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エッチな告白は花火の下で























(1)
 


ドボォーンッッ!

月明かりに照らし出された水面に、一筋の水しぶきが上がり、それは円形の波紋となって拡がっていく。

午前1時……
今、ひとりの男性が底深いダムに向かって身を投げた瞬間であった。

(暗い……苦しい……俺は……早まったのか?)

男は闇に染まる水の中をもがきながら沈んでいく。
やがてその闇が、あの世へと繋がっていることに気付いた時、男はひどく後悔した。
自分の浅はかさを悔いた。

(こんなことなら、せめてあの娘と……)

何度もそう思い。そう願い。
記憶と時間が渦を巻き融合した世界で、誰かが語りかけてきた。

『お主に地獄の門をくぐる覚悟あるならば、今一度現世に戻すほどに。
但し、戻るはお主が魂のみ。如何?』

肉体を朽ちさせながら男は応えていた。
この世に置いてきた、ただひとつの未練を果たすために……



「か、佳菜……ノブくんとなら……して……いいよ」

わたしは、ぶ厚い手を握り締めながら呟いていた。
胸をドクドクさせながら……
ちょっとだけ眩暈を感じながら……
土手に拡がる草むらを見つめて……半径10メートルに耳を澄ましている人がいないか黒目だけ走らせて……

打ち上がっては、バーンッって鳴る花火の大音量に紛れ込ませるつもりだった。
そのたびに湧き上がる大声援にかき消してもらうつもりだった。

なのに……
ノブくんは、ぎゅっと手を握り返してきた。
佳奈の呟きをOKしたよって……とっても嬉しいって……

こういうときだけ、男の子って神経過敏なのかな? 
それとも、小さな町の小さな花火大会なんかより、ずーっと佳菜の方が気になっていたのかな?

でもわたしは……佳菜は……ホントはまだまだ迷っているのに。
だからホントはホントは、スルーして欲しかったのに。

ノブくんを見上げたお空の上で、大きなお花が開くのを待って……わたしは……

「今から……しよ……」

お腹の下がジュンってなるのを気しながら呟いちゃった。
青く輝く月光とともに、水面に咲く花火を見つめながら。



「ねえ、ノブくん。どこまで行くの?」

「それはね……う~ん、秘密」

「もう、ノブくんの意地悪!」

ノブくんが運転する車は、町を離れて北へ北へとカーブの多い山道を上っていく。
ホントにどこへ連れて行ってくれるのかな?
これから先は大きな峠で、隣の町までは30キロくらいあるし、たぶん……たぶんだよ、ラブラブホテルとかもないと思うし……

わたしは免許取りたて初心者マーク付きの助手席で、大好きなノブくんを見つめた。
眉毛が太くて肩幅が広くて、学生時代のときよりも凛々しい感じがして……
でも、今夜ノブくん。ちょっと変だな。
今だって、佳奈の視線に全然気が付いていない。
真っすぐフロントガラスを見つめながら、ニヤニヤしているんだもん。

因みに、幼なじみだったわたしたちは、今年の春、同じ高校を卒業して地元にある同じ会社に就職した。
ノブくんは工場の現場で、わたしは事務員として。

本気で彼のことを好きになっちゃったのは、高校生になってからかな。
でもお互い、学生の間はクリーンでいようねって、なんとなく申し合わせていたら、それが社会人になってもズルズル続いちゃって、まだキスどまりなんだから。
もちろん、お肌の触れ合いなんて一度も……
友達のミヨリンなんか、もうとっくの昔にバージン捨てちゃったって、佳菜のことを子供扱いするし、マナリンなんか、高校を卒業と同時に結婚して現在妊娠3か月目だし……

だから佳菜もって、背伸びしてちょっと優柔不断のノブくんを誘ったつもりが、あっという間に急展開。
男の子って、なんでこうせっかちで単純なのかな?

