私、あそこを見せただけなのに感じ始めている?!

にちゅぅっ、ぬちゅぅっ、にちゅぅっ、ぬちゅぅっ……

「あくぅぅっ、やだぁ……ぴりって……でぇ、電気がぁ……んふぅぅ」

スカートの中で、丸見えの太ももがプルプルって震えた。
すがるようにスマホのレンズに視線を合わせた私は、下半身へとそれを落とした。

「はっ、はあぁ、な、生で……み、見ないと……やりにくい……よね」

左手の指が、スカートの裾をつまんだ。
太ももの真ん中で中途半端に絡まるそれを、腰の上までまくり上げた。

自分を納得させるように、自分に言い訳をするように、私は……典子は……熟した女の部分を見つめた。
勝手に割れ目のヒダをスリスリこする指先を見つめた。

にちゅにちゅ……ぬちゅぬちゅ、にちゅにちゅ……ぬちゅぬちゅ……

「か、感じちゃう……ヒダのお肉に……ゆ、指が……指が絡みつかれてぇ……くっぅぅん、はぅぅんんっ……!」

ゾクゾク、ジンジンとした疼きに、お尻も勝手に揺れてしまう。
ペタッてひっついたシーツの上で、もよおした子供のように、前、後ろって……恥ずかしい。

オナニーって、ひとりでこっそりするものなのに……
オナニーって、明るいお昼間にするものじゃないのに……

もう、止まらないの!
左手だって、ほら……!

「ああっ、ふぅぅ、ち、乳首ぃ、典子の……硬くなってるぅぅっ!」

仰け反らせた胸の上で、ふくらみを下から揺すった。
人差し指と中指が、過敏な赤い突起をコリコリって悪戯してる。

おっぱいの痛痒い刺激が、気持ちいいの。
誰かさんが乳首に歯をあてているようで、切なくなっちゃうの。

にちゅぅ、ぬちゅう……じゅちゅ、ぐちゅ……

「あんんっ、くふぅぅん……ゆ、指が……濡れてるぅ……エッチなお汁が……はぁ、溢れちゃうぅぅ」

指が前後して! デリケートなお肉が刺激されて! エッチな水音が天井まで響いて!
割れ目の縁を、ぬるりとしたモノが乗り越えるの!
お尻に垂れて、洗ったばかりのシーツを汚しちゃうの!

もう、我慢出来ないよって、突き立てていたひざがピンと伸びていく。
もっと気持ち良くしてって、柔軟体操するみたいに太ももがひらいていく。

私は、うなづく代わりにアゴを突き出して、指を2本、膣に沈めた。
膣(なか)のヌルヌルの粘膜を、指の腹でこすってあげた。

「あくぅぅっ、んふぅぅ……膣(なか)で……ゆ、ゆびが暴れてぇ……いいぃ、いいのぉっ!」

ねえ、見てる? 見えてる? 典子のあそこ。
いやらしいでしょ? はしたないくて淫らでしょ?

ふふふっ、こんなお花見、お家でしか出来ないよね。

典子、もっと感じちゃうから……しっかりと見ててよ。
目を逸らしたりしたら、当分の間、お話してあげないから。



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博幸とお花見 その1






















(11)


4月 6日 日曜日 午後2時   岡本 典子



河添に抱かれてから一週間が経っていた。

「博幸。あなたがいなくなって、もう半年だね。
季節がどんどん進んで、ほら、もう桜が満開。
窓を開けているから遠くに見えるでしょ? 市民公園の一面のピンクが……」

私は寝室のベッドに腰を降ろしたまま、手にした写真立てに話しかけていた。

目の前に楽しい何かがあったのかな? それとも、内心から溢れる嬉しさなのかな?
写真の中の博幸の笑顔は、キラキラと輝いていた。
迷いも戸惑いも感じない眩しいくらい純な笑顔だった。

「……この前ね、隣の地区で再開発の工事が始まったのよ。
あっという間に更地にされて、今では足場を組んだ高層マンションがずらりと並んでる。
……でもね、大丈夫よ博幸。
この地区の再開発は、まだ始まっていないし、始めさせないから。
私が……典子が、阻止してみせるから!
あなたと私の宝物の、このお店も絶対に守ってみせるから!
だから、安心して……
ふふっ……今日はそんなことより、ふたりで……お花見を楽しみましょ。
典子ねぇ、博幸を悦ばせたくて……色々と……考えたんだから……」

どうしちゃったのかな?
話しながら、どんどん顔が赤らんで、火照ってきちゃう。
途中までは、博幸の目を見て話せていたのに、話し終わる頃には、もう新婚ホヤホヤの夫婦みたいに、目を伏せているなんて……

でも、そろそろ準備しないとね。

私は、ベッド脇にあるサイドテーブルに、写真立てを置いた。
ベッドに座る私がよく見えるように、角度も調整する。

隣にスマホを立て掛けた。
レンズを私に向けて、動画撮影のアプリを立ち上げる。

やっていいのよね?
本当にしていいのよね?

ずるくて卑怯な典子の良心が、責任を回避するように問い掛けてくる。
私は答えを示すように、写真立ての博幸に負けないくらいの笑顔をつくってあげた。

「今日は、気持ちいいね。
さ、博幸、お花見……始めようか?」

ベッドの上で正座したまま、シャツのボタンを全部外した。
今日のお花見に合わせた桜色の袖から、腕を引き抜くようにして脱ぎ去った。

背中に両手を回してブラを外す。
そして、気持ちがグラつく前に片づけちゃおうと、足を崩してスカートの中に両手の指を這わせた。
ウエストのゴムを引っ張るようにして、スルスルと足の上を滑らせていく。
足首から抜き取ったショーツをブラと一緒にして、シャツの下にそっとしまう。

私は、博幸とスマホのレンズを交互に見ながら、スカート1枚の姿になっていた。
横座りでおへそを隠すように両手を前でクロスさせて……

「お、驚いた博幸?
で、でもね。こんな気持ちのいい休日……もっと楽しまないとね。
あなたも感じるでしょ?
窓から吹き込む春の風と柔らかい日差し……
そうよ、典子もそれを……す、素肌で……ありのままに感じたいの」

我ながら、笑うしかないくらいの苦しい言い訳。
でも、それでいいのよって、自分を納得させないと、博幸が、目のやり場に困っちゃうでしょ。

だから、何でもない顔して、日光浴するように胸を反らせるの。
そうして、全身が火照るのも太陽のせいにして、雲の隙間から日が差し込むのを待ち続けるの。

あとは……窓の外の景色をちょっとだけ気にして……
スマホのレンズをちょっとだけ気にして……
私は、博幸を見つめるときだけ笑顔をつくるの。

「典子、今日はねぇ。博幸が好みだったスカートを履いているのよ。
ひざが完全に露出しちゃってる、ブルーのフレアースカート。
ほら、覚えてる?
私が、ちょっと露出気味かな? って迷いながら、お店に出たときのこと……
博幸ったら、いいよ。全然大丈夫だよって言っておきながら、鼻の下をちゃっかり伸ばしていたでしょ。
私、ちゃーんと見てたんだから……
……でもね、今日は特別なの。
もっと、もっと……サービスしてあげるね」

私は両足に力を込めると、お尻をベッドに密着させたまま、ひざを立てた。
そのままひざの内側に手のひらをあてて、外側へとひらいていく。
シーツの上を足の裏が滑るように、左と右に分かれて、冷たい春の風が、スカートの中でクルクルって渦を巻いた。

やっぱり、自分から見せるのって恥ずかしい。
思わず、『お願い博幸、見ないで』って、声にならない可愛い声で何度もお願いしてた。

でも、続けないといけないの。
今日は博幸との楽しいお花見なんだから……



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典子です 『見果てぬ夢』 公開日のお知らせです♪♪

皆様、ご機嫌いかがでしょうか?
小説『見果てぬ夢』でヒロインをさせてもらっている典子です。

あら、あなたは確か……?