「ちょっとノブくん、どこまで行くのよ。
さっきから対向車も来なくなったし、前を走っていた車もいなくなったじゃない。
ねえ、引き返そうよ。佳菜、なんだか怖い」

「もう。佳菜は臆病なんだから。もう少しだけ、もうちょっとだけ我慢してよ。
会社の先輩に、とってもいい所を紹介してもらったからさ」

「えっ! ノブくん、それってエッチを前提で……?
もう。男の人って会社の中でそんな話をしているんだ。信じらんな~い。なんだか不潔~っ」

「そりゃないだろ。僕だって、ここぞという時に備えて準備をしてだな。
佳菜をよろこばせようと思ってさ」

「佳菜をよろこばせるって……?
それって、喜ぶ? 悦ぶ? 心が? まさか身体ぁ? いやぁ、ノブくんのエッチぃっ♪」

わたしは、目を細めながら大げさに笑った。
ふたりの初エッチのために、ノブくんがちゃ~んと準備してくれてたのが嬉しくって。
ううん、それ以外に……というかこっちが本命で、誰かに覗かれているような気がして……

その間も、目的地に向かって車は走っていく。
カーブをクルクル回って、坂道をドンドン上って。
そして、峠の手前に横たわる黒々としたダムが見えてきた。
月明かりに照らしだされた鏡のような水面が、助手席の窓一面に拡がった頃。
無人の駐車場に吸い寄せられるように車は停まった。

これって……?! ただの休憩だよね。ねえノブくん?



目次へ  第2話へ




ノブくん……だよね?!























(2)
 


「さあ、佳菜。着いたよ」

「じ、冗談……だよね。ノブくん? 
佳菜を驚かせようとして、こんな所へ? それともノブくん、お、おトイレとか……?
……って、ここ、おトイレはないし……あっ、喉が乾いたのね。え~っと、自動販売機はと……?」

「もう、佳菜ったらなに言ってるんだよ。今、話しただろ? 『着いたよ』って」

「や、やっぱり……ここ?!」

わたしは、横断歩道を渡る幼稚園児のように首を振った。
ノブくんの言葉を否定したくて、佳菜が話したモノを証明したくて。
でも、車が10台くらい停まれそうなスペース以外、公衆トイレのマークも、明々と電気の点いた鉄の箱も何も見付からない。
シーンと静まりかえって、伸ばせば手が届きそうな黒い湖面と、鳴き続ける虫の声。
そして、雲ひとつない夜空に浮かぶ青白い満月の光。

「う……ううぅぅっ。ひどいよノブくん。
佳菜はとっても恥ずかしかったのに、勇気を出して告白したのに……
それなのに、車の中でなんて……そんなのイヤだよ」

「佳菜……ごめん。怒らせちゃった?」

「当り前よ。確かに佳菜もノブくんもお給料安いし、お洒落な高級ホテルなんて贅沢言わないけど、せめて普通のホテルで……ラ、ラブホテルでもいいからさ。
ね、ノブくん。帰ろう? 
それにここ、不気味で変な感じがする。早く戻ろうよ。ね」

「おかしいな? 川上先輩。僕が相談したらここがベストポイントだって紹介してくれたのに……
ここなら、佳菜と気兼ねなく愛し合えるって、勧めてくれたのに……なぜ? なぜ拒否するのぉ? ううぅっ、なぜ僕ではなくてぇ、信雄を選んだりするのさぁ」

「ノブくん?! 今なんて! 川上先輩? それってその……ヒィッ!!」

わたしの口から続きの言葉は出て来なかった。
運転席で首を横に向けたノブくんは……ノブくんではない。
顔はノブくんで仕草もノブくんだけど、やっぱり違う。なんなのよ! そのへばりつくような粘着質なしゃべり方? 