(有里)
は、はい。前作『少女涙の羞恥生活』で、主人公をさせてもらった早野有里(はやの ゆり)です。
今日は、作者のとっきーさっきーに頼まれて来ました。

(典子)
へえー、とっきーさっきーが、お嬢さんに……?
で、なんの用件かしら?

(有里)
毎回のあいさつも、そろそろネタ切れだろうから、おしゃべりなお前が行って、助けてやれって……
ふたりでトークショーでもすれば、お客様も満足するだろうからって……

(典子)
ま、まあ……毎回、ネタは無くて苦労しているけど……
でもまさか、これって、本家の侵略じゃないでしょうねぇ?

(有里)
ふふふ……まさか。
決して、無理矢理の打ち切りなんて恨んでいませんから。
ここで、ちょっとずつ顔を覗かせて、『見果てぬ夢』に、出演させてもらって、主役の座を奪い取ろうなんて、全然、これっぽっちも、ほんのちょっとも思って……いませんから。
考えて……いませんから。
ふふふ……へへへ……

(典子)
いやだ、この子。話しながら涎垂らしてる……?!
目が、どこか遠いお空へ飛んでいっちゃってる……?!
それなのに、次回作の『見果てぬ夢』の台本だけは、しっかり握り締めちゃって……?!

(有里)
の・り・こ・お・ね・え・さ・ん。よろしくね♪♪

(典子)
いやだぁ、とっきー助けてぇ~
このまま、『見果てぬ夢』公開予定日コーナーにうつりま~す。

第11話 11月25日 月曜日
第12話 11月28日 木曜日
第13話 12月 1日 日曜日

時刻は、それぞれ午後8時を予定しています。

出演は、もちろん。
絶対に! 絶対に! ヒロインである私、岡本典子!!が、務めさせていただきます!!

『いよいよ、春本番の気持ちいい季節なのに、私、別の意味で気持ち良くなっちゃった』

えっ? なんのことか知りたいって?

うふふふ、それは……ないしょ♪♪

詳しいことは、公開日までお待ちになって下さいね。

では、さようなら~

(有里)
典子おねえさ~ん♪♪
有里も、気持ちいいことってなんなのか知りたいで~す。
本家のよしみで、教えて教えて教えて♪♪

(典子)
いやぁぁ! ついて来ないでよぉ! 
誰かこの子、強制送還してぇぇぇ!!

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典子の哀しい過去 その3






















(10)


3月 31日 月曜日 午前2時50分   岡本 典子



初めの頃は、私も博幸も期待したわ。
街が発展すれば、私たちの商売も売り上げが伸びると思っていたから……

ただ、途中でそれはとんでもない間違いだって気が付いたの。
私たちが愛した下町が、次々と半ば強制的に撤去されていったから。
そして、そこにそびえ立つのは、人の温もりや情を一切排した無機質なコンクリートのかたまり。

当然、私たち下町のみんなも、再開発反対運動を始めたわ。
でもね。このプロジェクトを仕切っていたのは、全国有数の金融会社で知られている、時田金融グループだったの。
おまけに、この会社の社長さんは、プロジェクトを押し進める市長と仲がいいって噂で、私たちが悔しそうに下くちびるを噛み締めている間にも、一区画一区画と順を追うように取り壊されていった。

もちろん博幸も私も、街のみんなと一緒に話し合いに参加したけど、苦戦というか一方的に話の主導権を持っていかれたわ。

再開発を請け負っていた不動産会社の担当者の人……えーっと、なんていったかな?
……確か、はやの……そう『早野』って担当者の人。

この人、話の筋が通っていて情熱的で、その上しゃべりがホントに上手で、気が付いたときには、私たちみんなもうんうんって、うなづかされていて……
あれでは、勝てないよね。
もう、完敗って感じ。

そしていよいよ、私たちが暮らしている地域の再開発計画が、決まったわ。
おそらくここ1年以内のうちに立ち退き交渉が始まるんじゃないのかしら。


そんな中、季節だけが無情にすすんで、10月も半ばが過ぎたある日……

突然博幸が遠い遠い旅に出ちゃったの。
永遠の旅路に……

私たちのお店を守ろうと寝る間も惜しんで働いて……
私たちの愛する地域を救おうと、自分の命を削りながらがんばって……

バカよ……
博幸は……バカなのよ……

そして、そんな博幸の苦しみに寄り添えなかった典子は、もっともっと大バカよ!

私は、まだまだあなたと生活したかったのに……
あなたと一緒に苦労したかったのに……

ただ、唯一救いだったのは、最後まで博幸の元にいてあげられたこと。

最後の、かすかな息遣いの中で話した……
『典子……ありがとう……僕たちのお店を……』って、最後の言葉を聞けたこと。

全ての処置を淡々とこなしたお医者様がいなくなって、私の心に大きな穴がひらいていた。
なにも考えられずに、なにも思い付かずに、ただじっと椅子に座っていた。
まるで、私の周囲だけ時間が止まっててるみたいに……

でもそんな廃人のように座り込む私を、親身になって励ましてくれた看護婦さんがいたの。
私の肩に手を乗せて、いつまでもじっと、ただひたすらじっと……
なにも話し掛けずに、哀しみを共有するように……

そして、私の周囲で時間が動き始めた頃、私の目を見て、にこって笑ったの。
丸い黒目がちの瞳に、涙をいっぱい溜めて……

今こうして私が生きているのも、あの看護婦さんのお陰だと思う。
まだ少女ようなあどけない顔をして、この世界に入って日が浅いのか、先輩看護婦さんに厳しいこと言われていたけど、私と祐一が病院を後にするまで、ずっと寄り添い見守ってくれた。

ありがとう、若いナイチンゲールさん。
榊原 茜さん……


……って、とこで私のお話はおしまいなんだけど……?!

ちょっと、あなた! こんな涙涙の悲しいお話を聞きながら、なに口をもごもごさせているのよ!

あーん、してみなさい。そう、あーんって……

んんん? あなたの口の中、あんこでいっぱいじゃない。

……もしかして?!
この棚に置いてあったあんぱん食べちゃったの?

うん……って……?!

悪いこと言わない! 今すぐ下剤を飲んでおトイレに行きなさい!
それで、上からと下からと早く出しちゃいなさい!!

あのあんぱんはね、私が博幸のをまねて作った試作品なの。
それも、一週間も前のものよ。

ひと口食べて吐きそうになって、それでも、見栄えが良かったから、まあいいかって、置いていたのに……
ほら、ネズミもゴキブリもかじっていないでしょ。

因みに聞くけど、そのあんぱん、本当においしかった?

うん……って……?!
舌がしびれて、泡を吹くほど美味だったって……?

あなた、表現の仕方、間違ってない?
いいわ。私が、今すぐ病院へ連れて行ってあげる。

それで、お腹を洗浄して、おバカなあなたの舌をひっこ抜いて、ついでにおつむの掃除もしてあげる。

こらぁ! 逃げないでよ!



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典子の哀しい過去 その2






















(9)


3月 31日 月曜日 午前2時30分   岡本 典子



はい、お茶淹れてあげたわよ。飲みなさい。

……な、なによ? 
私の顔をじっと見つめて……

えっ? こんな時間にどこへ行ってたのかって……?
髪が半乾きだし、石鹸の香りがするって……?
出掛ける時は、ひどく落ち込んでいたのに、今は吹っ切れたようにサバサバしてるって……?

あなた……スパイ気取りなだけあって、なかなかの観察力ね。

……もう……仕方ないわね。
あなたにだけは、教えてあげる。

まあ、この半年、あなたには随分といろんな意味で勇気づけられたこともあったから、今さら隠しごとをしてもしょうがないしね。

実は私……男の人に抱かれてきたの。
男が予約してくれた高級ホテルで、夜景を観ながらエッチしたの。
……そう、セックスしての。
それも、彼って、私の学生時代の恋人だった人……

ね、さすがのあなたも驚いたでしょ?
こんな尻軽女だったなんて思わなかったって、軽蔑するでしょ?

ううん、お願いそうしてよ。
その方が気持ちが楽になるから……

それで、そのまま、なにも聞かずに耳を傾けていてね。

私、今晩は色々と話したい気分なのよね。
ふふふっ、大丈夫よ。軽くお酒を飲んできただけだから……
さあ、そこに正座して、典子のお話をちゃーんと聞くのよ。

高校卒業後、両親の離婚騒動で嫌気がさしていた私は、生まれ故郷のいなかを飛び出しちゃったの。
街に出ればなんとかなるって安易に考えた私は、当時運よく募集してた求人広告に応募して、パンを製造している食品工場で事務職として働きはじめた。

そんなに大きな会社ではなかったわ。
この地域ではちょっと名の通った会社だったけど、従業員50人程の大手食品企業の協力会社って位置づけで、主に大手流通チェーンへ収める食パンを製造していたの。

そして、あっいう間に3年が過ぎたある日のこと、その親会社からひとりの男性が現場研修って形で出向してきたわ。

名前は岡本博幸。そう、私の旦那様だった人。
年令は、私よりふたつ年上で、当時23歳。

私が事務職をしていたせいか、よく彼と話すうちにお互い惹かれるものを感じて、恋人どうしの関係になるのにそれほど時間は掛らなかった。

そして、また1年が過ぎ、博幸が親会社へ戻る日の前日。
私、プロポーズされちゃった。

「結婚してください」って、飾りっけのまったくないシンプルな言葉で……

私、その場でうんって大きくうなづいて大粒の涙を流して、これからはふたりで幸せな新婚生活するぞって……
だって、博幸のここまでの人生って、私なんか比べ物にならないくらい悲惨な境遇だったから。

幼い頃にご両親を交通事故で亡くしてたから、親戚の家を転々としながら苦労して大きくなったらしいの。
あまり、その頃のことを話したがらないから、きっとものすごく辛かったんだろうな……って。

そして私たちは、結婚式もあげることなく、ふたりだけの新しい生活をスタートさせたわ。
博幸が勤める会社の近くにアパートを借りて、あまり贅沢はできなかったけど、誰にも干渉されない幸せな日々だった。

そんなある日、突然博幸が思い詰めた表情で話し始めたの。

ふたりで、パン屋さんの店を持ちたいって……
独立してパン屋さんになるのが、夢だったと……

私、一瞬、何が何だかわからないくらい驚いたけれど、彼の本気の目を見て納得したわ。
だから、手分けして翌日からお店探しを始めたの。

不動産屋さんに相談して、休日になると、ふたりして朝から晩まで、色んな街を歩きまわって見て回って、ようやく辿り着いたのが、このお店だったわけ。

近くに主要駅がある割には、下町の風情が色濃く残っていて、接する人みんなが親切で、私、この街に来たの初めてだったのに、昔から住んでいたような気分になっていたの。
もちろん、博幸も同じだったみたい。

ふたりして、うなづきあって即、決めたわ。
そして、その日から私と博幸、ふたりの夢の実現が始まったの。

機材の購入から、お店の改築、私たち住まいの改築。
これまで節約して貯めた貯金を全部使って、銀行でローンまで組んで、あとは、本当に寝る間も惜しんで一生懸命頑張った。

来る日も来る日も、売れ残ったパンを見て悔し涙を流して、売り切った日には、抱き合って嬉し涙を流して……
よく考えたら、私たち夫婦って、毎日なにかしらの涙を流していたような……

まあ、その甲斐あってか、最初の頃は、まばらだったお客様も、日を追うごとに増えていって、1年経った頃にはお店の経営も黒字が安定するようになっていたの。
私と博幸も、やっと落ち着いた気分になって、開店一周年の記念の日には、近くのホテルでプチ贅沢なディナーを食べて、その日の夜は、久しぶりに朝まで夫婦の営みを……って、私、なに言ってるのかしら。
さっきの話は、聞かなかったことにね……

でもね、いつまでも続いて欲しい幸せは、ある日を境に恐ろしい不幸せに変わっちゃった。

あなたも知っているし、目にしてきたでしょ。
活気ある街づくりをスローガンにした、再開発を……



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典子の哀しい過去 その1






















(8)


3月 31日 月曜日 午前2時  岡本 典子



午前2時。人の気配がまったくない駅前の大通りを、ひとり私は歩いていた。

たまにすれ違う車のヘッドライトが、私を照らし出しては、長い影を残して通り過ぎて行く。

「これで……良かったのよね……」

結局私は、あの後も河添との情事を続けた。
体位を変え、お互いのくちびるを吸い合い、お互いの性器に顔を寄せて、舌を這わせて……
河添が上になり、私がまた上になり……
呻いて、獣のように叫んで……
恋人のようにささやかれて、夫婦のようにじゃれ合って……

わたしは夢を観ていた。
河添も、途中から夢を観る目をしていた。

「きゃああっ!」

突然、季節に逆らうような冷たい北風が吹き付けてきた。
私は、少女のように黄色い声を上げると、浮き上がるチェックのスカートを両手で押えた。
慌てて周囲に視線を走らせる。