「ちょぉっ、ちょっとぉっ! い、いやぁッ、来ないでッ! ひ、ヒィィィィッッ!」

その人は助手席のわたしの上に圧し掛かってきた。
ひざを無理やり拡げると下半身を割り込ませてきて、そのまま胸と胸を合わせた。肩と肩も合わせた。
最後に唇を合わせようとして、イヤイヤするようにわたしが首を振ると、ペナルティだって感じで座席を押し倒した。

「ひゃぁっ! ちょっと急に……どうしちゃったのよ? ノブくん、ねえ、ねえってばっ!」

「佳菜ぁっ、き、君が悪いんだぁ、君さえあの時、俺のプロポーズを受け入れてくれたら、こんなことにはぁ……ふふふ、ははははっ」

「えっ! そ、そんな……あなた……川上先輩?!」

全身に男の重みを感じながら、出てきた答えはあり得ないもの。非科学的なもの。

「ふふっ、やぁっとわかってもらえたようだねぇ。佳菜ぁ。
そういうことぉ。君の大好きな信雄は、今では俺のアヤツリ人形さぁ。では、佳菜の唇のお味はと……」

「い、いやぁぁッ! ノブくん、しっかり。しっかり……むぐぅぅぅッッ?!」

月明かりの下、男の影が視界を遮った。
全体重を乗せながらわたしの抵抗を封じ込めると、ヌメヌメの舌を差し込んでくる。
必死でくちびるを閉じていたけど、もうダメ。
顔どうしを密着されて鼻が押しつぶされて、呼吸させてもらえないの。
苦しくてちょっとだけ口を開けたら、佳菜の舌がノブくんだった人の舌に絡みつかれちゃった。

「ちゅぷぅっ、ちゅばぁっ。佳菜のベロっておいしいぃ。ほらぁ、信雄の唾をたっぷりと入れてあげるぅ」

「んぐぅぅっ、むぅぅぅっ。ゆ、ゆるしてぇっ……川上……先輩……」

口の中が、ノブくんの唾液に占領されちゃう。
佳菜の舌の裏も表もノブくんの舌にスリスリされて、喉の奥へと追いやられちゃう。

わたしは虚しく抵抗した。
覆いかぶさる身体を両手で押し上げようとして、両足でノブくんの下半身を挟み込んで……
本当は、ひざ頭で男の人の急所を『エイッ!』って蹴り上げてやりたかった。
でも……でもね。できないよね、そんなこと。
大事なノブくんの身体だもんね。佳菜には無理だよ。

「ぷはぁっ。おいしかったよ、佳菜の唇。濃厚だねぇ。
ふふふっ、どうしたの? 顔を背けたりして。
さあ、もっと楽しもうよぉ。今夜は佳菜の記念の日になるんだからさ」

「イヤよッ! アナタとなんか絶対にイヤァッ!
ノブくん、起きてよ。正気を取り戻しててばぁッ!」

「くくっ、無駄だよ佳菜。信雄の身体は俺が支配しているんだよ。俺の思い通りに動くのさ。
君の行動しだいでノブくん、大変なことになるよぉ。
だって、このまま目の前のダムに飛び込むことだって簡単だしねぇ」

ガチャって音がして助手席のドアが開いた。
身体の上から重しが消えて、直接月明かりがわたしを照らす。

「ま、待ってっ、ノブ……い、いえ川上先輩……」

わたしは腕を伸ばしていた。
半身外に飛び出しているノブくんの腕を掴んでいた。

「わ、わたしが……相手……します。
だから先輩、ノブくんに何もしないで……お願い……します」

「ふふふふ、そうだよぉ。やっぱり素直な佳菜が一番似合ってるよぉ。
それじゃあ、こうしようかな。お互いに見せ合いっこしながら裸になろうよ。
それと、これからは俺のことを春彦って呼ぶこと。
もし、ノブくんなんて呼んだりしたら、そこのダムにダイブするからねぇ。いいね、佳菜」

「……はい。は、春彦」



目次へ  第3話へ





アナタのために準備したランジェリーなのに……























(3)
 


車内という限られた空間に流れる、肌を滑る布の音。金属金具の音。

シュル……スススゥーッ……
カチャカチャ……シュル……ズズズゥーッ……

「くぅっ、は、恥ずかしい。イヤッ、見せないで……」

わたしが頭からTシャツを引き抜いたときには、ノブくんは上半身裸になっていた。
震える指がスカートのホックに掛るときには、ノブくんもズボンのベルトを緩めていた。
勇気を出して履いたミニスカートも、ゆっくりとゆっくりとずらしていく。
それに合わせるように、ノブくんもジーンズを下していく。