「……ふふふっ、典子ってバカみたい。
こんな汚れた女の下半身なんて、誰も見たくないのに……
ね、博幸もでしょ?」

やっぱり、タクシーに乗れば良かったかな?
別れ際に、河添がタクシーを呼ぼうとした。
でも、それを断ったのは、私だった。

なんだか、ふたりでいるところを、他の人には見られたくなかった。
典子の精神は、そんなに図太くなかったから……

私は、なにかに背中を押されるように、硬い表情のまま足早に歩いていた。

暗闇に覆われた夜空に、立ち並ぶビルの行列。
まるで巨大なコンクリートの墓標みたい。
ついこの前まで確かに存在した、飾らない、普段着のままの人たちが営む、小さな小さなお店たちの……

私は、『コスモセンター東』っていう、全然生活臭の感じない交差点を左に曲がった。
そして、ほっと一息つく。

巨大なビルに隠れるようにして、平屋建てや2階建てのありふれた街並。
車一台しか通れない狭い生活道路。
不便で、雑然としていて……

でも、そこは、典子の大好きな街。
典子の大切な思い出がたくさん詰まった、かけがえのない街並。

私は寝静まった街を起こさないように、歩く速度を落とし気味にする。
それでいて軽い足取りで、少しだけ息を弾ませながら、低い軒先の下を潜るように歩いていく。

やがて、縦長の赤地に白抜きの看板が見えてきた。

古い民家を改築した2階建ての店舗兼住宅。
周囲に溶け込みやすいように、外壁はいじらずに、内装と間取りだけリフォームしようって決めて購入した我が家。
たった1年ちょっとだったけれど……
その平凡で平和な毎日が永遠に続くって、信じて見守ってくれた我が家。
ふたりだけの頃にも、『ちょっと広すぎたね』って、笑ってた私たちの我が家。
今の私には、もっと広すぎて寂しくて、でもそれでいて、どんなことをしてでも絶対に守らないといけない我が家。

その入り口横に、ちょっとだけ自己主張するように、その看板は取り付けられている。

『ベーカリーショップ 岡本』と……


「ただいま、博幸」

私は、店の前に立つと空を見上げるように、建物全体を見回した。
たった半日しか経っていないのに、まるで長い旅行から帰ってきたような懐かしさに包まれている。

店の入り口兼玄関の透明なガラスに糊づけされた2枚の張り紙。
左端に遠慮気味に貼ってあるのは……

『おいしい焼き立てのあんぱんあります』

お世辞にも達筆とはいえない博幸の手書きの文字と、これもまた、お世辞にも上手とはいえない手描きのあんぱんの絵。
そして、もう1枚。入り口前に堂々と貼ってあるのは……

『しばらくの間、休業させていただきます』

博幸より達筆で、それでいて、全てを否定する私自信の手書きの文字。

私は鞄からカギを取り出すと、引き戸のカギ穴に差し込んだ。
カチッって音がして、ガラガラって戸がひらいて……?

「えっ? 開いてる?
カギ……掛け忘れたのかしら?」

ゾクッて嫌なものを感じて、私は自分の家なのに、足を忍ばせて中へと入り、照明のスイッチを入れる。

ひぃ、ひぃぃぃっ! ……って、ど、どうしてあなたがここにいるのよ?!
あなた、しばらくの間、旅に出るって言ってたじゃない?
確か……『全国美少女ウォッチャーの旅』とかなんとかって……?
それなのに、どうしてよ?!

その謎の人は、お店のレジの隣で福助人形のように座っていた。
……違う、招き猫かな?

まあ、どっちでもいいけど、そんなところにいたら、誰だって驚くでしょ。
えっ、旅行に行こうとしたけど、お小遣いをもらっていなかったって……?
だから、私が帰って来るまで留守番して待ってたっていうの?

……ちょっとぉ、私、あなたの保護者じゃないわよ。
あなたが勝手に、私にまとわりついているだけじゃない。冗談じゃないわよ!

……えっ、今日はお詫びに、有意義な情報を持って来たって……?
なになに、『時田金融グループ本社、極秘潜入マル秘レポート』って……

あなた……B級スパイ映画の影響受けすぎよ。
まあ、私もそのレポートには、ものすごく興味があるし……

もう、仕方ないわね。
さあ、ここではなんだし、上がってくれてOKよ。
……ただし、あのベッドでは勝手に寝ないでよね!



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典子です 『見果てぬ夢』 公開日のお知らせです♪♪

皆様、ご機嫌いかがでしょうか?
小説『見果てぬ夢』でヒロインをさせてもらっている典子です。

この前は、ごめんなさいねぇ。
お姉さん、ちょっとばかりピリッ! っときて、過激なこと言っちゃったみたいね。

お詫びに今日は、特別サービスしちやう。
典子の下半身を、下からカメラで撮っても構わないわよ。
ちゃーんと、足もひらいてあげるから、どんどん写してちょうだい♪♪

なんなら、スカートも、ほら、大胆にめくり上げてと……

あら? あらあらあらあら??

皆さん、どうして写してくれないのよ?!

えっ? どうして、スカートの下にダサいジャージなんか履いているのかって?
こんなの撮ったら、カメラに可哀そうだって……? カメラが腐るだって……?

そんなの、ひどぉ~い。
ここ最近、急に寒くなってきたでしょ。
だから、防寒対策でジャージを履いてきたのに……

それに、女の子の下半身は、冷やしたらいけないのよ。
赤ちゃんが産めない身体になってしまうんだから。

えっ? 今さら典子は、誰の子を種付けされたいのかって……

そ、それは……

お、おほん。こ、ここからは、『見果てぬ夢』公開予定日コーナーにうつりますね。

第8話  11月16日 土曜日
第9話  11月19日 火曜日
第10話 11月22日 金曜日

時刻は、それぞれ午後8時を予定しています。

出演は、もちろんヒロインである私、岡本典子が務めさせていただきます。

突然のエロエロシーンから始まった今回のストーリー。
その謎の真相が、いよいよ明らかに……

えっ? なんのことか知りたいって?

うふふふ、それは……ないしょ♪♪

詳しいことは、公開日までお待ちになって下さいね。

では、さようなら~

あっ? い、いやぁぁぁぁっ!
そ、そんな卑怯よ! 後ろからズボンを引きずり下ろすなんて……!

いやぁ、見ないでぇ! 典子のおばさんパンツ、見ないでよぉっ!!

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夫以外のモノ 騎乗位 中出し






















(7)


3月 30日 日曜日 午後9時30分  岡本 典子



ぬちゅぅっ、じゅちゅっ、ぬちゅぅっ、じゅちゅっ……

「んんあっ、わたしぃ、わたしぃ……んんんんっ、いい、いいのぉっ!」

もっと気持ちよくなりたくて、右手でおっぱいを揉んでいた。
裏表のない典子は、こんなにエッチなのって、左手の指で硬い乳首を転がして、パチーンって弾いた。

そうよ。今は、ただ無心になってセックスするだけ……
この男と昇り詰めるだけ……
絶頂するだけ……

「ううっ、そうだ! 俺の前でもっと叫べ!
もっと鳴いてみろ!」

私の下で河添が呻いている。
鼻の穴を大きくして、淫靡に染まる空気をいっぱい取り込もうとして……

射精するのね。
典子の膣(なか)に思いっきり射精したいんでしょ?

……いいわ。構わないよ。
……さあ、出して。
感じちゃう膣の壁に、震えちゃう膣の奥まで……

ぬちゅぅっ、じゅちゅっ、ぬちゅぅっ、じゅちゅっ……

「ふわぁぁぁっ、あぁ、あそこがぁ……溶けちゃうぅっ、はぁ、はあっ……おかしく……なっちゃうぅぅっ!」

とっくにひざの屈伸なんて出来なくなっていた。
ひざ立ちで、お尻をペタリとひっつけたまま、腰をグルグルって回転させた。
前、後ろって前後させた。

この感覚って、久しぶり……
セックスがこんなに気持ち良かったなんて、典子、忘れてた。

博幸……私やっぱり、あなたには嘘なんかつけない。
正直な典子でいたいの。
そして、この男の前でも……

「あぅっっ、くぅっっ……もう……だめぇ、イキ……そう……」

「はあ、はあっ、ううっ……お、俺もだ……」

河添の腰が、下から私を突き上げる。
おっぱいを揺らして、膣の壁をこすって……子宮も揺らされた。

なによ、今さら……
あなた、言ったじゃない。
『俺は関与しない。典子だけで、俺を導き射精させるんだ』って……

なのに、今になって共同作業なんて……ずるい……
私たち、夫婦でもなんでもないのに……

「はぁはぁはぁ、うぅぅっ、で、でるぅっ! 膣(なか)に……だすぞっ!」

膣が一気に押し広げられる。
河添のモノが膨張するように硬く大きく膨らんだ。

「まぁっ、待ってぇっ……わ、わたしもぉ……典子もぉっ……」

この男と一緒にイキたかった。
私だけ置いていかれるなんて、もうイヤッ!
だって、死ぬほど怖かったんだから……寂しかったんだから……

だから……だから……
あそこの筋肉を力むようにして収縮させた。
爆ぜようとするアレをキューッて締め付けた。

張り詰めたおっぱいをギュウギュウ揉んで、硬い乳首に爪先を立てて……
腰を訳がわからなくなるまで振って、感じるクリトリスまで押し付けて……

この感覚……そう……この快感……?!

ぬちゅぅ、じゅちゅぅ、ぬちゅ、ぬちゅ、ぬちゅ、じゅちゅぅぅ……

「ふあぁ、はあぁ、飛んじゃうぅ……典子ぉ、とんじゃてぇ……飛びながらぁ、イッちゃうぅぅ……いぃ、イクゥゥゥゥゥッッッ!!!」

「うぅぅっ、だぁ、だすぞッ!」

どぴゅッ、どぴゅどぴゅどぴゅ、どぴゅぅぅぅぅッッッ……!

熱くて力強い水流が、膣(なか)に噴き付けられる。
膣壁に留まる微かな記憶を消し去っていく。
震える子宮の扉さえ破ろうとする。

私は、しびれるような快感に、背中を弓のように反らせた。
男の身体の上だということも忘れて、両腕を後ろに突いて、大きく大きく仰け反らせた。

顔が天井を向いて、くちびるが何か叫んでる。
閉じた両目から新鮮な涙が溢れて、私は何かを失い、新しい何かを手に入れたことを実感する。

博幸、ごめんね。
騎常位って……ふたりの共同作業でするものだったんだね。
もう一度、あなたに会えたら……
もう一度、あなたに巡り合えたら……

典子も一緒に、腰を振ってあげるね……



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夫以外のモノ……騎乗位






















(6)


3月 30日 日曜日 午後9時15分  岡本 典子




私は、男の太ももの上にお尻をペタリと落としたまま、うつむいていた。
膣のなかに感じる太い肉の棒の存在。
それを、しっかりと確認しながらも、次の行動へ移せずにいた。

ごめんなさい……博幸。
こんなふしだらな妻を許して下さい。

時間が経つほど、罪悪感が増していく。
男のモノを感じれば感じるほど、それが誰のモノか?
紛れさせた意識が鮮明になっていく。

河添拓也……元恋人……
そして、今の私が絶対に逆らってはいけない人……

「さあ、典子。俺をお前の旦那だと思って、腰を上げ下げするんだ。
息子が気持ち良く射精するまでな。
……ほら、さっさとしないと、お前さんの夢のカケラがどこかへ飛んでいくぞ」

「……はあ……はい……うっ、うううんんッ!」

私は、ベッドについた両ひざを持ち上げると、代わりに足の裏をひっつけた。
そう、膣に河添のモノを挿れたまま、私は、男を跨いだ状態でしゃがんでいた。
これからは、ひざの屈伸だけで男を絶頂に導かないと……

博幸との夜の営みで、たまーに上に跨ったこともあったけれど、私、気持ちいいって叫んでるだけで、あのときは、彼が下から突き上げてくれた。
でも、今は違う。
こんな恥ずかしい姿勢のまま、自分から動かないといけないなんて……

私は再度、河添の胸に両手を乗せ直すと、それを支柱のようにして腰を持ち上げていく。

「はあぁっ、んんんっ……ぬ、抜けちゃうぅぅっ!……」

ズ二ュ、ズニュと卑猥な肉どうしがこすれる音がして……
久々のエッチなゾクゾク感に心が戸惑って……

膣が一気に解放されて、太ももの筋肉がプルプル震えて……

でも、こんなの……きつい……!

エラの張った先端が抜けきらないまま、腰がもう一度落ちていく。
ペシャリと乾いた音がして、お尻がまた太ももにひっつていてる。

前に博幸に教わった。
女の人が男の人の上に跨って、乗馬に似ているから騎常位だって……
女性が恥じらいを浮かべながらセックスするから、男性は興奮するんだって……
でも、この体位は、男女の協力がないと、ひとりだけでは、しんどいだけだよって……

……そうだよね。
だからこの男は、私に騎常位をやらせてるんだ。
私を辱めようとして……
私の苦痛と羞恥に震える顔を堪能しようとして……

ズ二ュッ、ズニュ、ズニュ……ズズズ……

「ううぅぅんんっ、んくぅぅっ……!」

ペシャンッ……

ズ二ュッ、ズニュ、ズニュ……ズズズ……

「ううんん、膣(なか)がこすれて……ああぁぁっ……!」

ペシャンッ……

私は、男に跨ったまま、ひざの屈伸を繰り返していた。
ジャンプを繰り返すカエルのように、両手を揃えたまま両足を恥ずかしいくらいにひらいて……
大切な処に男のモノを咥え込んだまま、お尻を何度も上げ下げして……
男を気持ち良く導いて……