ほとんど水平に倒された座席シート。
そこに寝かされたわたしは、下着の上から胸と下腹部を2本の腕で隠していた。

「ふ~ん。ピンクなんだぁ。それも上下お揃いの花の刺繍が付いてる。
女の子って、初体験のときは下着もこだわるって聞いたことがあるけど、佳菜もそうなんだねぇ。
ふふふ、俺のために可愛いブラジャーとパンティーをありがとうね。
信雄には見せてあげないけど……クククク……」

「ああぁっ……う、ううっ……」

フロントガラスに背中をひっつけた中腰の男が低く笑った。

この日のために準備してたのに……
パソコンの画面と睨めっこして、一生懸命選んだランジェリーなのに……
ノブくんのために。ノブくんがエッチそうな目で佳菜を見てくれることを想像して……

カチッ……ススーッ……

だからわたしは、座席シートの下に腕を入れた。
指先にホックを引っかけてパチーンと外していた。
緩むカップを力任せに引っ張った。
肩紐をずらせて座席の下に落とした。

いやらしく眼尻を下げた男が、ちょっと意外そうな顔をする。
わたしはその表情を勇気に変換して、腰骨に引っ掛かっている最後の一枚に指を添えた。

シュルシュルシュル……ススー

「くぅぅっ、んんっ」

お尻をほんの少し持ち上げて、ちっちゃな面積の布を引き下ろしていく。
紐のように丸まったピンク色のモノが、太腿を過ぎてひざ頭を通過して足首に絡まった。

その間、わたしは首を左に向けて黒い水面を見つめていた。
そして、口の中で呟いていた。

絶対に見せてあげないから。
佳菜の上下お揃いのランジェリーは、ノブくん専用なの。他の誰の目にも晒したくないの。
特に川上先輩。あなたにはね。

「驚いたぁ。佳菜って可愛い顔して以外と度胸あるんだねぇ。それじゃあ、僕も」

「ひぃっ、いやぁっ!」

男はトランクスの前の突っ張った膨らみを見せつける。
そうしておいて、腰を揺らせながら下着を下していく。

ふざけてる! 絶対この人、頭おかしいよ。
でも……

わたしは目の端でノブくんのアレを見つめていた。
ピンと斜め上を向いて、ピクピクしているお肉の棒から目を逸らせなくなっていた。

「なーんか、面白くないよねぇ。信雄の奴、俺のより立派なモノを持っていてさぁ。
いっそのこと、このおち○○ん。そこのダッシュボードに入ってるカッターナイフで切断しちゃおうかなぁ。シュパッって……」

男の輪っかになった指が、ノブくんのあそこを締め上げた。
長い肉棒の真ん中に指がめり込んで、顔に憎悪の表情が見え隠れする。

「ダメよっ! そんな……そんなことしたら、ノブ……ううん、死んじゃうぅっ!」

「ふふっ、冗談だよぉ。佳菜。いくら俺だって、そんな痛いことはごめんだからねぇ。
それよりも、ほらぁ。佳菜のアソコをよく見せてよ。
足を開いて自分の指でおま○この中まで拡げて……さあ、やるんだ」

「わかった……春彦……」

もう従うしかないよね。
だって、さっきの顔。あれって本気っぽく見えたもん。
もう何がなんだか、わからなくなっちゃったけど、ノブくんの身体だけは守ってあげないとね。

足元にしゃがみ込んだノブくんの身体。
そのエッチな視線を浴びながら、両足を開いていく。

「ああぁっ、見ないで。お願いだから……みないで」

呪文を唱えるように声を上げた。
どうせ見られちゃう。佳菜のアソコ、覗かれちゃう。
でも、わたしの女の子が叫んじゃうの。
叫んだって、男の人を悦ばせるだけなんだけど、やっぱり我慢できないの。

「ほぉ~ぅ。佳菜ってあどけない顔をしているのに、下の方は大人だったんだねぇ。
お尻の方まで恥ずかしい毛に覆われちゃって……ふふっ、いやらしいよねぇ。
それに、あれぇ。君って、クリトリスが大きいねぇ。いや、見られたたげで感じて勃起してるのかな?
案外、スケベなんだね」

「違う。変なこと言わないで。
わたし、毛深くもないし、感じてもいない! そんなのデタラメよっ」

「ふふふっ、だったら証明してみせてよぉ。
指で中まで開いて『佳菜のおま○こは全然感じていません。濡れてもいません』ってね」

「ああ……」

まるで征服者のように男が見下ろしている。
これじゃ完全にこの男のペース。
わたしは口にした言葉をひどく後悔しながら、指を盛り上がったお肉のサイドにひっつけた。

「さあ、思いっきり開くんだ!」

「ううぅっ、くぅぅぅっっ……」

ごめんなさい、ノブくん。こんな男に言いなりになる佳菜を許してね。
指先に力を入れた。
すると、男の喉仏がゴクリと動いた。
恥ずかしいお肉の中まで、いやらしい空気に撫でられちゃった。



目次へ  第4話へ





ギャラリーは人魂?!























(4)
 


「か、佳菜の……お……おま○こは……全然感じていません。ぬ、濡れてもいません」

口を閉じた途端、全身から汗が噴き出してきた。
はしたなくて口にしてはいけない単語に、佳奈の女の子が泣いちゃった。

「さすがに処女のおま○こだ。中のヒダヒダまでサーモンピンクなんだねぇ。綺麗だよぉ」

全然うれしくないのに、男は恋人のように褒めてくれた。

「も、もう充分でしょ。これ以上わたしを辱めないで」

だからわたしはキッと睨んで、アナタの恋人なんかじゃないって顔をしてあげた。
両手の指で恥ずかしい処を拡げても、こんなの平気って顔もしてあげた。

でもね、割れ目の突端に触れた指がブルブルしている。
ほっぺたの内側を噛み締めていたから、佳菜の血液と唾液が混ぜこぜになっちゃってる。

そんなわたしが可笑しいのか、男がふっと息を吐いた。
そして、視線を窓の外へと向ける。

「……なッ?!」

つられて覗いた目の隅っこで、光るモノがひとつ、ふたつと浮かんでいた。
ゆらゆらと漂っていた。

「やっとお出ましのようだね。遅かったじゃないか」

「な、なんなのよ、これ?」

「ん、佳菜は知らないの? 人魂だよ。この世に未練を残して成仏できないっていう、ホラー話なんかで登場するポピュラーな奴」

男は驚きもせずに平然と答えた。
窓ガラスの外でふわふわと踊る無数の青白い光。
大きいのや小さいのや、分裂したり吸収されたりしながら、次第にこの車を取り囲むように輪を狭めてくる。

「ヒッ! ヒィィッッッッ! イヤッ、こないでぇッ、近づかないでッ!」

「ふふふっ、怖いかい佳菜ぁ」

「ヒャァぁぁぁッッ、イヤぁぁぁぁッッッ!」

泣き叫ぶ耳元でノブくんの顔をした男が囁いた。
ぞくりとする粘っこい声に首筋を舐められて、窓の外から人魂に覗かれて、わたしは更に大きな声で泣いた。
もう少しで『ノブくん』って、叫びそうになった。

「なにも怖がることなんかないんだよ。こいつらはただのギャラリーなんだからさぁ。
そう、女の肢体。女の匂い。女のよがり声。こんなのに寄ってくる虫みたいなものさ。
それよりも佳菜。そろそろ初体験を済ませようよ。そのために僕はここにいるんだからさぁ。
信雄のおち○○んもほら、涎を垂らしまくっているよぉ」