こんな体位辛くて恥ずかしいだけなのに……
こんなセックスで感じたくないのに……

典子の心にセックスの火が灯り始めてる。
膣の壁からジワジワって、エッチなお汁が滲み出してる。

「やっとこなれてきたようだな。典子。
どうだ? 久しぶりのセックスは……?
男のモノの味は……?」

「い、いやぁ……そぉ、そんな言い方……しないでぇ……はぁ、はあ、んふぅぅ」

私は河添の的を得た指摘に、無意識に頭を振っていた。
淫らな典子を演じる方が得なのに楽なのに……
なぜって? 感じで、素直じゃない私が否定する。

ぬちゃっ、じゅちゃっ、ぬちゃっ、じゅちゃっ……

「あんぅぅっ……くぅぅぅっ」

淫らな肉をこする音まで変化してる。
お尻が落ちるたびに、エッチなお汁が、シリンダーから押し出されるように溢れてる。

太ももの筋肉はパンパンに張って泣いているのに、それなのに、どうしてよ!
典子の性欲が風船のようにふくらんできちゃう。

「はあぁ、はああんっ……だぁ、だめぇ、腰の動きがとまらないぃっ、とまらないのぉっ!」

鼻に抜けるようなソプラノボイスで、さらにエッチな声を出そうとくちびるを大きくひらいて……
もう、感じる演技なんかじゃない。
本当に、気持ちいい声で叫んでた。

典子の大切な人の面影が霞んでいく。
心の中をどうしようもない快感が渦巻き始めてる。

「ほら、もっと感じろ!
俺の息子を典子の膣で締め付けてみろ!
忘れるんだ。忘れろ! なにもかも忘れてしまえ!」

ぬちゃぁ、じゅちゃっ、ぬちゃぁ、じゅちゃぁ……

「いぃぃ、いやぁ……そ、それだけは……いやぁぁ……」

寝転んでいるだけの河添が叫んでる。
典子のどこかへ飛んで行っちゃいそうな目を、黒い瞳が追い掛けている。
そこに、さっきまで覆っていたフィルターは消えていた。
見えなかった瞳の奥底まで晒け出してる。

これが……彼の心?
これが……河添の本心……なのよね?

私の見えないベールが、ビリビリと音を立てて裂け始めてる。
だから、私も叫び返していた。

ぼやける記憶を守りたくて……
河添に純な典子を見せたくなって……

そうしたら……なぜなのかな? 涙が溢れてきて……



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夫以外のモノ……挿入






















(5)


3月 30日 日曜日 午後9時  岡本 典子



描き終えて、ひざが崩れそうになる。
太ももを閉じ合わせそうになる。
大した運動もしていないのに、呼吸が苦しくて、身体中が汗びっしょりになっている。

わたしは、なんとか今の姿勢を維持すると、窓に映る河添を覗いた。
無駄な行為と思っても、黒い瞳の奥を探ろうとした。

「ははははっ、典子、お前変わったな。
たとえ元恋人とはいえ、亭主以外の男の前で、尻文字まで披露するとはなぁ。
それも素っ裸でケツ丸出しで……あげくには『めすいぬ のりこ』だからな。
この7年間で、随分と俺好みの淫乱に変身してくれた。
これは、典子の夫にも感謝しないとな……」

「お、夫の……あの人の悪口だけは仰らないでください。
夫は関係ありません。
私が……典子が淫乱なだけなんです。
エッチが好きで好きでたまらない、はしたない女なんです!」

河添が立ち上がり、結局、私も連られるように立ち上がっていた。

こんな言葉、今まで思いもしないし、口にしたこともない。
でも、自然な感じですらすらと、まるで魔法にかかったように飛び出していく。

不思議と恥ずかしさも感じない。
男が、丸い黒目をさらに輝かせているのも、全然気にならない。

そう、今から男の身体を相手にするんだから。
博幸さん以外のモノを受け入れるんだから、このくらいなんとも……ないよね。

「典子、なにをしているんだ。
さあ、こっちへ……」

ダブルベッドに横たわった河添が、私を呼んでいる。
いつのまにか、ガウンを脱ぎ捨てて、男のシンボルを真っ直ぐに立たせたまま、仰向けに寝転んでいる。

それにしても、大きなベッドね。
うちの寝室のベッドもダブルだけど、こんな高級ホテルのは全然違うのね。
スプリングも良く効いてそうで、寝具も肌触りが良さそうで……
これならいい夢を見られそう。
そうそう、以前に、朝、私が目覚めたら、博幸ったら床の……

目頭が熱くなってくる。
私、なに考えているんだろう?
そう思うと、私を見ている男の顔が、水に波紋が立つように歪んだ。

気が付いたらって感じで、私はベッドに這い上る。
そのまま、視線を合わせることなく、ひざ立ちの状態で男の腰を、急かされるように跨いでいた。

「ほーおぅ。ここまでは、以外にあっさりだったな。
旦那以外のモノを咥え込むには、それなりの抵抗があると思ったが、さすが、自ら淫乱、はしたないを連呼する女だけのことはある。
……では、さっさと挿入してもらおうか。
俺は一切関与しない。
典子だけで、俺を導き射精させるんだ。
もちろん、中出しさせてもらうぞ。
ちゃんと、与えたクスリは飲んで来たんだろう?」

私は小さくうなづいた。
うなづきながら、手のひらがさりげなく下腹部に触れていた。

典子の空の子宮。何も無い赤ちゃんの揺り籠。
結局、この場所で、私は博幸との愛の結晶を育むことができなかった。

でもね、この神聖な処は、博幸以外の男のモノを受け入れたりしないの。
そうよ。もし侵入したって、私は育ててあげないから。
この揺り籠は使わせないから!

「……ううっ!」

私は、硬くそそり立つモノに右手指を添えると、恥ずかしい割れ目へと導いた。
透明な液体を涎のように垂らした先端が、今にも、デリケートなお肉に食らい付こうとする。

いやだ、典子のあそこ。
怖がっているのかな? なんだか緊張してる?!

でも、これでは、この男にヴァージンを奪われたときのようじゃない。
ダメよ、典子はもう人妻なんだからしっかりしないと……!

「どうした典子? 動きが止まっているぞ。
ははははっ、俺の息子がそんなに怖いのか?
それとも、夫以外の者におま○こを間近で見られるのが、そんなに恥ずかしいか?」

「んん……い、いや……やめてぇ……い、いえ……そ、そうでは……ありません」

男が言葉で挑発する。責めてくる。

私はイヤイヤをしようとする首を、無理矢理固定した。
引きつった笑顔を作り、上から男を見降ろした。
子供じみた昔のまんまの男の瞳を、目だけで挑むようにして見つめた。

そして、左手の2本の指でVの字をつくると小陰唇の扉に押し当てる。
ぷっくりと熱を持った感触に、一瞬指がたじろぎ、それでも、そっとゆっくりとひらいていく。

さあ、覚悟はいいわね……典子……

太ももの表の筋肉に緊張が走る。
90度だったひざの関節が、その角度をじわじわと縮ませ始める。

ズズズッ、ズ二ュッ……

「んんんッ……んんむぅぅッ!」

視線が下がり、腰が落ちていき、膣の入り口が涎を垂らす先端部分を飲み込んでいく。

首が懲りずにもう一度イヤイヤをしようとする。
私は奥歯で頬の肉を強く噛みながら、それをくい止め、空いた両手を男の胸に乗せた。

そのまま更に腰を落としていく。
ゆっくりと体重を乗せていく。

長く使われなかった膣のなかを、硬くて太い肉の棒が、隙間を埋めるように侵入していく。

ズ二ュッ、ズ二ュ、ズ二ュ、ズ二ュゥッ……

「あぁっ、ああっ……はいって……くるぅ! のぉ、典子の膣(なか)に……はいって……きちゃう……」

もっと、膣(なか)のお肉が引きつると思ったのに……
私、感じてないから、潤っていないから、もっと挿れるの手間取ると思ったのに……

どんどん入っていく。
どんどん、典子の膣が埋まっちゃう。

これだと……これだと……私って、本当に淫乱なのかも?
夫以外のモノを平気で咥え込む、変態なのかも?