男がノブくんの身体を揺すった。
おどけてノブくんをけなすように、ピンとそそり立った肉の棒をゆらゆらさせる。

もう、気が狂いそう。
だってノブくんがノブくんじゃなくて、周りを幽霊に囲まれて、それなのに……
それなのに、抱かれないといけないなんて。セックスしないといけないなんて……
大切な人の身体と、でも心は別のわたしの嫌いな人となんて……

「ふふふっ……」

そう思うと悲しさを通り越しておかしくなってきちゃった。
わたしの上できょとんとしたノブくんの顔を見ていると、もっと笑ってもっとおバカになりたい。なってみたいって……

「おい佳菜ぁ。お前、笑っているのかぁ? どうして?」

「うふふふっ、そんなのどうでもいいじゃない。
それよりもセックスするんでしょう。だったら挿れなさいよっ。
そのお、おち○○んを……佳菜の……お、おま○こに突き刺して、セックスしなさいよっ」

わたしは笑顔で挑発してあげた。
恥ずかしい単語だって、ちょっと詰まっちゃったけどちゃーんと言ってあげた。
どうせ逃げることなんて出来ない。
外には幽霊達が待っているし、抵抗したって男の腕力には敵わないし。

だったらこうするしかないもの。
せめてノブくんの身体で、ノブくんの熱いモノで佳菜の初めての人になって欲しいの。
佳菜が18年間守ってきたバージンを、ノブくんの身体に奪って欲しいの。

「そのかわり、これだけは約束して。
わたしとのセックスが終わったら、ノブくんを返して。ノブくんを解放してあげて」

「もしも、俺が約束を守らない時は……?」

おどけていた男の目付きが変わる。真顔でわたしを見つめてくる。

「そのときは……死にます。
ノブくんの首を絞めて、わたしもそこにあるカッターナイフで自殺して、ふたりして幽霊になってあなたを呪います。本当です!」

「ふっ、おもしろい」

何がおもしろいなのか、男は目を細めた。
上体を被せてきて鼻の頭をひっつけながら囁かれた。

「佳菜が真面目にセックスさえすれば、信雄は返してやる。
そのかわり、これは俺からの条件だよぉ。
行為の間は、この春彦が恋人。甘い声で鳴いて淫らに悶えてみろぉ。わかったな」

わたしは頷いた。
同時に佳菜のおっぱいを手のひらが覆った。



目次へ  第5話へ





春彦さん……佳菜は……気持ち……いいです……























(5)
 


「うくぅっ、い、いきなりなんて……」

「安心しろぉ。前戯くらいしてやる、ほらよぉ」

「あっあぁぁ、痛ッ! おっぱいに指を立てないでぇっ」

節くれだった男の指が乳房の中へと沈み込んでいく。
揉むというより力任せに掴まれた。
握りつぶすように握力を加えながら、ふたつの膨らみをちぎり解していく。

「ほらぁ、鳴いてみろぉ。気持ちいいとか感じるとかぁ、なにかあるだろう?」

「あ、あぐぅっ、痛いっ。ううぅっ……き、きもちいい……くぅッですぅっ」

わたしは男の期待に応えようと、心にもない言葉を叫んでいた。
蠢く指先から逃れようと、背中を座席シートに沈ませながら、涙目のまま口の端を緩めていた。

「そうかぁ、佳菜は気持ちいいんだねぇ。だったら春彦さんが抜けているだろう?」

それなのに、この男はノブくんの瞳をキツネ目に変えた。
吊り上げた目で、まだまだという感じで佳菜の心と身体を切り裂こうとする。

「ふぐぅぅぅっ、やめてぇッ……こわれるぅッ! ……き、きもちいいです……はぐぅっ、はるひこ……さん……」

おっぱいをいたぶる激痛に、ほっぺたまで緩めて微笑んでいた。
微笑んで涙をいっぱい溢れさせて、好きでもないのに、この人の名前を呼んだ。
心の中でノブくんって置き換える。
ノブくんの指だったら、我慢できるって自分を信じこませて。