「昔のままだ。お前の膣(なか)は、あの頃と全然変わっていない。
この全体を包み込むような締め付け具合も、火傷しそうな熱い粘膜も……」

男の声が、遠くで聞こえる。
なにか私のことを話したみたいだけど、そんなの全然わからない。

今はただ、男のモノを飲み込むだけ……
心が良心が悲鳴をあげても、お尻を落とすだけ……

私は、男の胸に指を立てながら、ひざの力を抜いた。
体重を全て解放した。

ズ二ュゥ、ズ二ュ、ズ二ュゥッッ……!

「んんああっ、お、奥まで……太くて硬いのが……典子の奥いっぱいまでぇっ……!」

心の端ッこに追いやった典子の女が、クスッて笑った気がした。



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典子です 『見果てぬ夢』 公開日のお知らせです♪♪

皆様、ご機嫌いかがでしょうか?
小説『見果てぬ夢』で、ヒロインをさせてもらっている典子です。

あら? 今日の皆さんは、随分とおとなしいのね。

……でも、せっかく挨拶しているんだから、拍手くらいして欲しいな。
それなのに、どうしたの?
みんな揃って、うつむいてばっかりで……

もう、初心でシャイなんだから、皆さんって……あら? あらら?

皆さんが手に持っているモニターって……なに??
なんだか、見てはいけない女の人のスカートの中が映っているような……???
ムチムチの太ももの奥に覗く、ベージュのショーツって……???!
足下にあるレンズって……???!!

そう……そういうことね……だったら……

ふふふふっ……うふふふふふっ……ひひひひひっ……!!

さあ、誰からお仕置きされたいのかしら?
言っておくけど、典子のしつけは厳しいわよぉっ!

大事な棒を凧糸でグルグル巻きにして、おしっこさせないんだから?!

……って、ちょっとぉ!
誰もいなくなっちゃった……

ま、まあ、冗談はこれくらいにして、ここからは、『見果てぬ夢』公開予定日コーナーにうつりますね。

第5話 11月7日  木曜日
第6話 11月10日 日曜日
第7話 11月13日 水曜日

時刻は、それぞれ午後8時を予定しています。

出演は、もちろんヒロインである私、岡本典子が務めさせていただきます。

それにしても、愛のないセックスって、辛いよね。
典子も、無理矢理、腰を振らされながら……って……

えっ? なんのことか知りたいって?

うふふふ、それは……ないしょ♪♪

詳しいことは、公開日までお待ちになって下さいね。

では、さようなら~

せっかくお話しているんだから、誰かいないのぉ?
帰って来て♪♪ お願い……♪♪
 
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尻文字






















(4)


3月 30日 日曜日 午後8時40分  岡本 典子



「あれから8年か……いい身体に仕上がったな。
俺が女にしてやった頃の典子は、まだ熟れる前の林檎のような肢体だったが、男を知った女の熟れ具合は、今が食べ頃のようだな。
風船のように張り詰めた乳房にしろ、むっちりとした太ももにしろ……
おっと、あの恥丘にひとつまみしかなかった陰毛が、今では立派な逆三角形か……ははははっ……」

「うっぅぅっ……! もう……仰らないでください……恥ずかしい……」

河添の恥辱を煽る指摘に、心のバランスが大きく傾いてしまう。
長らく味わうことのなかった激しい羞恥心に、顔が焼けるくらいに火照り、私は逃れるように窓ガラスに背中を押し付けていた。
ヒンヤリとするガラスの冷たさに、むき出しのお尻がブルッて震える。
心の底まで、ブルブルと震えだしている。

「おいおい、処女だった頃の典子じゃあるまいし、いつまで怯えているんだ。
さあ、俺に気に入られたければ、もっと熟した自分をアピールしてみろ。
そこの椅子の背もたれにでも、しなだれて、いやらしくケツでも振ってみるんだな」

河添が、窓際で向かい合う2脚の木製の椅子を指差した。
そして、私の淫らな行為を鑑賞するつもりか、ベッドから立ち上がると、左側の椅子に足を投げ出すようにして腰かける。
ガウンの裾がまくれ、ひらいた両足の間から、浅黒い顔に負けないくらい、黒くて筋張った肉の棒が準備万端という姿で、そそり立っている。

「私……私……」

半年ぶりに目にする男のモノ……
AV女優が行うような淫らなプレイ……

夫でもない男の前で裸になるだけでも死ぬほど辛いのに、その上、男を誘うようにお尻を触れだなんて……

こんなのひどい……ひどすぎる……!
典子には……

「どうした? やれないのか? やりたくないのか?
この程度のことでギブアップなら、俺はお前の面倒を見るなんてまっぴらごめんだ。
さっさと、おうちに帰るんだな」

河添は突き放すようにしゃべると、どこまでも拡がる街の明かりを楽しむように、窓の外へと目を向けた。
目の前に突っ立っている裸体には、興味を失ったかのように……

博幸……私……

『僕の夢はね、みんなの笑顔をつくる商売をしてみたいんだ。
愛想笑いじゃない。みんなが心から笑える仕事をしたいんだ。
……僕たちには、厳しくて辛い道程だけど、協力してくれるかい? 典子……」

ふたり手を繋いで、高台の公園から夕暮れの街を眺めながらつぶやいた博幸の言葉。
あなたの……あなたらしいプロポーズ……

こんな高い所から見下ろすんじゃなくて、街の明かりをもっと身近で……
そのために……そのためなら……

「……わかりました」

私は、ガラスに映り込む河添の目を見てうなづくと、空いているもう一対の椅子へと向かった。

意識して踏み出すつま先を内側に、過剰なくらい肩を右左と揺らして……
お尻を大きく振って、いやらしく背中のラインまでくねらせて……

そう。今夜は、私の……岡本典子の覚悟が……私たちの夢が試される初めての日。
今この瞬間から、典子は蔑まれた、はしたない女になるの。
男を悦ばせ、手放したくなくなる女にならないといけないの。

私は、椅子の背もたれに両手を回すと、座席部分に乳房を押し付けて、背筋を反らすように伸ばした。
どうかしたら折れ曲がりそうになるひざ裏を……
日にあたることのない太ももの裏側を……
すべて男の目に晒しながら、お尻を高々と掲げた。
身体中に満ちてくる羞恥心を堪えて突き出した。

そのまま、ゆっくりとスローモーションのようにお尻を左右に動かした。
河添を満足させるために振った。

お尻を右に傾けて左にも傾けて……
きゅっと割れ目の筋肉を引き締めて……
河添の言う熟れた女を意識して……
熟した典子の肢体を意識して……

「もっと足をひらけ!」
「熟れた典子のおま○こを晒すんだ!」
「ケツ文字で、『の』の字でも描いてみろ!」
「いいぞ……今度は、『めすいぬ のりこ』だ!
ははははっ……ははははっ……」

背中越しの男から次々と残酷な指示が飛ぶ。
私は、抵抗することなく、反抗することなく、躊躇することなく従っていく。

窓に映り込む典子を見る。
前歯を少し覗かせて、くちびるを半開きにして……
それは、今まで意識したことのない、男をねだる女の顔。

そして、その表情に自分を納得させて両足をひらいた。
夫と営む行為のための器官を、自ら露わにする。

頭のなかで、忘れかけた平仮名の『の』を思い浮かべる。
ひざを屈伸して準備運動のように腰を大きく回転させる。
とめ・はねを意識して、お尻で書道する。

次の文字は長いのに、男が下卑た掛け声を放った。
下卑た声で笑い掛けた。

そんなことをされてたら困るのに……
ほら……バカな典子のおつむが、平仮名全部を忘れそうになってる。

えーっと、確か……『めすいぬ のりこ』……だったわね。

でも、のりこって誰だろう? わからない……?
典子のおつむって、バカだから、これで助かったのかな?

無心になって文字を描いていった。
私から見ることのできない空間に、お尻という筆をつかって、まずは『めすいぬ』って……

そうしたら、なぜなの?
男の目に晒された、典子の大切な処が、急に熱く火照ってきて、私は冷ますように続きの単語を描いていく。
さっきよりも、もっと腰を大きく振って、大胆なお尻の筆の書道で……

『のりこ』って……



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青春の思い出は苦くて切ない?























(3)


3月 30日 日曜日 午後8時30分  岡本 典子



「随分と待たせるんだな。
元人妻の君なら、男の性欲もよぉーく理解しているんだろう
なあ、我が高校始まって以来の美少女学生と噂された、坂上典子さん。いや、今は岡本典子(おかもと 典子)だったな」

素裸の上からガウンを1枚だけ羽織った男性が、ダブルベッドに腰かけたまま手招きをしている。

不満そうで嫌みな口振りの割りには、表情にそれは見られない。
それどころか、欲しかった玩具を手に入れた子供のように、丸い目を輝かせている。

本当に私の身体が待ち遠しかったのか?
それとも、羞恥心に揺れる女心を鑑賞して楽しんでいるのか?

その黒い瞳は、まるで透明なフィルターに包まれているようで、そんな彼の心底を察することは、時間が経った今でもやっぱり無理だった。
そう、あの頃と同じ……

「河添先輩……ううん、拓也先輩。
その野生の獣のように爛々と輝かせた瞳。昔と少しも変わらないのね。
あなたは、欲しいモノ、手に入れたいモノがあるとき、必ずその目をして、どんなことをしてでも手に入れようとした。
強引にでも手に入れた。
学校での地位も名声も……私の初恋も……私の初めてのモノも……」

私は、巻き付けたバスタオルの折り返し部分を握り締めたまま、男が待ち構えるベッドへと歩いて行った。

河添拓也(かわぞえ たくや)……
私の高校時代の先輩で、大手金融グループ会社に勤める会社員。
年令は、私よりひとつ年上の26歳。たぶん独身。

日に焼けた浅黒い肌に、無駄な贅肉が一切見当たらない筋肉質な体型。
そう、あの頃と全然変わっていないどころか、ひと回り身体が大きくなった感じがする。
そして、顔付きも、当時の甘い少年の面影は消え去り、社会の荒波にもまれたのか、精悍な大人の男に進化していた。

高校生の頃、河添はサッカー部のエースストライカーで、私はその部のマネージャーをしていた。
勉強ができてスポーツ万能で、その上、ルックスも良くて、常にクラスどころか同学年、後輩の私たち女子生徒からも憧れの存在。

対して私は、河添が言うように多少美人だったかもしれないけど、勉強も平均点なら、スポーツもまあまあ。
要するに、どこにでもいる普通の女の子だった。

そんな私のどこを気に入ったのか、河添はある日突然、恋の告白をすると強引に纏わりついてきた。
当時の私は、他の女子生徒のように彼に興味があったわけではないし、そもそも、性に対して少々奥手だったのか、異性への興味もあまり無いって感じで、正直最初の内は彼の行動を疎ましく思っていた。

それに私は、河添が時折見え隠れさせる野獣のような輝く目と、他と妥協することなく突き進む姿が正直言って好きにはなれなかった。
でも、結局のところ私は、彼の行動に戸惑いを覚えながらも、付き合っていた。
そして、彼が高校を卒業する直前には、女の子にとって大切な思い出の、ヴァージンさえ捧げていた。

その後、高校を卒業し、家庭の事情で就職した私と、国立大学へと進学した河添との関係は、急速に冷え込み壊れていった。
というより、河添からの連絡が一方的に途絶えて、私は捨てられたことを意識した。

なぜ、そんな好きでもない人と付き合っていたの? 
なぜ、そんな好きでもない人に、女の子の証まであげてしまったの?

それからしばらくの間、私は答えのない疑問に悩まされたあげく、おぼろげな答えを探しだしていた。

自分でさえ気付かなかった、淡い初恋。
それに、彼の危険な野獣の目が、いつか暴走し破滅するのを防ごうとする母性愛? ……だったのかな? って……

「さあ、典子。久々の再開なんだ。
そんな野暮なバスタオルなんか脱ぎ捨てて、高校時代とは違う成熟した女の身体を見せてくれ。
その窓際に立ってな」

「……ああ……は、はい」

私はフラフラと、足下から天井近くまでガラス張りの大きな窓へと近づいた。

こんな心理状態で……
こんなに恥辱と羞恥に追い詰められた状態で……

それでも、地上40階のホテルの一室から見る夜景は、宝石箱を散らかしたようにキラキラと輝き美しかった。

私はそんな夜の景色に背中を向けると、ベッドの上でひざを土台にして頬づえを突いている河添に視線を合わせた。

典子、しっかりね。

ゆっくりと息を吐きながら、バスタオルを握り締めていた指を引き離す。
折り返し部分を解き、着物の前をはだけるように、何も身に着けていない肌を露わにしていく。

途中、何度も腕が止まりそうになる。
ひざが震えて、しゃがみ込みそうになる。

「ああ……」って、噛み締めた前歯から悲鳴が漏れて、溜息にごまかした。
視線を逸らせば典子の負けよって、必死で自分を励まし続けた。

そして、マントのように背中だけを隠すバスタオルを静かに床に落とすと、私は、抵抗する両手の指を無理矢理揃えさせて腰の横に添えた。



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