「ふふっ、春彦さんかぁ。いいねぇ。では、こっちはどうかなぁ?」

ちゅくぅ、ちゅぷっちゅぷっ……

「ひぃ、ひゃあぁぁっ! そこはぁ、だめぇっ!」

そんな佳菜の心を見透かしたように、男が腰を動かした。
引き締まった筋肉を小刻みに運動させて、割れ目のお肉に硬いモノを擦り付けてきた。
座席シートいっぱいに開かされた佳菜の下半身。
その間に割り込んだノブくんの身体が、今にも挿入しそうな態勢をとっている。

「はあっ、あぁっ、い、いやぁ……ゆるしてぇ」

初めての感触に、佳菜の女の子が恐怖して強張った。
それに追い打ちを懸けるように、窓を埋め尽くす人魂の群れが揺れる。
ユラユラと漂って、その数が2倍にも3倍にも膨れ上がっていく。

「よかったなぁ佳菜。どう見積もっても百人くらいいそうだぜ。死人のギャラリーがなぁ」

「イヤイヤ、見ないでぇっ! はぅぅんんっ、みないでよぉっ!」

まるで佳菜の恐怖心がエネルギー源のように、ノブくんの身体は更に腰を揺すった。
硬くなった先端のヌルヌル液を、恥ずかしい処全体に万遍無く塗り付けてくる。
仕上げのように尖ったクリトリスもグリグリされた。

「んんんっくぅ、あっあぁ、はるひこさん感じるぅっ……お豆ぇっ、きついぃっっ……くぅん」

勝手にお腹の筋肉が痙攣してる。
ちょっと言葉は意識したけど、今度は自然に鳴かされちゃった。
だって、ノブくんのアレ、硬くて熱いだもん。
佳菜の大好きな、ノブくんのおち○○んなんだもん。
それが佳菜の感じる処を弄るんだもん。

「ふふっ佳菜。もっともっとぉ、甘い声をださせてやるからなぁ」

「あはぁ、くぅっ……乳首弾かないでぇっ。いやぁっ、クリばっかり刺激しないでぇっ! はうぅんんっっ」

無意識に揺れる背中。
ノブくんの身体を挟むようにして、無意識に揺れる下半身。

ノブくんの指に、佳菜の乳首を交互に抓られて。
爪先でもパチーンッってされて。
ノブくんの硬いおち○○んに、佳菜の感じるお豆をギューって押しつぶされて。

だんだんとじゃない。ゆっくりとじゃない。
あっという間に、本気で気持ちよくさせられちゃう。
青白いギャラリーさんだって、今では窓のお飾りみたいに見えちゃうもの。

「んんっ……はあぁぁっ……そんなの……だめぇ……」

これが抱かれるっていうことなの? 
これが男の人の愛し方なの?
わたしより上手だなんて。佳菜の指より感じちゃうなんて。

だって佳菜のアソコは、ホントに濡れちゃってるもん。
まだバージンなのに膣の中がキューってして、エッチなお汁が溢れてくるのがわかるもん。

じゅぷ、じゅぷ……じゅぷぅぅぅっ……

「あっ……ふぅ……感じるぅっ、はるひこさん、おっぱいが切ないのぉ。
アソコがジンジンするのぉっ」

ノブくん。ノブくん。ノブくん。ノブくん。

くちびるが動くたびに、わたしは愛する人の呪文を唱えていた。
ノブくんの指におっぱいを突き出して……
ノブくんの腰に合わせて、佳菜も腰をクネクネさせて……
バージンなのに、イッちゃいそうで。
バージンなのに、はしたなく乱れそうで。
だから……叫んでみた。

「んんっ、はあうぅんん。おねがい……はるひこさん。い、挿れてぇっ……佳菜とセックスしてぇっ!」

早く終わらせてほしい心。
ノブくんとの初エッチを期待する心。
互いにすれ違うふたつの心が手を結び、佳奈に淫らな勇気をくれた。

そして、外で揺れる青白い光と素肌を照らす月の光が同色になって、男の愛撫が止まった。



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